見出し画像

ゼロ・ウェイスト旅行記

こんにちわ。渡辺です。

2泊3日で徳島県上勝町に滞在してきました。

今回の旅の目的は2つ。
・WHYでの宿泊体験
・らいちゃんに会うこと


ゼロ・ウェイストの町

みなさん、徳島県上勝町をご存知ですか?ここは人口わずか1400人の小さな町です。豊かな自然に囲まれており、棚田や観光名所もいくつか点在しています。上勝町阿波番茶や柚香などの特産品なども有名です。滞在中は、遠方から鮎釣に来られている方も多く見かけました。

上勝町は産業や取り組みも注目されていて、1990年頃から始まった葉っぱビジネスは今では町の基幹産業となり、さらに日本初のゼロ・ウェイスト宣言をしてからの取り組みは日本国内のみならず世界からも注目を集めています。
今では年間約3000人もの人が視察に来るそうです。視察者一人ひとりのゼロ・ウェイスト体験だけでなく、企業との取り組みも展開している「ゼロ・ウェイスト」。
ぜひ日本中に広がってほしいと思います!

ゼロ・ウェイストセンター

建築デザイン

まずはゼロ・ウェイストセンターのご紹介。

一番の特徴はなんと言ってもこのアイコニックな建築です。上から見ると「?」のシルエットになっていて通称「WHY」とも呼ばれています。

設計を手がけたのは、建築家の中村拓志さんが代表を務めるNAP建築設計事務所です。町民に呼びかけ、不要となった建具や廃材などを集めて建材として利活用したそうです。

外壁塗料には、自然由来の雨に強い塗料が使われていて、これも町に受け継がれている先人の知恵だそうです。背景の山々とも見事に調和しているように感じますね。

現在町の高齢化率は約50%だそうですが、人口減少で町に光がなくなっても、この場所があることで再び人が集まり、光が消えることがないようにという願いが込められているというお話を聞いたときには感動しました。

デザインもさることながらコンセプトやストーリーも知れば知るほど味わい深い建築。建築に触れることで町のことを知り、宿泊することで町での時間も堪能することができました。

この建築は、2021年に日本建築学会賞も受賞しています。

宿泊施設

まずは私が利用した宿泊施設からご紹介。
「?」の下の丸の部分になります。

全部で4室の小さなホテルですが、私にとってはとても大きな経験になりました。「ゼロ・ウェイスト」を体験できるプログラムやサービスがとても充実しています。

まずチェックインの際に体験することがこの2つ。
・必要な分の無添加石鹸を自分でカッティング
・お茶とコーヒーも必要な分を申告する

この茶葉は、上勝阿波晩茶といってとてもまろやかで飲みやすいお茶でした。

ちなみにエントランスの雰囲気はこんな感じです。

目に飛び込んでくるもののほとんどが、アップサイクルやリユースされたものです。そのうえ空間やインテリアとしてもまとまりがあってとても素敵です。
シャンデリアはよく見るとたくさんの瓶で作られていて、レトロチックな雰囲気と色の違いによる絶妙な彩りに心惹かれます。

こちらの椅子は確か、京都で使われていたとお話しされていました。

エントランス空間には「くるくるショップ」というスペースもあります。町人が使わなくなったお皿や洋服を集めたリサイクルショップですが、だれでも無料で自由に持ち帰ることができます。

持ち帰る際には、重さを測って記入していくことになっているのですが、直近1ヶ月でなんと合計952kgもの量がリユースされているそうです。すごいですね。はにわさんも内心驚いているでしょう。笑

ゼロ・ウェイスト体験

続いて部屋の紹介です。

こちらは各部屋に備わっているゴミの分別用の小さいバケツ。

翌日に自分でゴミを分別するために、部屋で6種類に分別しておきます。後ほど紹介しますが、ゴミセンターでの分別は43種類なので、翌朝さらに分別することになります!

素敵なお部屋に心躍らせながら、早速エントランスでいただいたお茶をいただきました。

なにかする度にゼロ・ウェイストについて考えるのがこの場所の特徴。茶葉は後ほど生ゴミ用のバケツにいれました。

らいちゃんと合流

らいちゃんこと大西千聡さんは、私も関わっているZERO SCHOOLの校長であり、上勝町ではゼロ・ウェイスト推進協議会にも入っていて、視察に来られる方へのガイドや研修も行なっている上勝町在住の友人です。滞在中は旦那さんにも大変お世話になりました。

ここはいろどり橋周辺。ここの秘密は後ほど♪

cafepolester

まずは合流直後に立ち寄ったカフェをご紹介。

どのメニューも美味しそうでしたが、私はカレーをいただきました。

カフェでは、この後の上勝町での滞在プランを考えながらZERO SCHOOLについても少し打ち合わせ。
少しの滞在でしたが、ゼロ・ウェイストのキーパーソンや近くのキャンプ上の代表の方がいたり、海外から上勝町に来てインバウンド向けのプログラムに関わっている方もいたりして、各々休憩や仕事の時間を過ごしながら交流を楽しんでいました。

