【複雑機構】パーペチュアルカレンダーとは何?

こんにちは。yutaです。

年末に近づき、来年のカレンダーを用意したり
会社でもらうこともあるカレンダー。
今日は腕時計に用いられているそのカレンダーで
手間がかからない機能があるというお話です。

0.パーペチュアルカレンダーとは?

世界三大複雑機構と呼ばれるものの一つとなります。
今まで紹介してきた機構で最後の一つです。

今日はこの機構について説明していきます。

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1.パーペチュアルカレンダー詳細

まず、そもそもの言葉の意味として、
「 perpetual 」・・・永続する、永久のなどとあります。

なので日本語名では「永久カレンダー」と言われています。

1795年、アブラアン・ルイ・ブレゲによって発明されました。
当時は懐中時計に組み込まれた機構でした。
そして、腕時計にこの機能を搭載した初の腕時計は、
パテックフィリップの「No.97975」と呼ばれる腕時計です。

アブラアン・ルイ・ブレゲは、トゥールビヨンや
ミニッツリピーターにも関連していて、さすが天才時計師と
行ったところですね。

機能の説明の前に、一般的な腕時計で使用されている
日付機能は、日付表示の数字が”31″まであり、
2・4・6・9・11月では日数が31日未満なので、
その次の月に入ると1日に送ってやる必要があります。

それに対してパーペチュアルカレンダーの機能はというと、
曜日、日付、月など暦に関する情報を表示させますが、
閏年の2月29日を含む、異なる月の長さを考慮し、
自動的に修正する機能を持つカレンダーのことを指します。

つまり、カレンダーに対しての修正が ”ほぼ” 不要と
いうことになります。
※ ”ほぼ” 不要の理由については、長くなるので最後に
 記載します。

2.他のカレンダー機能

また、パーペチュアルカレンダーの他にも
カレンダー機能があります。

1つ目は、「アニュアルカレンダー」と行った機能です。
言葉の意味としては、
「annual」・・・年に1度の、年1回など

といった意味で、
日本語名で「年次カレンダー」と呼ばれています。

なぜ、年次なのかというと、
2月末日~3月1日の日付調整だけ調整が必要となります。
月末の30日と31日を自動的に識別しますが、
それに満たない2月末日のみ手動で日送りを行います。

つまり「3月1日」に日付を送る調整のみ
「年1回」で行うということから「アニュアルカレンダー」と
呼ばれています。

この機能を作ったのは、パテックフィリップで
1996年に搭載したモデルを発表しています。

その後、他のメーカーもこの機能を搭載した
モデルを作っています。
一例として、

ランゲ&ゾーネ:サクソニア
ロレックス:スカイドゥエラー
IWC:ポルトギーゼ

などなど様々なモデルがあります。

また、ブライトリングにて作ったもので、
「セミパーペチュアルカレンダー」と呼ばれるものが
あります。

どんな機能かというと、
4年間の日数1461日※を1サイクルとして機能する
簡易版の永久カレンダーと呼べるものです。

※365日×4年+1日(閏年)の合計が1,461日

パーペチュアルカレンダー以外に、上記にあげたものがあります。

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3."ほぼ"調整が不要な理由

そして、カレンダーに対しての修正が”ほぼ”不要と
いうことについては以下の通りです。

現在世界的に採用されている暦は「グレゴリオ暦」と
呼ばれる暦となります。

「グレゴリオ暦」における閏年のルールでは、
西暦が4で割り切れる年を閏年としています。
ただし100で割り切れる年のうち、400で割り切れない年は
閏年としないルールとなっています。

そのため、2100年には閏年とはならず、調整が必要となります。
現在製造されている永久カレンダーは2100年2月28日まで
対応可能なものとなります。

また、グレゴリオ暦の前に採用されていた暦は、
ユリウス暦と呼ばれるものを採用していました。

どんな暦かというと、1年を「365.25日」とした暦です。
※地球が太陽を1周する時間

4年に1度の頻度で1日が余るため( 0.25 × 4 = 1)、
そのズレを調整する目的で閏年が設けられました。

ただし、実際は「365.25」日ではなく、
「365.2422」日になるので、
1年間で多少のずれが生じてしまいます。

0.25日は時間に直すと6時間で、0.2422日は
約5時間48分46秒になるので、ユリウス暦では
1年間に季節と暦に11分14秒のずれが生じてきます。
そのずれが1日分のずれになるのは、約128年後という計算です。

それに対して、グレゴリオ暦は1年を365.2425日とした
暦となります。

ユリウス暦では4年に1度の頻度(400年間で100回)で
うるう年が設けられていましたが、グレゴリオ暦では
”だいたい4年に1度”の頻度(400年間で97回)で
うるう年があります。

グレゴリオ暦では1年間に26秒のずれが発生するとして、
そのずれが1日分のずれになるのは約3323年後という計算です。

ユリウス暦だと、約128年後に季節と暦に
1日分のずれが発生するのに対して、
グレゴリオ暦では、約3323年で1日のずれが生じるのと
精度が全然違うということが分かるかと思います。

そのためユリウス暦だと1年間で生じる季節と暦のずれが大きく、
ユリウス暦を改良したこのグレゴリオ暦(いま現在の暦)が誕生と
言われています。

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簡潔にまとめると、
ユリウス暦よりもグレゴリオ暦の方が、季節と暦のずれが小さい
ということになります。

ちなみに日本では、明治6年1月1日からゴレゴリオ暦が
使用されました。
それまで使用していた暦では、西暦1872年12月3日(明治5年)に
当たります。

理由として、深刻な財政問題があったといわれています。

従来の暦では翌明治6年は閏年で、閏月が入るため1年が
13ヶ月あることになっていました。 既に役人の給与を
年棒制から月給制に改めた後なので、明治6年には13回、
給与を支払わなければなりません。

また切り替えることによって、明治5年の12月は2日しか
ありませんので、 この月の月給は支払わないこととすれば、
明治5年分の給与も1月分減らせる。

といった理由もあるようです。参考までに。

4.最後に

いかがでしたでしょうか。

一般的な腕時計のカレンダー機能と比べると
2100年まで閏年を含めて調整が不要となるので、
複雑となることもご理解頂けたかと思います。

高級ブランドですと、価格帯が高価となるこの機構を
搭載した腕時計ですが、自動巻で安価な腕時計も有るので、
参考にご紹介します。

今日もご覧いただきありがおうございました。

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