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2020年下半期に読んだおすすめ10冊

中村優太(Yuta Nakamura)

12月のお忙しい時期にアクセスしてくださって有難うございます。キャディのアドベントカレンダーに参加しているのですが、事業や会社の紹介は他の皆さまの記事に詳しく載っているので、完全に個人の好きな本に振り切って書いてみました笑

この記事は、CADDi Advent Calendar 2020の7日目にエントリーしています。

何かと移動の多いこの時期に、皆さまの読書の参考案内にでもなれば良いなと思い、今年の下半期読んだ本の中でのおすすめを10冊ご紹介させて頂きます。

選定ルール
◾️私が今年2020年の6月~11月に読んだ本から選出
◾️発売されたタイミングは関係なく、ジャンルもバラバラ
◾️同一作家については1作品のみの掲載

それでは10作の作品を紹介させてください!

1冊目: 1ミリの後悔もない、はずがない

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まずは1冊目。近所の本屋さんを歩いていた時に、ふと帯が目に止まって即買いしてしまった1冊。

椎名林檎さん、絶賛!「私が50分の円盤や90分の舞台で描きたかった、全てが入っている。」

内容ももちろん、作家さんの一木さんも初めてでしたが、帯の内容で買ってしまいました。ちなみにですが、椎名林檎さんは「教育」「大人」位の頃の作品が大好きです。

一木さんのデビュー作で、5編の作品からなる連作短編集です。中学/高校時代の恋愛を回顧しながら、それぞれの登場人物たちの現代の人生が描かれてます。

過去の回想へのスムーズな描写も素敵ですが、何より、過去の出来事があったからこそ絶望があっても生きていける、という人生へのプラスのメッセージ性が刺さりました。お気に入りは「西国疾走少女」という一番目の作品ですが、5作の緩やかな世界感の構成と、徐々に物事の背景が見えてくる展開も見事な1作です。

ちなみにですが、今回のおすすめ作品には短編集みたいなものが多めです。なぜかというと、仕事が楽しいながらも結構忙しく、できた隙間時間にちょっとでも本が読みたかったから笑。過去に読んだ他の好きな短編集とかは下記の作品などです。

独立記念日 (PHP文芸文庫)  原田マハさん
きみはポラリス (新潮文庫)  三浦しをんさん

2冊目: 2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義 

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先日亡くなられてしまった瀧本さんの、かつての東京大学での講演会の内容をまとめてくださった本。

瀧本さんの本は読むと結構頭にドカンドカンと響くものがあり、結構ダメージを受けます笑。と言うのも、語り口は鋭利だし、自分が逃げていたというかなあなあにしていた部分にぐさっと刺さるという。

未来を自分の力で、自分の意思で切り開いていくという、一貫したメッセージ性を強く感じます。一番心に残っているのは最後の方にあるこの一説。

「俺たちはお互いに自分の判断でリスクを取っている」ということに対する敬意があるから、余計なことは言わずに、ただ「よき航海を(bon voyage)」なんです。

ちゃんと自分の意思で、やりたい未来に向かって、今頑張れているか?と、船員ではなく船長として自分の人生の決断をしているか?と、自問自答できる、ぜひ人生の帰路に立った際おすすめしたい作品です。

他に瀧本さんの本で好きなのは、「僕は君たちに武器を配りたい」や「武器としての決断思考」などです。

3冊目: 逆ソクラテス

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3作目は伊坂幸太郎さんの2020年4月の新作で、5作の短編小説からなる作品。伊坂幸太郎さんの文体はふとした時に読みたくなったり、疲れていてもさくっと読めてとても助かっております。

今回の作品は、小学生時代の話を中心に展開されていく群像劇になってます。伊坂幸太郎さんの作品の特徴でもあるのですが、脇役や友人のキャラが立ってます。

「ぼくは、そうは、思わない」というキャッチフレーズの言葉の様に、「自分の信じる道に反する時ちゃんと主張できているか?」と問いかけられているような、小学生の物語ではあるものの、大人になった今だからこそ響くセリフが多くなっています。

