サッカー少年

爪切りの「パチン」という音が部屋に鳴り響く。私は腰を上げ、切り取られた爪の破片を集め、ゴミ箱に捨てた。

私は昔から深爪派である。
小学校3年生から始めたサッカーの影響でついた、「公式戦前には爪を切らないといけない」という風習がいつまでも抜けない。
今はもう公式戦など無いのだが…

いつからだっただろうか、サッカーが楽しくなくなったのは。
いつからだっただろうか、人生が楽しくなったのは。
何かを得るためには何かを捨てなければならない、それでも人は全てを欲してしまう。

「楽しいことを仕事にしましょう」or「楽しいことを趣味にしましょう」
この究極の二択もやはり、どちらかしか選べないのではないだろうか?

東大王でも答えられないようなこの問いを、いつかじっくり考えてみたい。もしかすると、「仕事も趣味も同じことをする。」という選択肢もあるかもしれない。など…。
話がややこしくなりそうだ。

話が難しくなった時はいつも、本を読み寝転がり、そこから音楽を聴いてリフレッシュする。そして極限までシンプルに、本質を見失わないように思考する。

まず1番に教えるべきなのは、「戦争の悲惨さ」ではなく、「なぜその戦いが起こってしまったか?」ではないだろうか?

少し話が逸れたが、「人間という生き物はよくよく本質を見失ってしまう。」と、世間に自分の思想を押し付けつつ、まだ伸び切っていない爪を、無意味にも切り続ける今日、この頃である。

                  続く

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