プロになるには

サッカーでプロになりたい人、
特に欧州でプロを目指す人に向けた
記事を書きます。

プロサッカー選手になるためには
どんな能力が必要だと思いますか？

世界共通で技術が必要だと教わります。
質、クオリティってやつですね。

それは本当です。本当というか当然です。


プロサッカー選手＝生きる商品
ですから、そこに価値を求められる。

その選手にスペシャルなクオリティがあるか。

僕も小さい頃から
たくさん技術は磨きました。

しかし、
実際に欧州でプレーしたことで
技術と同時に大切なことがあることを知りました。

それは、

戦える体を作り、
そこに立ち向かうメンタルを作ること

です。



今となってはそれが確信です。


日本人は華やかな技術、
綺麗なプレーに感銘を受ける傾向にあります。

しかし欧州では
サッカーの捉え方のベースが違います。

欧州では、
走れる/戦える/ボールを奪える/体を張れる/
チャンスを作れる/ピンチを救える
など、意外とサッカーの根本の部分に
歓声が湧いたりすることもあります。

これがサッカーの土台であり原点です。

ここを抜きにして技術を磨いたところで、
それはただのガラクタにしかなりません。

これは東ヨーロッパで実際にプレーしていた
僕の試合映像です。
※サイドバック、ボランチでプレー

東欧はまだインフラも整ってない国も多く、
環境も劣悪でした。

しかし歴としたプロリーグがあり、
そこで成り上がりたい選手達が鎬を削ります。

現にそこからベルギーリーグや
ポーランドリーグに成り上がっていく
選手もいる、とてもハングリーな環境です。

車で30分の場所にはクロアチアがあり、
ディナモザグレブというモドリッチ選手が育った
クラブもあります。似たような環境です。

ディナモザグレブの練習場

何が言いたいかというと、欧州では
技術と同時に〝戦えるエグさ〟がないと
欧州のトップトップではプレーできません。

きっとモドリッチ選手も
今でこそ華やかなプレーヤーですが、
土台にこの〝エグさ〟は間違いなくあります。

〝ヤろうと思えばヤれる〟のです。


その激しい環境のなかで
磨き抜かれた技術こそ本物となっていきます。

つまり、プロになるために
技術から磨くことを始めるのは
間違ってはいませんが
僕の中では少しズレた感覚です。

勘違いされないように言いますが
技術は非常に大切です。

ただその「入り口が技術」
と考え過ぎるのはおかしいということ。

いつか迷路に迷って出られなくなります。


超厳密にいうと、
「入り口は技術、戦術、
戦える肉体(フィジカル)」全てが入り混じる扉
から入ることが正解であり、
その先は「個人戦術と戦える肉体(フィジカル)」
がサッカーで生き抜くためには
より濃く必要だと僕は考えています。

そして、それらを助けてくれるのが技術。

なので技術も継続して
身につけていく必要があります。


ただしそれが
「技術だけ」になっているのなら注意が必要です。


これはあなたがプロになりたいのなら
の話です。


何度も言うように、
あなたがヨーロッパで成り上がるためには
凸凹の天然芝と強靭な肉体を持つ外国人の
圧力を前にして本当にその技術が発揮できるのか
想像してみてください。


どうですか？


少しでも不安を感じたならば技術の他にも
自分がプレーを成功させるための事前準備である
ポジション取りに磨きをかけたり、
守るべき正しい位置にいられるポイントを学ぶ
など戦術(個人)を身につけておくことも
あなたを助ける術となります。


サッカーで成功したいのならば
欧州の5大リーグ(イギリス、スペイン、
ドイツ、フランス、イタリア)ばかりの
試合ではなく、その国の2部以下のリーグや
東欧リーグの試合を見てみてください。


欧州では何が大切か自ずとわかるはずです。

【欧州トップを目指す一般的な成り上がりの例】

日本
↓
東欧や欧州下部リーグ
↓
欧州5大リーグ


欧州5大リーグを目指すのであれば
東欧や欧州下部リーグで評価され、
ステップアップしていかなければいけません。

日本→欧州5大リーグに飛べるのは
ごくわずかな人間だけです。

例えば、いくら技術を持っていても
東欧リーグで生き抜く個人戦術や戦える肉体が
なければ簡単に潰されてしまいます。

逆に東欧から5大リーグにステップアップして
そこで活躍したければ「技術や武器」が
なければ絶対に生きていけません。

いずれにせよ
戦える肉体、技術、戦術が必要だし、
繰り返しになりますが特に必要なのは
サッカーの土台である〝戦えるエグさ〟です。


自由に動く体作り、
速く強く長く動ける体作り、
図太いメンタル、ずる賢さ、知性、
駆け引き、語学力(コミュ力)、傾聴力、
そして個人技術と個人戦術が必須です。

サッカーで本当に生きていきたいのならば
〝同時に〟それらを身につけていきましょう。

サッカーが上手くなればプロになれるのか。

だとしたら日本人はみんな十分プロレベルです。

でも、そうではない。

近年は色々な情報が溢れ、
サッカーの土台を忘れがちな日本人のために、
僕自身の欧州の経験をお伝えしました。



最後まで読んでいただきありがとうございました。