大人になった主人公が昔を回顧する設定で物語を振り返る運びもとてもよく、5作の微妙なリンクによってキャラたちのその後の成長も垣間見られます。

伊坂幸太郎さんの作品で他に好きなのはこの辺りの作品です。

アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫)
アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)
チルドレン (講談社文庫)

4冊目: 惑いの森

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4冊目は中村文則さんの短編小説。またしても短編小説が出てきてしまいました。中村文則さんの作品は独特の文体と、全体的に暗かったり重めの世界観なのに、なぜか希望を感じるストーリー性が好きで結構読んでましたが、短編小説は喰わず嫌いしてました。

読んでみた所、「あー、やっぱり天才だな」という良い意味で期待を裏切られる結果に。短編小説で50個の作品とかだと、逆にぶつ切り過ぎて重たいんだろうなーと思ってましたが、さくさくストレスなく読めましたし、中村文則さんの世界観もとても反映されてました。200ページ足らずで50作品なので、平均4ページ/作品程度なのですが、ちゃんと中村文則さんの世界感がふんだんに活かされております。

好きな一説は、雨宿りという作品での不器用なサラリーマンのこの一説。

人生にハッピーエンドなんて滅多にない。ほとんどない、と言ってもいい。私はそれに気づいた時、決めたんです。それならば無理やりつくってやろうと。ハッピーエンドを。

暗い世界間でのこのセリフ。なんだか希望が湧いてきてしまってすごい沁みます。あとがきの最後に書いてくださる「共に生きましょう」って言葉もいつも好きです。

中村文則さんの作品で他に好きなのは、「掏摸」、「王国」、「何もかも憂鬱な夜に」辺りです。

5冊目: PIXAR 〈ピクサー〉 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話

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5冊目は、GW位に社長の加藤がオススメ本として紹介してくれた1冊。1回読むとそれからトイストーリーを観るたびにこの本を思い出してしまいそうな本です。

ピクサーと言えば、スティーブ・ジョブズさんが再び成功への軌道に乗った第一歩程度の認識で、アニメーションとして世界一というのが私の認識だったが、並々ならぬ苦悩と努力を感じさせる作品であした。同時に、映画という世界のビジネスモデルの恐ろしさを追体験できる作品でもありました。

①制作するのにとんでもない費用がかかるうえ、②全編3Dという試みも受け入れられるか分からず、③10作中2作が採算を取れるという難しいビジネスであり、④ディズニーとの契約も厳しい。

考えているだけでも胃がきりきりしそうな大変な状況の中での奮闘記録であり、感情的な部分も含めて成功の部分だけでなく困難と格闘する様子が描かれてます。クリエイティブ性と戦略性、芸術性と効率性など相反する概念を舵取りする形は、どんなに困難な状況でもきっとまだ道はあるんだろうなーと元気をくれます。

「HARD THINGS」や「コンテナ物語」を読んだ時と同じ様に、お疲れ様でした!とお伝えしてあげたくなる名著です。

番外編: 二十億光年の孤独

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前半戦も終わった所で番外編の二十億光年の孤独、谷川俊太郎さんの詩集でございます。彼の詩集で言ったら、この作品か「朝のリレー」が好きで、レオレオニさんとの絵本で言ったら、「ペツェッティーノ」が好きです。

なぜ番外編になったかと言うと、過去によんだことはあったものの、文庫版を今年買って、改めて良いなーとなったからです。

中学時代は、「詩だと言いたいこと伝わらないから、文章で書いたら良いのに。」と微塵も魅力が伝わってませんでしたが。。少しずつ歳を重ねて、色々削ぎ落とされたシンプルなものの魅力に、少しずつ分かるようになってきました。

日本の活字が恋しかったアメリカ時代に、詩の余白だったり、無限の解釈の可能性が元気をくれたなーと思い出しておりました。過去〜未来、宇宙への広がりに思いを馳せることができる素敵な作品です。

6冊目: 青の数学

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6冊目は数学に魅了された高校生たちの青春小説。題材は違えど、読了感は恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」に似た読後感になれます。