いろどり橋

続いてらいちゃんと向かったのが「いろどり橋」。橋周辺には彩山実習園があり、実際に出荷されている葉わさびや山ぶどう、もみじなど、さまざまな農産物が育てられています。
葉っぱビジネスについて、ご興味ある方はぜひ調べてみてください。
アメリカンドリームならぬ、カミカツドリームな驚きのビジネスです。

橋は町の名所になっており、町の絶景を堪能することができます。簡単に行けるので上勝町に行く機会があればぜひ足を運んでみてください!

樫原の棚田

全国棚田百選にも選ばれている美しい棚田。空石積の擁壁も利用されているので、植物や生物の生息地にもなっている日本の宝。等高線に合わせて作られた美しい棚田は、先人たちの高度な技術に今でも支えられています。

こうして1日目の観光が終了。
夜は月の宿で、みんなでご飯を食べたのですか、写真を撮り忘れました。笑

宿泊者としてゴミの分別を体験

ゼロ・ウェイストセンターでは、宿泊中に出たゴミを分別する体験プログラムが用意されています。

上勝町ならではの朝食

せっかくなので朝食もご紹介。

朝気持ち良く目覚めると、キャンバス生地のバッグに入ったモーニングセットが届きます。

中にはベーグルサンドのセットが入っていました!
このメニューは、上勝町内にあるブルワリーRISE&WIN Brewing Co.のオリジナルメニュー。ビールの醸造後に出たココナッツを再利用したナッツグラノーラも入っていて、ここでも上勝町の魅力を感じることができます。

ベーグルサンドの出来上がり♪

朝食後の分別

朝食後、チェックアウト前にいよいよ上勝町でのゴミの分別を体験します。

ここは、ゴミを43種類に分別できるようになっています。さらに面白いのが、ゴミの種類ごとに「入」「出」という表記があることです。リサイクル可能な資源を正しく出せば町の収入になり、処分にお金がかかる場合は町の支出になります。ゴミがこの町を出た後にどうなるのか?見事に可視化されて、町民の意識向上にもつながっていると思います。

私が当日出したゴミは生ゴミがメインだったので、担当の方と一緒にコンポストを体験しました。
実は今住んでいる神奈川の家でもベランダでコンポストにチャレンジしているのですが、上手く習慣化できておらず、どこかもどかしい気持ちもありました。しかし、ここでの体験で別のコンポストのスタイルを知り、センターのスタッフの方から続けるコツもお聞きして、楽しいコンポスト体験をすることができました。

ここで、ゼロ・ウェイストセンターでの宿泊体験は終了。
めんどくさいと思うような体験は一切なく、本当に楽しくゼロ・ウェイストを体験することができました。

山犬嶽

2日目のメインの観光は、山犬嶽(やまいぬだけ)ハイキング。

初日に訪れた、樫原の棚田の先にある名所です。気軽にハイキングを楽しむことができ、コケの名所が人気スポットになっています。
駐車場から山に入り、20分〜30分歩くと、突如コケが広がる空間が現れます。

見事なコケの世界。ひんやりと澄んだ空気と苔の群生に癒されるハイキングになりました。

RISE &WIN Brewing Co.

喉も乾いてお腹も減ったので、RISE&WINに移動。ゼロ・ウェイストセンターの朝食を提供しているお店です。

実はこちらの建築もゼロ・ウェイストセンター同様に中村拓志さんが設計を手掛けています。

上勝町の特産物である柚香を使ったクラフトビールもここで醸造されており、ドライバーでなければビールも満喫することができます。

ハイキングで喉が渇いていた私は、柚香シロップのサイダーを注文。

ちょっと遅めのランチになりましたが、バリカツプレートも注文。

こちらは海水温上昇によって過剰に増殖したバリという魚を使用しているそうです。
右のメニューしいたけグリルも気になっていたのですが、、、2日目の宿の夕食と最終日の朝食でもしいたけを堪能できることを知っていたのでここではバリカツバーガーをチョイスしました♪

月の宿

最後に2日目の宿も簡単にご紹介。

月の宿温泉は、いろどり橋の近くにある宿。勝浦川を眺めながら温泉につかり、四季折々の食事を楽しむことができます。

どれも美味しかったのですが、1番印象に残ったのがこちらのしいたけ。肉厚でジューシーなしいたけは山の恵みを丸ごといただいているような贅沢な気分になりました。

まだまだご紹介できていない体験や写真もあるのですが、キリがないのでここで旅行記を終わりにします。

ぜひ、少しでも気になった方やゼロ・ウェイストを実践したいと思っている方は上勝町を訪れてみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?