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雪まつり会場の大学生

北海道札幌市の雪まつりの記事をみて思い出したことがあった。
かなり前のことだったが、札幌中心部にある大通公園の会場を見物にいった時のこと。
平日にもかかわらず、たくさんの人でにぎわっていた。日本中からだけでなく、近隣のアジア諸国の人も多く、ダウンジャケット、マフラー、帽子、手袋と完全装備であり、明らかに地元の人との違いがわかる。(本州からの日本人も同様)
雪は降ってはいなかったが、足元は雪、時折、
氷の箇所もあり、油断していると、「ツルっと、ヒヤッと」がほぼ同時にやってくる。なんとか転ばずにいられた。

大きな雪像を見上げて、よく作れるなー、と感心していたところ、
「誰のおかげか、みんなわかってないよなー」と大きな声が聞こえてきた。
そちらに目をやると、男子学生の集団がいた。
「俺たちが雪ならししてさー、俺たちのおかげなのに、もっと感謝しろよー。」さっきと同じ声が、さらにボリュームアップしていた。
どうやら、アルバイトで歩道の整備(雪かき)をしている学生たちのようだった。
そのうちの一人が、自分が歩道整備をしたことを周囲の人に聞こえるように、ちょっとアピールかな。彼は言葉通り「感謝」をしてほしかったのだろう。

似たような経験があったことを思い出した。 新人研修のとき、グループワークで役割分担をしたときのこと。リーダー、発表者、書記などではなく、雑用係をやったときである。メイン以外のことは雑用係担当、つまりなんでも担当。今は何とも思わないが、当時の私にとっては、しぶしぶの役割だった。(つまらなそうと思って)しかしながらタスクは次から次へとくる、動いた量はチームで一番。当然、「ありがとうは?」と雪まつりの彼と同じような心の声があった。自分のやったことを認めてほしかったのだ。誰もが一度はこういう経験はあるのではないかな。

対処は意外と簡単。「いやぁー、私、よく頑張ったわー。」と自分で褒めるのが早い。
もし周囲でそういう人を見かけたときは、「ありがとう」の一言で、たいていその場の空気がよくなる。

そうそう、雪まつり会場の彼のその後。
その友人から、「何言ってんだ、お前!さっさと行くぞ!」と突っ込まれ、しぶしぶ、作業を再開していました。
アルバイトの皆さん、「見てますよ、ありがとう!」と呟いた。
声小さかったかな。

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