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面接であなたが伝えるべきこと

人事として長年勤務していると、友人や後輩から転職の相談を受けることがあります。その際によく聞かれる内容の1つが面接対策についてです。

面接対策では、色々と志望動機や想定される質問などを考えて熱心に準備されている方も多くいると思いますが、今日は、どのようにあなた自身を売り込んでいくべきかについて少し書きたいと思います。

入社後のパフォーマンスを予測する要素はなんでしょう?スキル?経験?学歴?

面接では、自分の過去の経験やスキルなどについてアピールをされる方が多いのですが、ここ10年ほど?特に面接で人事や部門の面接官が注目している要素は、過去の経験やスキルではなく、あなたの「過去の行動」についてです。

これは、Behavior Based Interview(行動に基づいた面接技法)という考え方に基づくものであり、候補者の将来のパフォーマンスを予測するには、過去の特定の状況において直面した課題に対して、候補者が取った行動とその結果をヒアリングしていくことで、応募してきたポジションに対して適切な人材か?入社後に一定以上のパフォーマンスを発揮できる人材か?をある程度予想できる、というものです。元々は、アメリカの国務省で外交官を選抜する際に、優秀な外交官を決定づける要素として、特定の行動パターンが実際の成果との相関が高いことが実証されたことから人事領域にも拡大されていった考え方だそうです。


Situation (状況)Task(課題)Action(行動)Result(結果)

わかりやすく例を挙げて説明すると、仮にあなたが応募したポジションが社内の業務プロセスの改善を進めていくポジションだとしましょう。そして、このポジションに求められる要件の1つが、「異なる立場・部門の人たちの意見を集約しつつ、コンセンサスを取りながら、全社最適な業務プロセスを確立していく」というものだった場合、面接ではおそらく下記のような内容を問われるでしょう。(特に外資系や採用の質の向上に力を入れている企業において)

1.  過去に、異なる意見や利害が相反する立場の人たちと業務をした(またはせざるを得なかった)経験(状況)はありましたか?

2. そこで、どのような課題をあなたは解決しなくてはならなかったのか?(課題)

3. あなたはその課題に対してどのように動いたのか?そして、その理由は?(行動)

4. そしてその結果は?上手く行った場合、上手く行かなかった場合、その原因をどう捉えるか?(結果)

要点は、あなたの過去の行動事例をそのポジションで求められている行動特性に合わせて説明すること。

面接に臨む際に、自分はスキルが足りないからとか、経験が少ないからと言って諦めてしまう方もいるかと思いますが、上記で記載したとおり必ずしもそのポジションで行う業務を経験していなくても、本質的な部分で求められる「行動特性」があれば、採用に近づく可能性はぐっと高まります。

ですので、大事なことはあなたが受けているポジションでは、どのような行動特性が成功の条件なのか?という点を面接前にきちんと理解して(人材紹介会社経由であれば、担当者に確認してもらうなど)、その上で自分の言葉で、上記のフレームワークで説明できるようにしておくと、面接が上手くいく可能性は高まると思います。あなたは、どのような行動特性を持った人なのか、今後のために是非一度見直して見てください。 皆さんの転職活動が上手くいくことをお祈りします。


 




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