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授業では学べない音楽体験を子どもたちへ。 旅するNamy& School (ナミーアンドスクール)が始動



子どもとのセッションを楽しむNAMYこと高波由多加さん

音楽とは、文字通り「音を楽しむ」と書きます。

原始の人々は、自然の中、そしてからだの内から芽生えた音に
耳を澄ませていました。

楽器や音階ができて音楽はさらなる進化の向こう側へ。

サブスク全盛期の現代になると、座っているだけで星の数ほどの音を受け取ることができ、親指一つで好きな時に好きな曲を聴くまでになりました。

音楽が簡単に手に入りやすくなったからこそ、思うことがあるのです。

その“好き”は、本当に自分の内から湧いた感情なのだろうかと。

スマホや、テレビや映画など、誰かが届けてくれた音楽も
また出会いの一つです。

でも、自分が動いて手に入れたり、衝動や感情を表現したり、音楽はもっと多くの楽しみを秘めているはずです。

2022年11月5日にNamy& Inc.が主催した「Namy& School」は、まさにこうした音の楽しみを広げる“音楽の学校”でした。


旅する選音家として選曲、プロデュースでも活躍する
高波由多加こと、NAMY氏。


NAMYとインタビューを担当した私、合同会社Yerrow白石が
出会ったのは約10年前。

NAMYが行っていた福岡でのクラブイベントがきっかけでした。

九州各地のものづくりを紹介してた私と全国各地から世界中の音作りを行うアーティストを発掘し、世に届けていたNAMYはそれ以来、交流を続けています。そのNAMYが新たな試みを福岡発でスタートすると聞いて、現場にかけつけました。


Co-Writing with 大内 りか and Interview with 白石 洋一(合同会社Yerrow)


自由な音が子どもの感性を育てる「Namy& School 」の一日



この日のテーマは「音楽という魔法の絨毯にのって
見たことのない景色と出会う」。


ピアニスト・キーボーディスト、作・編曲家としても活躍する
山﨑陽子さんを講師に、自然素材で作った楽器などを使って
セッションが繰り広げられました。

風の音や葉っぱがそよぐ音、遠くで聞こえる動物園の喧騒、軽快なピアノに自分たちの笑い声が入り混じった音楽は、小学生の子どもたちだけではなく、保護者や周囲の大人たちにとっても特別な感覚を芽生えさせたようです。

木の枝を使ったり、山﨑先生が持ってきた楽器を選んで演奏!

イベントの概要はこちら
◆Namy& School (ナミーアンドスクール) ワクワク秋の音みつけた♪
◆◎秋の森で自然の素材を使った楽器を使っての体験授業。

自らの原体験をふりかえった時、子ども達へ届けたい音楽体験が見つかった


キャンプ女子株式会社(キャンジョ)のお二人による
音楽ユニット「キャンジョバンド
サプライズで歌った曲でも皆で演奏!

一風変わった「Namy& School」は、一体どんな思いから始まったのでしょうか?プロデュースしたNamy& Inc.代表の高波由多加さんにお話を聞きました。

―今回のイベントはどんな意図でスタートしたのでしょうか?

「僕は新潟県の生まれで、冬は一面雪景色、田んぼと山や川に囲まれた田舎育ちだったんですよ。

音楽は、アニメやテレビの中で触れるくらいでした。

大学生になって東京に出てからクラブやライブハウスに出入りするようになって、いろんな音楽を知ったんです。

さまざまなバックボーンを持つミュージシャンがいて、
そこから影響を受けましたね。

僕もそこで体感して得たものや、ミュージシャンの音を都会にいなくても地方に育った人達にも伝えたいと思って、NAMYという音楽プロジェクトを立ち上げた時からずっと考えてはいたんですよね』

―それで「学校」という発想が出たんですね?