自分自身が高校時代に一番好きな科目が数学だったこともあり、手にとって買ってしまいました。数学の世界観や魅力を小説の中でしっかり伝えていることももちろん、一番好きなのは物語終盤での数学対決で、ただただ問題に向き合っていく描写です。

頭の中には、その問題だけ。
いつだってそう。それだけでいいのに。
余計なことを考えるから、人はなぜ、と問う。
そう考えている時点で、濁っている。
いつだって目の前に答えはある。

問題に向き合った時、完全にその問題に集中できるゾーンみたいな感覚ってあったし、そんな時間が好きだったなと思い出しました。今会社で、解きたい問題にだけ向き合えている時間も、人生の中では貴重なんだろうなーと未来に思いも馳せたりしてました。

数学やアルゴリズムの魅力はなんなのか。下記に今年読んだ数学系の本をまとめておきます。青の数学は数学を題材としながらも爽やかな青春小説となっておりますが、下記の本は数式を含めて楽しむ系の本なのでどうぞ。かつふわっとしたビジネス書風の邦題となっておりますが、内容は割と重厚。

数学する身体(新潮文庫)
アルゴリズム思考術 問題解決の最強ツール (早川書房)
確率思考 不確かな未来から利益を生みだす
Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学 (日本経済新聞出版)

7冊目: 共感・時間・建築

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7冊目にして唐突ですが、好きな本屋さんってありますか?

Amazonを開けばほぼ全ての本が手に入る今、私が本屋さんに行く理由は以下のどちらかかなと思ってます。

1. 思いつかなかった新しい本に出会える
2. 本を読もうというモチベーションを与えてくれる​

私の中で、この2つの観点から、よく行くのが青山ブックセンター!交通のアクセスもよく待ち合わせとかの前にちょっと立ち寄れるのも良いです。

毎週通っていたプログラミングスクールG's Academyから渋谷に向かう帰り道に位置し、混雑具合や陳列具合も絶妙でついつい本を買ってしまう、行きつけの本屋さんです。

そんな本屋さんの建築コーナーで見つけた、7冊目、日本の街を題材にした街や建築のディスカッションがテーマとなっている本。ヴェネチア・ビエンナーレで展開された日本の建築の在り方についての問を様々な切り口から語ってくれます。

大学で都市の卒業論文を書いていたこともありますが、今でも都市への興味は尽きないです。都市計画など都市を作っていくという思想への限界から、ヤン・ゲールらの提唱する都市を使うという方針、特にコミュニティや縁をデザインするという文脈は、おーと思いました。

ゆるい繋がりや、公共空間のちょっとしたはみ出しは、街への主体的な関わり方を加速させ、愛着や共感をもたらすのだなと、下北沢に住んでいた2年間で大分学ばせてもらいました。

都市計画という決められた形ではなく、ちょっとした意見が反映されたり、何気ないことで周囲に助けられることで、縁が加速します。その在り方をデザインするという形は、実体験を言語化できた良い体験でした。

8冊目: 糸

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クリストファーノーランの作品を観に行ったら、たまたまポスターを見つけて、小説版の方読んでみたら、すごく良くてびっくりしてしまった8冊目。

ちなみに、クリストファーノーランの作品だと、メメント・ダークナイト・インセプション辺りが大好きです。
※毎回脱線しすぎてすいません
※本からついに映画の話が移る所でした
※最近の作品は中村の理解を超えてます

さて、8作目は中島みゆきさんの名曲「糸」を題材にした小説作品。あらすじは公式のものを拝借しますがこんなお話。
※8作目にして段々執筆の疲れが
※手を抜いてる気持ちは決してないのですが
※そもそも公式のあらすじレベル高い

北海道で生まれ育った高橋漣は、花火大会で出会った園田葵に一目惚れ。彼女が義父から虐待されていることを知るが、まだ中学生の漣には何もできなかった。それから八年。漣は地元のチーズ工房で働き、葵は東京にいた。 遠い空の下、互いを思いながらも、すれ違いと別れを繰り返す二人。それぞれの人生を歩んできた男女が、再び巡り逢うまでの物語。

中島みゆきさんの世界感が満載の、運命に苦しむ2人を応援したくなるようなお話。ひとりひとり、みんな違う人生の物語をしっかり描写しており、平成という1つの時代の流れに載せて物語を展開していく形もとっても読みやすかったです。

映画は気づいたら終わってしまったので、今度レンタルして観ます!

