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企業理念・ビジョンの大切さを音楽の3要素で説明してみる

音楽と企業理念は似ている。

突然何を言ってるんだ?と思われたかもしれませんが、ちょっと考えてみてください。

"音"と"音楽"は違う。ただ音を鳴らすだけでは音楽にならない。

それなのに、ド・ミ・ファ・ソ・シ・ドの5音で構成される琉球音階を元にした曲は、誰が聴いても沖縄を連想させますし、ヒップホップのように音楽が中心となって独自のカルチャーが形成されることもある。音楽は世界の地域性や民族性を色濃く反映し、人気アーティストには価値観を共有する熱狂的なファンが集まる。

同じように、"集団"と"組織"は違う。ただ人が集まるだけでは組織にはならない。しかし、共通の目的を掲げ、それぞれが貢献意欲を持ち、コミュニケーションをおこなうことによって組織となる。組織には独自の社風や文化が生まれ、それに共感する仲間が集まる。

共通の理念や指針があることで、そこに意味が見出され、個性や世界観ができるという部分で、音楽と企業理念には共通点があるのではというお話。

「企業理念なんてぶっちゃけ必要ないんじゃないか?」
「企業理念がなかなか社内に浸透しなくて悩んでる…」

そんな方に気軽に読んでもらえたらうれしいです。

企業理念と音楽には共通点が多いよねの図

企業理念のMVV

企業理念とは何か?ひとことで説明するのは結構難しい。ドラッカーの影響なのか、企業理念はMission・Vision・Valueの3つにわけて説明されることが多い。いわゆるMVV。

ミッション

「ミッション(Mission)」とは、企業が社会において果たすべき使命や任務のことです。企業の根幹となる考えを言語化したもの

日本の人事部:「ミッション・ビジョン・バリューとは、それぞれの違い」

ビジョン

ビジョン(Vision)は、「展望」や「理想像」などと訳され、ビジネスシーンでは「会社が目指すべき理想の姿」を表します。

日本の人事部:「ミッション・ビジョン・バリューとは、それぞれの違い」

バリュー

バリュー(Value)は、「価値」や「価値観」と訳される、「会社が大切にする価値観や行動指針」です。

日本の人事部:「ミッション・ビジョン・バリューとは、それぞれの違い」

ミッション・ビジョン・バリューの解釈は人により、会社により、けっこう違うので、ここでは厳密な定義を追求しない。このMVVのイメージを踏まえた上で、音楽との共通点を具体的に考えてみよう。

音楽の3大要素

音楽を音楽たらしめるために、音楽には"3大要素"というものがあり、リズム、メロディ、ハーモニーが音楽の3大要素と呼ばれている。この3つの言葉もMVV同様、人によって解釈が分かれそう。簡単に言葉の定義について調べた内容を載せておくことにする。

リズム(律動)

音の強弱などの、周期的な繰り返しによって表される秩序。音楽に関する時間に対する構造または組織化を示す時にリズムと言う語が用いられる傾向がある。

Wikipedia、Oxford Languagesより抜粋

メロディ(旋律)

ある高さと長さを持ついくつかの楽音が前後に連続して、それがリズムに従って、連続的に進行する(演奏される)ことによって、何らかの音楽的内容をもつもの。

Wikipediaより抜粋

ハーモニー(和声)

ギリシャ神話のハルモニア(Harmonia, ギリシア語: ‛αρμονία)に由来する言葉で一般に物事の調和のこと。複数の要素が対立なくまとまっている状態。

Wikipediaより抜粋

ここまでの説明でお気づきかと思うが、企業理念のミッション、ビジョン、バリューと、音楽のリズム、メロディ、ハーモニーが対になっているように感じないだろうか。

企業理念を音楽の3要素で説明してみる

企業理念のMVVは音楽の三大要素と似ているの図

ミッションとは存在意義。基本的に変わることのない北極星のようなもの。音楽でいうところのリズムと同じ。メロディがない音楽はあるけど、リズムがない音楽はない、という話を聞いて「なるほどな~」と勝手に納得している。

ビジョンは目指すべき理想の姿、中長期の目標で、時代にあわせて変わる。ということは、音を戦略的に配置して、Aメロ・Bメロと来てサビへと向かう旋律にまとめられたメロディラインと似ている。メロディには、歌詞も含めてその曲が伝えたいことの多くが込められているのも似ている点である。

バリューは会社が大切にする価値観や行動指針。音楽でいうところのハーモニー、コード進行になんだか近い。基本的にこのルールの下で、他の音とマッチした演奏をしようねという指針となるもの。時には不協和音を生み出す多様性を許容することも必要。

ミッションという軸がブレている組織はリズム感のない音楽と同じ
ビジョンが曖昧な組織は何を伝えたいかわからないメロディのよう
バリューがまとまってない組織にハーモニーは決して生まれない

ロックなのか?ジャズなのか?よくわからないチグハグな音楽では、どんな豪華な伴奏をつけても誰もまともに聴いてはくれないしファンもつかない。もちろん、一緒に演奏したいという新メンバーも加入してもらえないだろう。

そして、自社で発信している採用広報やブランディングは、音楽におけるライブやMV(ミュージックビデオ)のようなもの。どこかで聴いたコピーバンドではなく、自社らしいリズム・メロディ・ハーモニーでオリジナルの世界観を伝えられているか、改めて聴き直してみてはどうだろうか。

企業理念を発信する組織の"演奏形態"

企業理念が音楽であるとすると、それを発信する組織の"演奏形態"についても気になるところ。ソロか、少人数のバンドか、大人数のオーケストラか、目指す規模感や組織体制は企業によって違う。

大手か?ベンチャーか?という議論はバンドか?オーケストラか?と同じだねの図

大手か?ベンチャーか?という議論がよく起こる。これはたとえて言えば、バンドが良いか?オーケストラが良いか?という話と似ている。結論、それは企業理念(目指す音楽)によるよね、ということ。

大手≒オーケストラだからクラシック音楽を演奏してるとは限らないし、バンド≒ベンチャーだからロックとは限らない。(弦楽四重奏かもしれない)。だから、キャスティングに関わる経営者・人事の方は、

自社の目指す音楽≒企業理念と演奏形態≒組織の特徴を深く理解し、
自社に合うメンバー構成を考え、採用していく必要がある。

自社がクラシック音楽を演奏するオーケストラの組織であれば、どんなに優秀なロックギタリストを採用しても、他の楽器との相性が悪く、本来の力を発揮できない可能性が高い。(曲のアレンジでカバーできる可能性もあるけど、限界はある。)

音楽と企業理念は似ている、というところから採用のあり方を考えることで、自社の魅力が求める人に伝わりやすくなり、ミスマッチも減るはず。

自社の目指す"音楽"は何を伝えているだろうか?


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