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ただただ勝手に好きな記事を紹介する

以前書いた下記の記事は、PVが全く伸びなかった。

今まで投稿した記事で一番読まれていない(その割にスキの数は若干多めだから不思議である)。

このように、どうも「記事をまとめた記事」はあまりPVが伸びないようだ。

そんなことにはお構いなく、今日はnoteをやっていて見つけた素敵な記事を、勝手に3つ紹介しようと思う。
多くの人が読んでいる面白い記事を私が紹介することにはあまり意味がないと思うので、野に咲く可憐な花のような、人知れずひっそりと存在している記事を紹介する。「もっと多くの人に読まれればいいのに…!」と思わずにはいられないものを選んだ。完全に私の好みだ。

一つ目の記事はこちら。

「人知れずひっそり〜」と言っておきながら、最初はかなり人気の記事。
岡山で石鹸を作っていらっしゃる山形さんという方の記事なのだが、これを読んで、「この石鹸、使ってみたい!」と素直に思った。ちなみに私は身体を洗うのは、ボディソープではなく断然石鹸派だ。
一滴ずつ採取する日本山葡萄の樹液、一体どんな石鹸になるの…?と気になってしまってしょうがない。

山形さんの素敵だな、と思うところは、自分たちのある種“非効率的”な生産方法を、あくまでも1つの方法と考えているところだ。
山形さんの別の記事の一文をこちらに抜粋する。

また、世に出回っている石けんのほとんどが、無地で無色だったりするのですが、それと比較すると私たちの作っている手作り石けんはおそろしく非効率ですが、こんな手間暇かけたオートクチュールのような石けんがこの世にあってもいいと思うのです。

この、「この世にあってもいいと思うのです。」という部分がグッとくる。
香水のことについてあーだこーだと言っている私だが、様々な香水があることはそれはそれで良いことだと思っている。一方で、私には私なりの香水の理想があり、私がやろうとしていることは、まさに、「こういう香水が世の中にあってもいいよね」という思いの具現化だ。
なので、山形さんの書いていることにとても共感できる。

日本に一時帰国する際は、絶対に岡山まで足を延ばそうと決めた。もしこの石鹸を使ったことがある人がいたら、是非感想を教えて欲しい。

二つ目の記事はこちら。

この記事を書かれている原田さんとは、今年の初めにパリで一度お会いする機会があった。matsuyoiというアクセサリーブランドのクリエーターだ。
どのような経緯で今に至っているかについて目下記事が進んでいるところだが、特にこの記事にグッときてしまった。まずは是非読んでいただきたい。

「パリ・マジック」という言葉は、私も好きでたまに使う。私のパリ・マジックについては、こちらの記事を読んでいただきたい。
パリの良いところは、小さなものから大きなものまで、マジックが起こるところだと思う。原田さんは、これまで大小様々なマジックを起こしてきたので、きっと魔法使いなのだが、上記で紹介した記事が面白いと思われた方、ぜひその次の記事にも目を通していただきたい。大きなマジックをご覧いただけることだろう。

三つ目の記事はこちら。

最初の一文で引き込まれてしまった。

ハローハロー、いつか誰かに応答してもらえたら嬉しいです。

こんな素敵な書き出し、あるだろうか…?私は思わず応答してしまった。ハローハロー。

この方の文章を読んで、ふと村上春樹の『カンガルー通信』という短編小説を思い出した。冒頭部分を引用する。

やあ、元気ですか?
今日は休日だったので、朝のうちに近所の動物園にカンガルーを見に行ってきました。たいして大きな動物園ではないのですが、それでもゴリラから象まで一応の動物はなんとか揃っています。でも、もしあなたがラマとかアリクイのファンだとしたら、たぶんこの動物園には来ない方が良いでしょう。ここにはラマもアリクイもいません。インパラもハイエナもいません。豹さえいません。
そのかわりにカンガルーが四匹います。

村上春樹 『カンガルー通信』

この短編小説は、「先がよく分からない状態」で読むべきものなので、内容については触れないが、「やあ、元気ですか?」とある通り、誰かに宛てられた手紙的なものである。
この記事を書いているもえさんが、どんな人なのかは全く存じ上げない。この「ハローハロー」は、宇宙の彼方から間違って私の元に届いた信号のようだ。

応答なくても構いません。それは少し寂しいけれども、ここは私が私のために作った居場所です。日陰の子猫。ここは心地のよい、私の木陰にしたいのです。

私は、ジーナの秘密の庭に無断で入るカーチスのようなことはしたくない。けれど、少し遠くから、日陰の子猫を、起こさないようそっと見守らせて、とそんなふうに思ってしまう。

正直、この人の文章に少し嫉妬している。自然な流れ、軽いタッチ、掴もうとするとフッと逃げてしまう…こんな文章、どうやったら書けるんだろう。特にこの記事、何度も繰り返し読んでしまうのだけれども、何度読んでも素敵だと思ってしまう。
例えばこの部分、

普段の生活では隠しているつもりや曝け出していないつもりの事も。親しい人が見たらすぐに分かってしまうかもしれないね。それでもそっとしておいてください。あなたにつつかれたら恥ずかしくて腫れ上がったニキビのようになってしまいます。醜悪。

「すぐに分かってしまうかもしれないね」の「ね」は、私には書けない。

GuerlainのAprès l'ondéeのよう。100年以上前にできた香水なのに、つい昨日発売された新作みたい…ね。

noteを初めて、最初の頃は自分の文章を書くので精一杯だったが、少し慣れてきて、他の人が書いたものにも目が向くようになった。面白い記事が思いの外多く、それはそれで素敵なのだが、「みんな文章うまいなぁ」とついため息が出る。
まぁでもいいや、これからも下手っぴだけど、コリコリと文章をしたためていこう。コリコリ。

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