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バルセロナは1日にしてならず

ヴィッセル神戸のリージョ監督の契約を解除したニュースを聞いた瞬間、申し訳ないけど「やっぱり」という言葉しか思い浮かばなかった。

ピッチレベルで試合を一度も観ていないので、戦術や采配についてのコメントはしません。

ただ「なんちゃってバルサ」なサッカーにもなっていない印象しかありません。そうなると相手も守りやすいでしょう。

これまでのデータを見ると、パスの本数やゲーム支配率などはほぼ毎試合相手を大きく上回っています。

それらの数字があればバルサのサッカーかと言えば違うし、ボールを支配してもパスがたくさん繋がっても芯や背骨はフニャフニャな場面が多かったです。

ゴール前での仕掛けが少ないので、相手はとてもわかりやすく守りやすかったんじゃないかと思います。

そしてパスそのもののスピードが遅いので、横パスが3本以上続く場面もよく見られました。また、ボールを受けた選手の最初のボールタッチは前を向ける状況でも横を向いたり、横にさばいたりしているので、相手からすればそういうパス回しならナンボでもやってくれと思っていたし、させていたと思います。

特にイニエスタ、ポドルスキ、ビジャの裏側には大きなスペースを作ってくれていたので、相手チームはボールを奪った後の切り替えのスイッチをいれやすかったのと、後半に入るとこの3人の守備への切り替えが遅くて運動量も落ちるので後半の失点も多かったのではないかと思います。

今回は「契約解除」という表現で監督が交代します。これほどのビッグネームで話題も多くてなぜリーグタイトルやCLなどのタイトルもとってなくて、就任しても3年以上続けた実績もないので、冒頭に挙げた「やっぱり」が印象に残ってます。

結果は当然求められていたし、破格の年俸もあったので、結果に対する責任もとったと思います。

ボールを支配しててもゲームを支配してる事は少ないので「なんちゃってバルサ」にもなってないと書きました。

どういう経緯で監督が辞めることになったにせよ、W杯優勝メンバーが3人いたらバルサのサッカーが出来るかと言えばそうじゃないと思います。

日本人選手だけで、代表に入れるか入れないかのレベルの選手を集め、25歳以下の若い世代と若い選手でチームを構成してリージョ監督のスタイルを3年から5年くらいかけると、チームに文化が根付き、バルサに一歩近づけたんじゃないかと思います。

年俸数十億の選手も魅力的ですが、年俸1億前後の選手を揃えるか、年俸1億になりそうな選手を30人入れるか、年俸が増えて移籍金の係数が大きい選手を育成するのも「バルサのような」スタイルですしね。

神戸のフロントが選手起用に口を出したか出さなかったかの真相はわかりません。バルサのようなサッカーやスタイルを求めるのはとても楽しみですし、イニエスタを育てた下部組織の指導者をチームのユース世代に呼んでいるのも楽しみです。

私が観たいサッカーはボールを奪うためのワナを仕掛けていて、切り替えが早くて、時間や規律を守って、個人技をもう少し活かして、球際では負けないか負けても粘り強いく、パスの内訳で3本に1本もしくは2本が縦パスで、シュートの3分の2がペナルティエリアの外か周辺からだとワクワクします。

後任の吉田監督はこれで3回目のつなぎ役です。いや、私はとても素晴らしい監督(上からの言い方ですいません)だと以前から思っています。リージョ監督が来る前も「バルサのような」スタイルを目指していたし、じっくり外から観てなんちゃって評論家の私以上にいろんな気付きや改善点を見つけているはずなので、どれだけビッグネームの監督よりも吉田監督でしばらく続けてほしいと思います。

この後の3試合で大体リーグの3分の1を消化するので、目標のACLに行けるか、それとも降格しない戦いを目指していくのか決まると思います。上手くいけば、優勝争いには加わるチャンスはまだ充分にあると思います。

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