「そうですね。
そのままだと子どもやクラブに馴染みがない人にはハードルが高いなとは感じていて。

僕は、正直学校の授業はあんまり好きじゃなかったけど、そこで学ぶことの大切さが一般的に根付いているのを知っています。

学校に行くことには暗黙の
信用がある気がします。

それに、こんな学校だったらこんな音楽の授業があったら行きたいなぁ、という自分のアイデアを入れてみようと思ったんです。

普通の学校にあるような
教科書やルールを設けすぎずに、下手でもとにかく音楽が楽しめる場所に。
自由にやっても怒られない空間を作ろうって」

―演奏しやすい打楽器をセレクトしたのもとっつきやすいから?

「そうそう。楽譜じゃなくて、リズムを刻めば曲になるし、先生の山崎さんがピアニストで伴奏を入れてくれたから、すごく一体感が生まれましたね。隣の子同士が自然と音を合わせたり、楽器も譲り合って使ったり」

山﨑陽子先生。 BTSの楽曲Butterを「森のバター」と名づけて伴奏♪




DJ機材に興味を持った2人!
スクラッチしたり!福岡でDJ活動するKAMIKINGさんに教えてもらってました。

―高波さんも子ども達とハイタッチされてましたね。

保護者の皆さんも盛り上がってました。

「気づけば置いてあったDJ機材をスタッフの人に見てもらいながらもスクラッチしてた子もいたし、子供達だけでなくダンスミュージックにノってるおばあちゃん達もいましたね。


こんな空気感を作れたらと思っていたから、あの日はすごく嬉しかった」

―子ども向けというよりは、さまざまな世代が交流する場というか。不思議な空気感でした。今後も音楽の学校は続くのでしょうか?

「もちろんです!
春ぐらいに違う場所でやりたいですね。旅する音楽学校なので。

それに次からは入場無料できたらいいなと考えています。

まずは、気軽に来て体感してもらう機会を増やしたいですね」

―ビジネス的には成り立ちそうですか?

「そこはあえて今は考えない事が大切かなと学校をやってみて思いました。
今は投資活動になるかもしれないけれど、まずNAMYを始めた頃の思いや世界観を知ってもらうきっかけを
創りたいと思いました。
そう言った事に共感してくれる人や企業が何か一緒にやりたいと声をかけくれるようになれば嬉しいですかね。

希望的観測ですけど、望まれていることであればちゃんと継続できると感じました」

最初は不安がっていた子供たちも後半は楽器を手に踊り出してました!

―支援できる体制まで確立できたらいいですね。

「子ども達が音楽に出会う機会を与えることは、考え方を変えれば寄付のようなものだと思うんです。
どう支援するか、企業や親御さんにとっても考える機会が増えるといいなと思います」

―だからこそ、イベントを通して接点を作ることも必要なんですね。音楽に触れる場を享受する仲間を作るためにも。

「リアルで触れ合う機会が必要ですよね。

僕らは、インディペンデントですがレーベル事業もしており、サブスク配信など今のネットを通した音楽を広げたり繋げたりする活動もしていますが、こうしたアナログな取り組みもコロナ前はイベントやフェスもやっていたので、形は変えながらも変わらずやっていきたいです。

正反対のように思いますが、僕みたいなストーリーを歩んできたからこそやれるのかな、やるべきだと思っています」

―NAMYさんの価値観に共感して、うちもやりたいって声が上がるといいですね。周囲の皆さんの反応はいかがですか?

「思った以上によかったです(笑)すでに他の地域でもやってほしいという声を複数いただいてます。

本当に音楽好きなんだねって思ってもらえてるようで、ポジティブなコメントがたくさん届いていますよ」

大人にとっても今までにない音楽体験となった「Namy& School」だけに、早くも多くの仲間を惹きつけているようです。それは単に楽しいだけではなく、人と人のセッションによる「学び」があるからこそ。子どもの感性が育って本当に好きな音楽に出会った時、そこにはどんな景色が見えているのでしょうか。

今後も自由でユニークな学校を追っていきたいと思います。


最後は、ダンス!ダンス!ダンス!

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