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海外の人々は日本酒をどの程度知っているのか

こんにちは。
株式会社小林順蔵商店の小林佑太朗です。
今回は、日本酒が海外でどのように受け入れられているのかについて語りたいと思います。

Japanese Sakeは皆知ってて当然??

海外の人は「日本酒(Japanese Sake)」をどのくらい知ってるんでしょうか??

「お米から出来ていることは知ってるかな?」
「大吟醸とか純米吟醸とかはよく海外に輸出されているから知ってるだろうな~。」
「生酒とかスパークリング酒とかは、まだまだ海外では認知されてないよな~?」

などなど皆さんお思いかと思います。

私は出張で海外(特に欧州が多い)に年に2~3回訪れる機会があります。仕事柄、もうすでに日本酒を商売にしている人、ちょっとだけ興味があって話を聞きたい人、日本酒を扱っているレストランのスタッフ、全然扱っていないレストランのオーナー、一般の人など色々と会う機会があります。
もちろん日本酒を商売として扱っている人や、日本ファンな人などは、ある程度日本酒の知識を持っている方もいらっしゃいます。

しかし、大部分の人は「日本酒について全く知りません」。

基本的に全くです。いまだ多くの人が日本酒ってウォッカとかジンと一緒で「アルコール度数が高い(40度とか)」ものでしょ??って感じです。
どのような原料で作られているかも知らなければ、日本酒にいくつもカテゴリー(本醸造、純米、大吟醸など)があるのも知りません。
吃驚したのは、「Japanese Sake」という名前なのに「日本酒ってどこの国のお酒?」と聞かれたこともありました。
日本に来たことのない一般の方にとって日本酒は「アジアレストランでメニューに1種類「SAKE」とだけ書いてあって、頼んだら飛び切り熱い温度で徳利に入ってくる、熱くて飲み方の分からない、よく分からなくて美味しくないもの」という評価です。
(もちろん日本酒を非常にご存知の方や大好きな方もいるのは確かです。全員がそうといいうことではないです。)

酒類販売業者や飲食関係者でもまだまだ理解は低い。

海外の業界関係者の方にとっても、日本酒は実はまだまだよく分からないと思われているということも少なくないのです。
数年前、ドイツのデュッセルドルフで開催された「Prowine」というイベントに参加しました。Prowineとは毎年ドイツ・デュッセルドルフで開催される世界最大規模のBtoBアルコール商談会です。2019年には全世界から6万人以上が来場し、64か国6,900社が出展するビッグイベントです。
日本からは、日本酒造組合中央会JETROが毎年日本酒ブースを出展し、多くの酒蔵が海外バイヤーにアピールしてきております。

数年前に参加したときは、まだ主催者側にも日本酒はきちんと認知されておらず、日本酒ブースはウォッカやテキーラ、ジンなど蒸留酒(スピリッツ)ゾーンに位置していました。
もちろん、来場者も当然アルコール度数の高い商品だと思い、試飲さえもしてくれないような状況でした。

日本酒を取り扱っている小売店やレストランのスタッフにも、日本酒に関する知識があまりない人も多く、日本酒が日光の当たる店頭にディスプレイされていたり、在庫を高温多湿の場所に保管しているケースも見受けられます。

日本酒業界関係者は、日々認知度向上や日本酒に関する情報の啓蒙活動を行っている!

もちろん、酒造関係者も何もしていない訳ではありません。

上記のProwineのブースに関しても、各酒造や酒造組合中央会、JETROなどがキチンと主催者と情報交換をして今ではワインと同じ醸造酒ブースのど真ん中に日本酒ブースを置かせてもらうようになりました。
毎年、酒蔵の方たちが世界各国に実際に訪れ、各地大使館で政府や飲食関係者、プレスを招待して日本酒レクチャー試飲イベントを行ったり、現地レストランとコラボレーションをして日本酒と現地料理のペアリングディナーイベントを行ったりしています。
既に商品を輸出している酒蔵も、現地ディストリビューターと連携して、小売店やレストランに、日本酒の知識伝達や取扱い方のレクチャーなども行っています。

最後に

今では、世界各地で日本酒のコンペティションが開催されたり、ミシュラン三ツ星レストランのソムリエやシェフが日本酒のすばらしさを理解し始めています。

ただ、まだまだ一般の人々に日本酒のことが伝わっていないもの事実です。

日本酒の本当の美味しさや酒蔵の長い歴史を丁寧にきちんと伝えると、「全然知らなかったけど、日本酒って素晴らしい飲み物ですね!」「酒蔵は何百年も日本酒のために色々と創意工夫をして、だから今の日本酒があるんだなぁ!面白い!」など、日本酒のファンになってくれる人は、世界にまだまだいます。

これからも、日本酒が世界のSAKEとなり、世界の様々なレストランのメニューに(ワインのように)載って、日々楽しまれるようになることを夢見て頑張っていきたいと思います。


■株式会社小林順蔵商店ホームページ
https://j-kobayashi.com/
■海外プロフェッショナル向けBtoB日本酒情報プラットフォーム【IKKI】
http://ikki-sake.com/

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