9冊目: 「ついやってしまう」体験のつくりかた――人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ

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任天堂でゲームの企画をしていた玉樹さんの、実例を交えたUI/UXと体験の解説書です。前職の先輩にオススメされて読んでみましたが、一瞬で読み終わってしまいました。

文章の構成や語り口もさることながら、適度に投げかけられる問が絶妙で、学びを深めてくれます。さらにこの本を特別にしているのは、スーパーマリオやドラクエに費やした幼少期の経験であり、自分自身の経験や感情・動作をどうデザインされてたかを追体験することで、後半に学びが深まってくるという。

ドラクエを初めて行った時、確かに「ぱふぱふのコーナーってなんのためにあるんだろーなー?」とか、「いきなりラスボスから世界の半分くれるってどした?」とか感じた内容が、なるほど!と納得できる計算されたデザインが裏側に入っていたこと。20年ぶりにマジックの種明かしを受けた感覚になってました。なので、かつて任天堂のゲームをやった方はぜひ!

そして、巻末にさらなる読書紹介がまとまっていることも嬉しいです。良い本は、その出会いから新たなる出会いを誘発してくれますね!その中での私のオススメを何個か載せておきます。

ノンデザイナーズ・デザインブック
感情とはそもそも何なのか:現代科学で読み解く感情のしくみと障害
ストーリー

10冊目: 名画は語る

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10冊目は日本を代表する画家、千住博さんの歴史上の名画を解説する作品。

現役のトップランナーの方のお話を聞けるのは新書の良い所。千住博さんが名画を観る中で、どこに注目しどんな出来事に紐付け、何を思うのか、そんな解説を古今東西様々な絵で体験することができる、美術の授業というタイトルにぴったりの内容の1冊です。

評論している訳でもなく、過去の作品への尊敬と、絵画への情熱がかんじられる文体でとっても読みやすいです。そしてなおかつ絵ごとの短編集の様な形式になっていることもGood笑。読むと美術館に出かけたくなって、ワクワクが増える感じがします。

ちなみに、千住博美術館は、自然と作品がうまく調和しており、建物も絵画も空間も含めて最高なので、ぜひ行ってみてください。最高の環境なのにも関わらず、人が少なめなので、じっくりゆったり絵と向き合うことができます。

11冊目: リエンジニアリング革命

10冊のおすすめ作品の記事と最初に伝えているのにも関わらず、登場してしまった幻の11冊目。。。

番外編とかもあるし、1コーナーに何冊も入れているのでとっくにオーバーしているよ!という厳しいツッコミが飛んできそうなのは置いておきまして、今まさに読んでいるので、暫定的に置いてます。

私が生まれた1993年に書かれた名著。同じ会社で頑張る阿部さんと一緒に読書会をしようと話しており、空いた時間にちょくちょく読み進めてます。

内容はまだ頭の中で整理中なので、読書会の報告と兼ねて別途まとめることにします笑

おわりに

この記事を執筆するに辺り、自分のKindleの本棚を覗いてみたら、なんと本が1200冊ありました。漫画から専門書までありますが、1冊の単価を800円ちょっとと仮定しても、100万円近く爆買いしていた訳ですね。。。これからも本は書い続けますので、ぜひ皆さまのおすすめも教えてください!

6-11月でも40冊近く読んでいたので、本当はおすすめ5冊にしようと思っていたのが、選考の方が難しくこんなに長くなってしまいました笑。2020年もたくさん素敵な本に巡り会えて、良い読書ライフだったなとしみじみ思います。

それから、キャディに興味のある方もぜひぜひお声がけください。採用ページも12月に刷新され、全ポジション大募集中でございます。


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中村優太(Yuta Nakamura)
CADDiで製造業のポテンシャル解放に挑んでます!Canon(SCM-Sales-Strategy)→CADDi