見出し画像

悲しい時こそいつも通り

とても悲しいことがあった。胸が張り裂けそうだった。

電話が鳴った。仕事相手からだった。悲しみは私に電話を取らせなかった。

午前中は何もできなかった。本当に、何も。ただ“慰め”を待っていた。そしてそれは訪れなかった。


ふと、7年前にパリに来た直後に起こったテロのことを思い出した。テロの翌日、お葬式のような雰囲気の街を、いつも通り語学学校に行った。教室はテロの話題で持ちきりだった。そんな中、クラスメイトのイギリス人が、「こういう時こそ、普段通り明るく過ごさなきゃ。テロに屈してはダメよ」と口にしていたのがとても印象的だった。

勇敢だと思った。


悲しい時、辛い時、何か破滅的な行為や無気力、あるいは狂乱によってそれをやり過ごそうとしがちだが、そういったものはかえって悲しみや辛さに力を与えてしまう。正しい対処法は、毅然とした態度で、「いつも通り」過ごすことだ。

だから、午後は「いつも通り」過ごした。電話会議と3つのミーティングをこなした。最後のミーティング相手と一緒に夕飯をとった。その間、常に悲しみの姿がチラついたが、夕飯を終え、深夜0時過ぎに帰宅した際には、その大きさがほんの少しだけ小さくなっているような気がした。


先述のテロの直後、パリではヘミングウェイがパリで過ごした日々を綴った『移動祝祭日』がベストセラーとなった。この本のフランス語のタイトルは、“Paris est une fête”(パリは祭日)である。


Fluctuat nec mergitur

「たゆたえども沈まず」という意味のこのラテン語のフレーズは、パリの標語でもある。そう、パリは沈まないのだ、絶対に。


『移動祝祭日』の中で、ヘミングウェイはこんなことを言っている。

もし、きみが、幸運にも、青年時代にパリに住んだとすれば、きみが残りの人生をどこで過ごそうとも、それはきみについてまわる。なぜなら、パリは移動祝祭日だからだ

アーネスト・ヘミングウェイ『移動祝祭日』(福田陸太郎訳)

青年時代にパリに住んだ私に、もし本当にパリがついてまわるのならば。私もパリと同様に、決して沈まない。


沈んではならないのだ。


【çanoma公式web】

【çanomaオンラインストア】

【インタビュー記事】

【çanoma取扱店】
TOMORROWLAND 渋谷/有楽町ルミネ/横浜ルミネ/横浜高島屋/名古屋ラシック/京都/京都BAL/大阪ルクア/神戸/福岡/アミュプラザ博多/新潟
Land of Tomorrow 心斎橋PARCO
Super A Market 青山/新宿
Nose Shop 新宿/有楽町/渋谷
ミヤシタパーク “The Editorial”
銀座 蔦屋書店
表参道 context TOKYO
青山 COELACANTH
自由が丘 FREEPARK
蔵前 折角堂東京
幡ヶ谷 POESIES
千葉 Dresskinそごう店
大阪 Velvet
大阪 Secret
大阪 Tale Cocoon
京都 乙景
神戸 折角堂
恵比寿 Awake
名古屋 Amplir
名古屋 FOCUS EYEWEARSHOP
松本 misumi
岐阜 ATELIER OPHERIA 
富山 Green Room
金沢 ACRMTSM
新潟 ASOBINoBA
弘前 The Launderette
盛岡 Localers
寒河江 GEA
仙台 藤崎
仙台 Sukiya S-PAL店
福島 Optical Yabuuchi
福島 kawl.
高知 sieni
小倉 Antenna
福岡 Birthday
福岡 THREE(s)MILE
長崎 HANAわくすい
大村 古々屋
岡山 Afelice
熊本 アクアブーケ
大分 Bellure
大分 contessa ricca.
別府 Connecter le baton.
鹿児島 NAINARA
鹿児島 mado

オンライン
センテンティア
Safari Lounge

çanoma(サノマ)のインスタグラムもぜひフォローしてください!

@canoma_parfum

#サノマ
#香水
#フレグランス
#ニッチフレグランス
#canoma
#canoma_parfum
#パリ

いいなと思ったら応援しよう!