「要約のコツってありますか?」と聞かれたので考えてみました。

この回答をするために自分の考えている事が何か自分で理解するために書いたのがこちらです。

私も要約がものすごく苦手なのでサクッとできる方法は知らないんですけど(むしろ教えて欲しい)貴方の質問の意味、対処のポイントがマシュマロの文面だけだと正確に把握しかねたのでまず私が「この質問の意味はこうかな?」と受け取った内容について記載します。

1.長い文章を短くまとめるにはどうしたらいい?
2.先生に「この文の意味は?」的に質問に無難に答えるスキルを身に付けたい。
多分マロ主さんが知りたいのはこのどっちか、あるいは両方か。
※「まったく違う」だったらごめんなさい

さて、要約する場合は作業が「読む」「理解する」「まとめる」という3ステップになると思うのでそれぞれの段階について私が思う理屈やら方法を書きました。

「読む」
国語の教科書って突き詰めたら「大人が他人の作品を材料にして児童生徒に"これだけは言っておきたい事がある"お気持ち表明集」なので個別の文章だけ見るよりタイトルとか作者の肩書きも合わせてみて「これはどういう説教に使いたくて選ばれた物だろう」という視点で読むとわかりやすいかもしれません。

作家なら他にどういう物を書いているか。本業が作家でないなら何をしている人か。
「戦争問題についての著作が多い」とかあったら「戦争よくない!」って話が好きな人だなとか「女性の地位向上に関わる活動をしている」人ならジェンダー問題なんかではっきりとした「私はこう思う!」があってそれを書いてる可能性が高いです。
これは必須ではないけれど「要約」と作業の中での「情報取り」としては少ない作業で得られる情報が多いので覚えておくと便利だと思います。

そして「読む」についてはまずは「しっかり読む」→「書いていない事を読み取らない」というのを心がけるのがポイントかなと思います。

読解はよく「行間を読む」とか「背景を考えて」みたいな事を言われるので「書いてない事を答えろ!と言われてるのに?」と思われるでしょうが、読解問題や要約のポイントはここに尽きるからです。

国語の教科書の場合、特にプロが厳選した「伝達のエラーを限りなく排除した文章」が教材として使われています。

ここで言う伝達エラーは「読み手に必要十分な情報が示されていないので出ている情報から読み手が妥当と思われる憶測で足りない部分を補った結果、事実と反するひどい話として受け取られた」みたいなパターンをいいます。

Xのポストで炎上した時ってポスト主さんに悪気がなかった場合、大体が「言葉足らずでした」とか「強く言いすぎました」みたいな謝罪がでますけど、これって要するに元の文章にムダや誤りが含まれるので「伝達エラーが発生して読み手の感情を逆撫でしてしまった」事故なんですよね。

よく「そこまで書かないとわからんか?」とか「140字という文字数で全ての事情を書くのはムリ」っていうコメントも出るのがこれですね。
育児ネタなんかだと「これって虐待では!?」って強めの言葉で書かれた憶測に同意した人が多いとそれが拡散されて炎上したりするやつ。

国語の読解問題でミスる原因の一つとしては「推測、想像ではなく憶測で読んだ」があるんじゃないかと思います。

推測と憶測の違いは私はこんな感じで捉えています
・推測→根拠がある、情報や知識を以て判断する
・憶測→根拠もなくいい加減に判断する
もっと簡単に言うと憶測は「こうに違いないと決めつける」「自分がこうであって欲しい、こうであるべき、こうに違いない」と思っている状態、でいいかな?

なので要約する場合は「自分はこう思う」を排除して「この人はこの状況はこうなのかな?」という情報を文章の中から探すように読むのがポイントではないかと思います。

ここできちんと文章からの情報取りをしていくと自然と「理解する」作業が完了していきます。ですが多分ここで「ぱぱっと言葉にできない」ので困るんですよね。

これは当てられてからだと難しいのは承知なんですが、シンキングタイムが設定されている場合、ノートの端にでもちょこっと「こうかな?と思った事を文字にして書いてみる」という作業を挟んで見て下さい。

これ、すごく不思議なんですけど思っている事を文字にすると「自分の考えている事がはっきりわかる」んですよね。
私は脳科学の素人なのでネットの言説から得た情報から憶測してるだけなのですが「頭の中で考える」段階だと思考に使用する文字を認識するために、脳がその分余計に働いている気がします。

それが紙なりパソコンなりタブレットなりに文字として表示すると「目から自分の考えが情報として入って来る」ので客観的に見られるのでそこから更に「他人に伝えるにはどう言い換えればいいのか」という作業がスムーズに進む気がします。

後は「まとめる」なのですが、率直な結論や感想はあるけど、そのまま言いにくいケースもあると思います。

例としてXの皆大好き山月記のテーマって読み方によると出て来る感想は「"ワナビをこじらせるとマジやべえ"って事じゃね?」とか「ぼっちで自称俺TUEEEすると人生詰むんだな…」(諸説あると思います)なんだけど、さすがにこの表現では先生にそのまま言って許されない場合が多いかと思います。
※おばちゃんなので若者言葉が大変古くさいと思うので申し訳ない。

そこで、授業で答える分には「嫉妬に囚われた人間の苦しみ」とか「理解されなかった孤独」という言い換えが必要になってくるわけですね。
「それがぱぱっとできないから困るんだよなー」というご質問なのだと思うんですが国語の勉強をする意味がまさにこれだと思うので「率直な感想」があるのならそれを「授業用の言葉」にサッと変換するようにしてみてください。

国語って「他人の気持ちを想像したりする」みたいな感情の教育要素として捉えられる事が多いですが実は成人でも「文章を読んで指示を理解する」ができない人がしこたまいます。
スマホや家電の取説、注意書き…と枚挙に暇がありません。
国語の授業だと「文学なんてわかんなーい」ってなっちゃうかもですが、やってる事は「仕事の指示を文書で渡された時にちゃんと読んで理解できるか」のための実地訓練なんです。

大人が仕事で「てめえマジふざくんなよ」を「申し訳ありませんが致しかねます」って言い換える時の練習が「私も人の事言えないけど李徴の性格、マジでないと思うわ」を「誰でも李徴のような部分があるのかな、というのが作者の伝えたい事だと思いました」って先生に言うみたいなやつですね。

なので「指名されて発言する場合に何を言えばいいか」という意味の要約なら、「思った事を授業向きの言葉に変換する」ができるようになったら困らないんじゃないかなと思いました。
なんでかっていうと授業の場合、絶対正解しなくていいんですよね。
「思考した内容を発話する」のが目的なので。

長くなってしまいましたが要約のコツは

・「作者が何を言おうとして書いた文章か」という見当をつけてみる
要約ってどういう事かというと「140字でわかる鬼滅の刃」みたいなやつだと思うので好きな漫画とかアニメなどの作品を「140字でフォロワーさんにプレゼン」するつもりで書いてみると国語の教材でも応用できるんじゃないかと思います。

・とりあえず字にしてみる
本当に「目で読める」と思考がまとまるスピード上がります

ちなみに私がこれを書いたのはXのポストでマシュマロへの回答で書いた「書いてみたらいいと思うよ!」という要約するために自分の考えている事を書き出さないと、自分の思っている事がわからなかったからです。

「書いたらわかる」の効果がこれでちょっとでも伝わると幸いです。

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