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映画「銀河鉄道999」Dolby Cinema版

嬉しいニュースだった。
なんとあの映画版「銀河鉄道999」がドルビーシネマで上映されるというのだ。

映像は35mmフィルムを4KHDRリマスターし、ドルビービジョンによる高輝度、高コントラストな表現力で蘇る。

音響はもともとモノラルだったものをブルーレイ化に際して5.1ch化
更にドルビーアトモスの天井スピーカーも活用して大迫力の音響が楽しめる。

もともとの上映は1979年
なんと43年の時を越えての上映なのだ。
実はワタシ、当時の上映を観ているのである。
だが、年齢的にいって幼稚園生なので、全く覚えてはいなかった。
後年、ゴダイゴを聴くようになって、「銀河鉄道999」を初めて聴いたときのことだ。
なんと、映画の最後のシーンがフラッシュバックしたのだ。そして、祖父と一緒に観に行ったことも。
後にDVDて本編は観たのだが、映画館で観ることができるということは貴重なので、なんとしても観たいと思ったのだった。

だが、ドルビーシネマ自体がまだ全国でも数少なく、主要都市にしか存在しない。
ワタシは休みを仕事と妻に偽り、2時間掛けて映画館へと向かった。
車で行ったので、もちろんゴダイゴを聴きながらだ。
もう、絶対に泣いてしまうだろうなと分かっていた。
今は亡き祖父と一緒に観た映画を43年後の今再び観る。
祖父はどんな思いでこの映画を観たのだろうか。
ワタシが観たいと言ったのか。
祖父が観せようと連れて行ってくれたのか。
考えているだけで目が潤んだ。
今まさに、万感の思いを込めて私は銀河鉄道999を観に行く。

映画館に着くと、残念ながら復刻版のパンフレットは売り切れていた。

早速館内に入りシートに身を委ねた。
平日ということもあり、思ったより人は入っていなかった。
ドルビーシネマ化には相当経費が掛かるだろうに、これではペイしないんじゃないかと心配してしまう。

本編が始まり、TV版よりだいぶイケメンな鉄郎が登場する。
そして、メーテルと共に999での旅が始まる。

昔の記憶は殆ど無いのだが、おそらくTV版の記憶も有るのだろう。
そうそう、毎回どこかの星に停車してその星でのエピソードがあって、慌てて乗車しての繰り返しだったよな。なんて思いながら観てた。

それが映画だから、あっという間に終着駅に着いてしまい、長旅感はあまり出ない。
キャプテン・ハーロックやクイーンエメラルダスも登場し、全く実現の可能性の無いSF?も良いものだなと感じた。

そうでなければ銀河鉄道というロマンチックな乗り物も生まれなかった。
そう考えれば、999の中での銃を使ったり、窓ガラスにヒビが入ったり、キャプテン・ハーロックが生身で宇宙空間に出て操舵したりなど全てが許容できる。

そして、やはり銀河鉄道999といえば宇宙一の美女メーテルの存在だ。
おそらくワタシは子供の頃からこの宇宙一の美女に心を奪われていたのだ。
映画を観ていて思う。
まるで好きな人を見ているかのようにメーテルを見ていた。

池田昌子さんの声も素晴らしい。
メーテルの声は唯一無二だと思う。
野沢雅子さんの鉄郎ももちろん良いし、車掌さんもドクター・バンもみんな良いのだが。

最後に鉄郎とメーテルが別れるシーンで「私は、あなたの想い出の中にだけいる女」と、あくまで鉄郎の青春の1ページでしかないと身を引く。TV版ならともかく映画版てはあっという間の旅だから、もっと旅しようよ。鉄郎もまだまだ成長するから。なんて思うのだが、メーテルの乗った999は出発してしまう。

今、万感の思いを込めて汽笛が鳴る
今、万感の思いを込めて汽車がゆく。
一つの旅は終わり、また新しい旅立ちが始まる。
さらばメーテル
さらば銀河鉄道999
さらば、少年の日々・・・。

城達也のナレーションも完璧
帰りの車の中で何回も言ってみた。笑

そして、ゴダイゴの名曲「銀河鉄道999」が流れる。
999を見送る鉄郎
映像も曲もここまでの流れも全てが集約された完璧なエンディング
もちろん涙涙涙
思い出して書いている今も目が潤んでいるくらい。


本当に素晴らしい時間だった。
43年間の想いが詰まっていたのかもしれない。

それにしても、4KHDRリマスターとドルビーシネマ化には本当に感謝しかない。
129分を24コマだと185,760コマになる。リマスターの手順はよく知らないが、おそらくフィルムを一コマずつ撮影し、修復して調整していくのだろう。だとしたらとんでもない作業量だ。

今回銀河鉄道999は無事にデジタル化されたが、フィルムは劣化するので早く作業を進めないと貴重な名作が永久に失われてしまうかもしれない。

予算に制約があるなら、クラウドファンディングという手もあるのではないかと思う。
今回の銀河鉄道999はドルビーシネマのみでの上映であり、収益も限定的だと考えられるが、できれば普通の映画館でも上映してくれればもう少し収益も見込めるだろうし、子供を連れて見に行きたいのになとも思った。


最後に少し話が逸れたが、本当に素晴らしい映画だった。
この映画に関わった全ての人達に感謝


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