社員25人の中小企業。創業69年目に新規事業がスタートした −第三事業部発足からの6ヶ月–
こんにちは!ユタカ産業のSと申します。
これまでいくつかの記事をご紹介させていただきましたが、本日は、ユタカ産業公式note運営も担当するユタカ産業「第三事業部」について、ご紹介させていただきます。
第三事業部は『これまでにない事業価値を生み出すべく』、2021年6月に発足しました。通称NVCチームと呼んでいます。NVCとは、
New(新しい)
Value(価値)
Creation(創造する)
の頭文字をとって名付けられました。
私たちユタカ産業は、前の記事でもご紹介の通り、第一事業部の機械部品事業、第二事業部の売り場づくり事業の2つの柱でこれまで成長してまいりました。
しかし、時代の大きな変化に伴い、1年以上前より社長の野口が当社の新たな第3の柱を作るべく、活動を開始いたしました。そして異例のスピードでデジタル分野事業を立ち上げるに至っています。
それに伴い、事業部も部門も年次もキャラもまったく異なるメンバー5名に招集がかかりました。約半年前のあの日のことを、すこしだけ振り返りさせてただきたいと思います。
ほぼ誰も話さないキックオフからはじまった
忘れもしない、2021年6月4日。私たちは社長(当時は副社長)に会議室に集められました。時間は朝の11時から午後3時まで。
時間長くない?
私の最初の感想はこれでした。長い打合せってドキドキしませんか?人数も多いし、ひとりひとり何か発表したりするのかな?とか考えてしまいませんか?
会議室に入ると、まず机のフォーメーションがいつもと違う…。そしてそれぞれの席に貼られている付箋。机の上には、分厚い資料が…。
付箋には手書きで番号が書かれています…。これは何だろう…。やっぱり、何かある…。ドキドキしながら席につきました。集められたメンバーはほぼ全員、所属部署が異なります。会議室を見回し、メンバーの様子を伺うと誰もがうつむき加減。会議室は重々しい雰囲気すら感じます。
まずは、社長や協力会社から概要を聞きます。社会や会社の状況の変化、それに伴いあたらしい事業を社内メンバーで創り上げていく必要があること、進めるのは社長ではなく私たちメンバーが中心になること、なぜそうあるべきなのか、等話を聞きました。
「何か質問がありますか?」の問いかけに、『特にありません』と答えるか、無言でうなずく私たち。話すのが正解?黙っているのが正解?・・・周りの反応を伺っているうちに、キックオフの時間は静かに過ぎていきました。
ところで、私はユタカ産業に入社して十数年目。普段は第二事業部・化粧品什器制作部門で設計を担当しております。
これまでのユタカ産業は、こんなことしてみたい、と言ってみると割となんでもやらせてくれる会社ではありました。ただ、プロジェクトとして取り組む、というよりは空いた時間で少しやってみる、という自由研究のような取り組み方だったので、少し忙しくなってくるとなかなか進められず、しだいにやる気も熱意もなくなりしぼんでいくことが多かったように感じます。
その結果、トップや経営陣の考えや方針に沿った仕事をこなして達成感を得て、満足している日々でした。
しかし、第三事業部に求められることは「自走する組織になり」「社員が自ら新しい価値を生み出していくこと」。
はっきり何をする、と言われてないことに不安を感じながらも何かやらなきゃいけないんだな?ということだけ心に残りました。
初めて使った脳の筋肉
お通夜(!)のようなキックオフが終わり、翌々週からNVCミーティングが始まりました。定例は週に一度、2時間だけ。その時間に各部門からメンバーが集まり、第三事業部として活動します(その他必要に応じて別途作業など行います)。それ以外は全員、所属部門の業務にあたっています。半年経った今でもこの体制で続けております。
初回のNVCミーティング。変わらずメンバーから積極的な発言がされることはありません。社長や協力会社よりたくさんの言葉を浴びせられ、聞かれたことになんとかボソボソ答え、2時間が過ぎて行きました。
あれ?これ本当に毎週続けるの…。やばくない?
正直、こういうのあんまり続いたことないよね、ユタカ産業。
そのように思ったことを今でも覚えています。最初の1ヶ月は聞きながらたくさんメモをとるけども、2時間のミーティングが終わった後振り返っても結局何だったかわからない。何をしているのか、何を言われているのか、課題は何なのか、何をすればいいのか…。※これは今でもたまに悩むことがあります。
普段の業務では使わない脳の筋肉を使わなくては付いていけません。それもそのはず。私たちは N V C new value creation チーム なのですから…。まずは浴びせられる情報を受け取れるだけ受け取り、その時自分たちが持ちうる知識や情報の中から、なんとかアイディアを絞り出していく日々が続いていきました。
とにかく発言してみよう、なんでもいいから
そんなこんなで半年。少しずつ、私たちも成長してきたのではないかと感じています。ただ聞いてメモを取ったもののなんだかわからない…というラインは卒業できたかな?と思います。それぞれの役割、やらなければならないこと、学ばなければならないことが少しずつ、少しずつ見えてきたように感じます。
それはなぜか?
なぜでしょう…。敢えて正直に、素直に書くならば… わからない、というのが本音なのです…
ただ、週に一度集まり、何度も何度も「あなたの意見は何?」と聞かれたり、アイディア出しする課題をこなしているうちに、自然と『発言する』ことへのハードルが下がってきたように思います。自分が思ったこと、感じたことを第三事業部の中では話していいと思うようになりました。間違っていても大丈夫、いや間違いなんてないのだ、なんでもいいから発言しよう、と。
自身から発することによって、頭の中をさらけ出すことになるのですが、同時に整理されることも多いのです。また、全然違う考え方を共有してもらい、自分の意見やチームの方向性が変わることもあります。そういう訓練?鍛錬?を続けてきたことによって、少しずつ発言に対する自信がついてきたように感じます。
NVCチームの中では、誰も否定したり責めたりすることはありません。むしろ面白がったり、盛り上がったり、そこから次のアイディアに広がったり。
「ひとりひとりが持つ情報や意見にこそ、価値がある」
と言われてスタートしたNVCチーム。本当にその通りだと感じます。
新規事業に取り組んだことなどない私たちだけど、まず動いてみよう
発言するハードルが下がり、次第にNVCメンバーの中から「やりたいこと」が出てくるようになりました。
さらに、デバイス大好き野口社長が協力会社からデバイスおもちゃ(!)(この件については別noteでご紹介したいと思います)を次々に借りてくるので、それらを題材に、まずは社内をフィールドにして私たちがやりたいと思うことを実験的にやってみることになりました。
先日noteでご紹介した「まるモニさん」や「AR年賀状」、そしてつい先日1月11日に社内リリースしました「YUTACOLLABO」企画です。これらについては今後noteにて詳しくご紹介していければと思っています。
・・・とここまで読んでいただいた方の中には、「すごい!新規事業チームうまくいっているんじゃない!?」と思った方もいらっしゃるかと思います。しかし実は、胃がキリキリしそうなぐらい悩んだり、迷ったり、立ち止まったり、そんなことがいっぱいありました。そのあたりの等身大の裏話も随時お伝えしていけたらと思っています。
これから新しい事業や価値を生み出そうと挑戦や葛藤をつづけている企業さまや、新しいことにチャレンジしようと思っている方々にとって、私たちのありのままの挑戦事例が何かのきっかけになれば幸いです。
ユタカ産業の第三事業部、NVCチームはまだ始動したばかり。これからも脳に汗をかきまくりながら、すこしずつ前に進んで行きたいと思います。もしよろしければユタカ産業noteをフォローいただき、第三事業部の今後の取り組みにご注目ください!