大学生を初めて1ヶ月とちょっと。

カナダで高校を卒業し、帰国してからもう1ヶ月で1年になる。

思えば、たくさんの経験をさせてもらうことができた。
計画していた全てのことを実現することは出来なかったし、むしろ、夢のまま消えていってしまったものの方が多い。
それでも、「理想」と「現実」の間で、この小さな手でつかめる限りのチャンスや機会には挑戦してきたつもりだ。(そして本当に僕の手は小さい)
その選択に後悔はない。

とは言え、やっとこさ合格した大学の入学手続き前になっても、「大学に進学する」ということへの抵抗感と葛藤した。

「大学に行けば学びたいことが学べる」とは言うものの、「学びたいことだけ」を学べるわけではないし、周囲の環境はとても重要になる。何より、特に何も考えず「とりあえず生」と居酒屋で生ビールを注文する感覚で「とりあえず大学」という思考の人々と交わることへの嫌悪があった。

 とは言え、最低限大学には行ってくれという親、社会学を学びたい自分。利害は一致している。そもそも、無条件で大学に通わせてくれる環境は恵まれている。(自分が恵まれているから行かなきゃいけないみたいな論理は好きじゃない)

 グズグズ言えど、行かない理由はあまりなかった。

 何だかんだ言ったものの、入学したらしたでつまらないことだらけでもなかった。もちろん、入学式が中止されたり、今学期の授業が全面オンライン実施になったことは残念であるが、自分が望んでいた「社会学の門を開く」ことができたのは素直な喜びである。 必修との関係で教育社会学を取る事はできなかったものの、国際社会学や文化社会学、政治社会学などの様々な分野における社会学的アプローチに触れられるのはこの上ない幸せだ。
 案の定、特別に学生のレベルは高くない。ちょっと考えれば書ける課題にヒーヒー言うような環境だし、紛いなりにも大学入試を突破したとは思えない英語力の人々が多く不満があるのは事実であるが、以前にも書いた通り、与えられた環境でどんな花をどう咲かせるかは自分次第。 土のせいにするのはもったいない。

 気づいたこともある。僅かに1ヶ月弱しか大学生生活を送っていないが、やりたいことはやろうと思えばなんでもできそうだ。社会学の勉強もそうだし、サークル等々で可能性を広げることもできる(サークルの質が高いとは言っていない)、大学生という身分を使って色々なところに潜り込んだりすることも可能だろう。多少の無礼講も学生のはずはまだ目を目を瞑ってくれるはずだ。

 おそらく大学生活を良いものにするのも悪いものにするのも自分次第というところだろう。もちろん、「どんな大学なのか」や「どんな学部か」といった要素によっても変わることではあるだろうが、その話以前に出来ることは多分にあるはずだ。
 入院中から、今まで燃えていた火のようなものが消えた感覚がある。今までは同世代で活躍している人を見ると闘争心で狂いそうになったりしていたけれど、最近ではほぼ全くそれがなくなった。今まではずっと何かしら将来の夢とかなりたいものを持って生きていたけど、最近何になりたいのかさえも分からない。
 だからこそ、始まったばかりのこの大学1年生活は様々なことを「観光客」として楽しみたい。あまりやりがいのない真面目系サークルも、2部リーグでくすぶっているアメフト部のスタッフも(まだやるとは決めてない)、他にも様々な機会があるだろう。そうしたところでフニャッと、ヌメッと味わい、自分が本当にしたいこと、なりたい姿を考えていきたい。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?