轟木優人 Yuto Todoroki

ドイツで音大生してます。

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最近の記事

東京思い出川柳 その⑤

川柳の字数合わせの為に「四、五針」と設定したわけじゃないんです。 マジで四、五針だったんです。 マジでチャリでこけたんです。 あーもうほんと恥ずかしかった。 忘れもしない、あの悲劇が起こったのは東京都の西の端っこ、奥多摩である。 その日は友人の提案で、自分含め三人組でサイクリングに出かけたのだ。 なんというか、そいつはとにかく色んな「遊び方」をちゃんと心得ていて、いつもなんとも粋な提案をしてくれたし何よりつるんでいていつも楽しいやつだった。 奥多摩駅から奥多摩湖までの初心者で

    • 東京思い出川柳 その④

      断然犬派である。 ただ犬派の人間の中では比較的猫も愛せるバランスタイプである。もっと言うと動物全般割と好き。 ただやはりあの犬という動物、とりわけ大きめのワンワンに対する僕の愛はスカイツリーより高く隅田川より深い。(そこは東京湾だろ。) なんなのあの動物は。本当に。 ただただ愛くるしい。 あの少し臭いのもいいよね。ワンワン臭。 自分が大きめのワンワンに対して偏愛を持つ最大の理由は、ギューっと体全体で抱きしめることが可能なあのサイズ感にある。 彼らと向かい合い、体制を低くしてワ

      • 東京思い出川柳 その③

        「趣味」って一体なんですか? そんなもん俺には無いんじゃないか。 もっと厳密に言うと、 「人様に堂々と宣言できる趣味」が無い。 人並み以下だけど本も読む。でもだからといって 「僕の趣味は読書です」 なんて口が裂けても言えないし、近年日課にしている(極めて地味な)筋トレも結局は自分の自己肯定感を高める為にやむを得ず行っているルーティーンであるからして、「趣味」と呼ぶにはどうもおかしい。全然違う。 趣味というものの定義を、 「空き時間にやる自分の専攻(仕事)に関係ない楽しいこと」

        • 東京思い出川柳 その②

          原宿で髪を切っていた。どのくらいだったかな、一年くらいかな。 友達に教えてもらったアプリは、練習の為のカットモデルを探している美容師さんとそのモデルになりたい利用者を繋ぐサービスを提供していて、それでもって大変親切で何もかもが超ナイスな一人の原宿の美容師さんと知り合った訳である。あのアプリまだあるのかな。 それまでの自分はほぼ毎回の様に違う美容室へ行っていた時期もあるくらいで、なかなかの美容室迷子だった。別にそうしたかった訳じゃないのにそんな調子だったのには幾つか理由があるけ

        東京思い出川柳 その⑤

          東京思い出川柳 その①

          以前東京に住んでいた。それに際しては、それはそれは夥しい数のしょっぱい思い出がある。今回それらを川柳にしたためることによって当時のどうしようもない自分をふりかえりつつ、誰かに笑って頂くことで何かに昇華させていこうという試みです。(適当) 何でかは忘れたけど、多分何かで急にお金が必要になったんだと思われる。単発で仕事を探した。 普段使わない東西線に乗り込みいそいそと東陽町へ向かい、駅から派遣バイト先のスーパーへ徒歩15分くらい。え、東京なのにめっちゃ歩くじゃんって思いました。

          東京思い出川柳 その①

          詩 無題

          その冗長さの中に 何かを見出すのか 戦えば戦うほど 薄汚れてゆく自分に これ以上何を求めるのかと 問いながら それでもなお 生きることをやめられず 己が卑屈さと向き合って 真剣に泣き続ける自分 異国の夕焼けは 未だ肌に合わず いくら買っても 満たされることのない洋服の山 青春の焦燥さえ 最早遠い昔の話 汚い手で目を擦っても 一向に好くならない狭い視界 飄々と淡々と、と そう願えば願うほど 突きつけられる 弱い自分の姿 他ならぬ自らの浅ましさ故 誰からも真