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7年目の節目

この記事を表に出せているということは、FogHornのM&Aが完了しプレスリリースが出されたことの裏返しで、ようやく表に出して話せる内容になったという証左でもある。(プレスリリースはこちらをご参照下さい)

2015年2月にFogHornにco-founding memberとして入ってから、気がついたら丸7年。
会社のM&Aがすべて完了した今1つ言えることは、肩の荷が少し降りてこの7年間で一番ホッとした、ということかもしれない。

最初5人で立ち上げてから、Series A、B、Cと重ねていくたびに、仲間が増え、パートナー企業が参画してくれて、どんどん会社が大きくなることの喜びと大変さを身を持って知ることができた。
そして平均在籍率が2〜3年というシリコンバレースタートアップにおいて、7年かかってしまったが、立ち上げからExitまで自分の身を持って経験できたことは、何物にも代えがたい経験となった。
なによりもの一番の財産は、その過程で出会えた戦友のような仲間やパートナー、そしてお客様と共に仕事ができたことであるのは言うまでもない。

細かな話は今までの記事でほそぼそとつぶやいていたのでここでは割愛して、今回はこの買収の意義と、私自身の今後の話を自らの備忘録も兼ね少し書こうと思う。


今回M&Aされた先は、Johnson Controlという世界でも有数のビルディングマネージメントの会社で、彼らが目を付けたのは、我々が取り組んでいた建物におけるEnergy managementのソリューションが彼らのBusinessにとって大きな付加価値となる、という判断があったからである。やはり旧態依然の会社において、AIやエッジという新たな技術要素を取り込もうと考えたとき、社内でオーガニックに部門を作るのではなく、我々のような会社と協調して立ち上げたほうが10倍早く目的を完遂できる。

協調の仕方はアライアンス・OEM・M&Aといくつか段階があるが、会社のコアの技術や将来的に鍵となるパーツに関しては、M&Aが一番安全かつ独占できる。今回のM&Aはまさにその理由で進んでいった。

今回M&Aが完了したことにより、Johnson ControlはFogHornのEdge AIにより質の高いビルディング管理が可能になり、競合他社と比べ消費電力・CO2排出量ともに大きな優位性を確保できたことになる。

私がFogHornを創業したときに描いていたVisionとMissionが、世界でも有数の大手企業の一部となることで、即時性のあるインパクトをより広範囲に届けることが出来るようになる。
産業の世界で大きなインパクトをもたらすには、こうした100年企業と上手くコラボすることが一番効率的且つ効果的であるのは興味深い。


そしてM&Aが完了した今、本当であれば少し休んで... と考えもしたが、私自身はすでに数名のco-founderと共に次の事業を創出し、新会社を起ち上げた。
現在少しずつお客様も付き始めて、これからこの新会社を羽ばたかせるための最初のフェーズに突入するところである。

この2社目のスタートアップは完全にステルスで運営しているので、まだ詳細については書けないが、取り組んでいる領域は介護領域のスタートアップである。

起業家の端くれとして、そもそもなんのために会社を作らなくてはならないのか? その社会的な意義は常に考える。それを1番最初にとことんまで突き詰める。上述のようにFogHornのときも同じだった。

今日本を筆頭に先進国で起きている未曾有の超高齢化社会と介護問題。私は人々が何に不安を感じるかというアンケートの結果をみたとき、80%もの人が将来に不安を感じるという事実に危機感を覚えた。逆を言えば、もし将来に不安がなければ、”今”を全力で集中して楽しめるという裏返しにもなる。そしてそれは死ぬ間際までその人のQOLを上げ続ける。
ではそのためにはどうしたら良いか?その答えの1つを次のスタートアップで実現したいと思う。

我々のスローガンは
"Make Aging Beautiful"


さあまたゼロイチ始めよう。


”Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life. Don’t be trapped by dogma — which is living with the results of other people’s thinking. Don’t let the noise of others’ opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.”
- Steve Jobs

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