眠れない夜 その2
※この記事は、1月5日深夜4時過ぎに書かれたものであり、1つ前のこちらの記事の続きである。
「あのさ」と僕は言った。「セントラルパーク・サウス通りの近くに、アヒルのいる池があるじゃない。わりと大きな池だよ。あのアヒルたちって、池が凍っちまったらどこに行くんだろうね？ひょっとして知らない？もし知ってたらでいいんだけどさ」。まあ訊くだけ無駄だったなと、訊いてから思ったんだけどね。
ドロップアウトしてレールから外れてしまった人がその後どうなるかなんて、誰も知らないし、きっとそんな人に行き場なんてない…なんだかそんなふうにも読み取れる箇所のような気がする。
昨日のnoteの続き。午前2時39分から少し時間が進み、今は午前4時48分。残念ながら、あれから私は眠れていない。
私は今、あることでくよくよと悩んでいる。その悩みが夜の静かさの中でむくむくと大きくなって、私をどんどん蝕んでいくのだ。時間が進めば進むほど、私は深く深く思い悩むことになる。
それは悩んだところでどうにかなるようなものではないのだが、一度坂を転がり出した石が、何かに運よく引っかかるかあるいは坂が終わるまで転がり続けるように、性懲りも無くくよくよし続けてしまう。今のところ、どこかに引っ掛かりがあったり、坂が終わる様子は見受けられない。
『キャッチャー・イン・ザ・ライ』は好きな小説ではあるが、そんな時に読むべきものではなかった。私のくよくよに拍車がかかってしまった。私はつくづく本のチョイスを間違える。
5時になった。朝がくる。
皮肉なもので、こんな踏んだり蹴ったりな日の方がすんなりとnoteが書ける。私はこの眠れない夜に、2回投稿分の記事を書き上げているのだ。今までいつもネタ探しに苦労して、書き溜められたためしがない、この私が、である。
もうこのまま一睡もせずに朝を迎えるべきなのかもしれない。今夜は寝てはならない日なのだ、きっと。
誰も寝てはならぬ…
プッチーニのオペラ『トゥーランドット』の中の有名な曲、『Nessun dorma（誰も寝てはならぬ）』が頭の中で鳴り響く。
トゥーランドット姫が求婚者の名前を探るために、国中の人に「誰も寝てはならぬ！」とお触れを出す。それを知った求婚者カラフは、「誰も寝てはならぬ、だと？」と驚き呆れ、しかしその名前が姫に知られることは絶対にないと確信に溢れて歌い出す。
そう、私はトゥーランドット姫のお触れに怯え、今宵もひとり、眠らずにいるのです。その名をひっそりと知る者として、もしかしたら姫の前に連れ出されるかもしれない…もしそうなってしまったその時は、この胸の中にしまっている名前が私の口からこぼれ出る前に、自らすすんでこの胸をその名前と共に切り裂いてしまいましょう。
ふふふ。
深夜の妄想は進む。
5時23分。
523、99番目の素数。
嬉しい。
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