ICカードが奪ったもの
私がフランスにいた6年の間で、電子マネーが大変増えたように感じる。そこで使える決済方法一覧をレジ横に置いている店も多いが、様々なアイコンがひしめいていて、何が何だか、と感じる。
その中でも、交通系ICカードは特に便利だと感じている。最近ちょっとした支払いだと使えないところの方が少ないのではないか、とさえ思うし、全国ある程度の規模の都市では公共交通機関で使える。値段を確認して切符を購入する手間が省けるのは、出張が多い私みたいな人にとっては大変助かる。
それでも、地域によっては未だに電車で交通系ICカードが使えないところがある。今日乗った山形の左沢線（あてらざわ、と読む）もその1つ。
交通系ICカードが使えない場合は、当然駅で切符を買うことになる。
切符購入時、私が必ずする遊びが、小町算。
切符下の4桁の数字の格桁を、この順番で間に四則演算記号を入れることで10にする遊びだ。
1, 6, 3, 5で10は作れるだろうか？
できたかな…？
解答例はこちら。
1×6÷3×5 = 10
別解があれば、ぜひ教えて欲しい。
小学生の頃、母と一緒に電車に乗る際は、2人で必ずそれぞれの切符でこの小町算に取り組み、どちらが早くできるか、毎回競争していた。そして、それぞれの回答を披露し合い、へー、とか、ほー、とか言っていた。
交通系ICカードの普及により、切符を買う機会はめっきり減ってしまった。
このような地方都市に行き、切符を買わざるを得ない状況になって、久しぶりに触れる過去の記憶。
今の子供達は、親と一緒に、電車の中で小町算をすることもないのか、と思い、ちょっとだけ寂しさを覚えた、山形は左沢線の道中でした。
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