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イタリア・ミラノ:美センスを磨くガイド<建築家Piero Portaluppi編>

イタリアやローロッパの街を歩いていて感じるのは、街並みの雰囲気が綺麗やバルコニーの大きさなど外見の美しさではないだろうか。Googleマップのサタライト映像を見てもらうと分かるのは、一つ一つのアパートの中に巨大なプライベートスペースがありエントリーウェイを抜けると想像を超える空間が存在している。

レオナルド・ダヴィンチが最後の晩餐を描いていた時に泊まっていたことでも有名なCasa Atellaniは1922年に建築家Piero Portaluppiによりネオバロックスタイに復元された。その時に新しくできたとも言われるのがダヴィンチのぶどう畑だ。歴史によると当時のミラノの支配者ルドヴィーコ・スフォルツァからのギフトとなっている。外からでは想像もできない広々とした空間に広がる緑はとても街のど真ん中にいることを忘れさせてくれる。

Vigna di Leonardo

最近この建物自体は買収されてしまったが、近日見学の再開は行われると聞いている。
Corso Magenta, 65, 20123 Milano MI

ミラノの街で100件以上のアパートを手がけてきたのが上にも出てきたPiero Portaluppiである。ミラノの生まれで20世紀初期を代表する建築家である。イタリアの家は日本とは違い、立て直すのではなく復元させるの一択であり、まだほとんどの作品は文化資産として残されている。その中のいくつかを紹介していこう。

Villa Necchi
San Sabila駅からPalestroの方向にCorso Veneziaを辿っていくとすぐ着く、ミラノでも由緒あるボルジュアなレジデンシャルエリア。門のデザインの格の違いでするわかるのではないであろうか。1932年から1935年に一族の為にPortapuppigaデザインした今となれば美術館化されたが、当時は一軒家である。プライベートガーデン、泳ぐというより体を沈め眺めるプールなど作りはゴージャスだ。1938年ごろから数年、家族は建築家Tomaso Buzziに声をかけ18世紀の雰囲気にデコレーションの依頼した。今現在はハウスツアー(英語もある)のみでの入場となっておるが、お庭や奥のカフェは利用可能である。
Via Mozart, 14, 20122 Milano MI

Villa Necchi
Villa Necchi

Villa Mozart
Villa Necchi同様元々は同じ敷地の中にあったVilla Mozartは1932年から1935年に同じく建てられた。今はSerapianのショールームとなり、普段は門も通してくれない形になっている。デザインウィーク(4月)や年に数回あるファッションウィーク中にイベントが開催され中に入れる機会も多々あるのでチェックをしてもいいと思う。
Via Mozart, 9, 20122 Milano MI

Villa Mozart
Villa Mozart Serapian exhibition

Casa Corbellini-Wassermann (Galleria Massimo de Carlo) 
1934年から1936年ごろにCobellini家族とWassermann(医学者August von Wassermann)が住むということで建てられたPortaluppi建築。2019年にMassimo de Carloギャラリーのヘッドクオーターが移転し、いつでも建物の中に入場できるようになった。復元作業も行われStudio Binocleが3年にわたり建築家Antonio Citterioのアドバイスのもとに完成された。

Massimo de Carlo restoration by Studio Binacle

ドアから床に広がる色鮮やかなマーブルの再現や入り口のテンペラ画をPortaluppiの哲学を研究そ再現された。

Massimo de Carlo restoration by Studio Binacle

2019年のオープニングでFrancesco Bonamiがキュレーションした展示MCMXXXIVは1930年から1940年に活躍したイタリア人アーティストをテーマとした展示になっていた。

Massimo de Carlo, "MCMXXXIV". 2019
Massimo de Carlo, Sol LeWitt, 2022

Citofono: MASSIMODECARLO,
Viale Lombardia, 17, 20131 Milano MI

Massimo de Carlo外のステアケース

番外編

Villa Panza, Varese
車で1時間、Garibaldi駅から電車で1時間タクシーで10分。北イタリアの美術館でも一番素敵なのがこのVilla Panza。ヨーロッパでアメリカポストモダンの最大のコレクションの保持者Count Giuseppe Panzaのコレクションが見れる。Dan FlavinやJames Turrelも素敵だが、Ettore SpallettiやRuth Ann FredenthalなどVillaと絶妙なマッチを注目してもらいたい。

Villa Panza, Ettore Spalletti
Villa Panza, Dan Flavin
Villa Panza, Ruth Ann Fredenthal

Villa Panzaの敷地内にあるレストランとビストロも物凄く美味しいのでランチも込みでこのトリップを企画してほしい。

Bistrot Raggio Luce

Piazza Litta, 1, 21100 Varese VA


参考

Portaluppi Foundation
Piero Portaluppi, Skira, 2021

Fondazione Piero Portaluppi & Skira, 2021

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