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命がけの名曲『ストレンジカメレオン』と重ねる人生

【259】

山中さわおと言う孤高のロッカーがいる。

the pillowsと言うベテランロックバンドがいる。

今から15年ほど前に知ったこのバンドこそ、自分の生きざまそのものみたいだなと感じた。9月16日はそのthe pillowsが結成された日。BIRTHDAYだ。
どうしてもいつかは彼等についてのnoteを書きたかったけど、自分にとってはそれは大きなことなので今の今までは下書きに眠ったままでいた。

好きなバンドはthe pillowsとMr.Children。
先にMr.Childrenを好きになり、15年ほど前からpillowsを好きになった。
どちらも僕の人生に大きな影響と、大きな支えとなる存在である。

「久しぶりじゃないか」

この一言で始まるボーカル山中のMCが好きだ。彼にとってのファンは支えであり、他を求めない。必要としてくれるファンがいるから歌い続けるだけだ。

「アウイェー!」

この声で奮い立たされ、ライブ会場はヒートアップし一つになる。
彼はそう、ギターで、歌で、ロックで、ひとりぼっちの僕らを刺激する。一人じゃないぜ、一人きりにさせないぜって。

「連れてってくれよ、この世の果てまで」

この世の果てまで
行こう 昨日までの二人を苦しめたもの全て
この世の果てまで 投げ捨てに行こう

一人にさせない人だ、実は全ての歌詞は優しさで包まれている。
彼自身が音楽業界の片隅でずっと孤独だったから、苦しみ悲しみ葛藤を知っているからだ。

1989
僕はずっと孤独だった 会いたかった誰かに
ハジメマシテ コンニチワ 何がそんなに可笑しいの

1989、この曲を初めて聴いたのは20周年の初の武道館ライブでのこと。
ひたすら自分自身の音楽を信じて、それを信じてくれたファンを思い歌った曲だ。涙が止まらなかったよ、さわおさん。あれはズルいって。

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「the pillowsってバンド好きになると思うのでおすすめです」

昔の職場の後輩から2つのアルバムを借りた。
【Thank You , my twilight 】

【PENALTY LIFE】


そしてMDに収録して【GOOD DREAM】も聴いた。

全くの無知、とりあえずで聴いた【Thank You…】からだったがやられた。
1曲目のRAIN BRAINのイントロから度肝を抜かれた。
疾走感のあるサウンド、かっこいいこれ…
そのままの流れで、

バビロン 天使の詩
風と君を呼んで ここじゃない世界へ逃げよう

ときにラブソングを歌えば、

ムーンマーガレット
愛を知ってやっと走って 
暗闇でギュッとキミの手をにぎれたんだ
今夜全部 悲しみを全部飲み込んで笑いたいんだ

しっかりと掴まえて離さないで大切にしたいと歌う。

それからさほどしないうちに地元のライブハウスにpillowsが来た。場所は静岡Sunash。ライブハウス自体もほぼ初めてだった。
あれ、ストレッチしないと足つるよな、そのとき思ったわ。

正直まだpillowsの実力を信じきってはいなかった状態でのライブ参戦。
初めて音源を耳にしたときと同じだ。

本物。

本物のロックバンドだ。

さわおさんの歌声もサウンドも全てがそのまま。いや、それ以上で。
当時は知らない曲ばかりだったけど、すっかり虜になってしまったのは言うまでもない。

ファンの熱気、一体感もそのとき初めて知った。
やけに刺さるMCと曲に込められたメッセージ。このthe pillowsというバンドの深みはその夜だけで十分なほどに感じることが出来た。

それからと言うもの、歴史を紐解きながら過去に遡ってみたり、同時進行でこれからの彼らに染まって行った。

RUSH
大人になった悲しみに
耐えきれず胸が痛くても
迷わないでまだ夢の途中
あの雲の向こうに 今 キミを連れ出したい

TRIP DANCER
辿り着いた誰かが 残していった旗に
群がるなんて 下品なしきたりさ

今いる世界が全てじゃない、そこに染まらずにもっと先にあるはずの場所に行こうと叫ぶんだ。

アナザーモーニング
扉の向こうには約束なんてない
でも行こう 生まれ変わる朝が来た

ライブのときのアナザーモーニングは、サビから入り一気にテンポを上げる。あれがたまらない。こうして書いていても体が揺れてしまう。
ちなみに、ライブと言えばノンフィクション。この曲の途中でMCに入るのは定番で。

「この話はノンフィクションである」

で、再開する流れマジ最高なのだ。

このところライブには行けてないままで。そりゃまぁ今の状況は仕方ないのだけど。
最後に行ったライブは金沢にいたときだ。

心細い慣れない土地でのライブハウスだったけど、不思議なものだ。

「久しぶりじゃないか」

こう言われたら、場所なんてどこだろうと関係ないんだなって、少し救われた気持ちになれた。

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人生を振り返るときに聴くなら間違いなくこの曲だ。

【ストレンジカメレオン】

完全にthe pillowsに魅せられたのはこれだ。

変わり者で、まわりに馴染まない変化をしない、奇妙なカメレオン。本当ならカメレオンは色を変えるでしょ?それなのに変わらないんだ。

デビューしてしばらくヒットに恵まれなかった彼らの反骨心の塊の様な曲。ボーカルの山中さわおが半ば強引に発表へとこぎつけた逸話は有名だ。
そして、この曲をつくったとき、さわおさんは死のうとしてたんじゃないか?と言う話も耳にしたことがある。それぐらいに彼らのありのままを凝縮させて想いを伝えるのがこの曲で。

そう、今でもスタンスは変えないままだ。

怒髪天の増子直純に言わせてみたら、
「妥協ナシ忖度ナシ甘えナシ。こんなバンドが30年も続くなんて奇跡だろ」だって。

この曲の前に発表された曲のときだけレコード会社が取ったタイアップに寄せたときに売れなくて、思い切り方向転換したのがストレンジカメレオンだった。

Mr.Childrenやスピッツ、ウルフルズなど同時期に出てきたバンドがヒットしていく中で、やはり彼らも売れたい(※自分には音楽の才能があると信じていたのもあるが)気持ちでやった結果だったから、その話からショックはうかがえる。
あくまでも自分自身の音楽信じて貫いて、他に埋もれず紛れず染まらずに。

ひたすらにただ不器用にまっすぐなロックを奏でて。

君といるのが好きで あとは ほとんど嫌いで
まわりの色に馴染まない 出来損ないのカメレオン
優しい歌を唄いたい 拍手は一人分でいいのさ
それは君の事だよ

たとえ世界がデタラメで タネも仕掛けもあって
生まれたままの色じゃ もうダメだって気付いても
逆立ちしても変わらない 滅びる覚悟はできてるのさ
僕はStrange Chameleon

恐いモノ知らずで 時代ははしゃぎまわり
僕と君のすごした ページは破り去られ
歴史には価値のない 化石の一つなるのさ
君と出会えて良かったな
ByeBye 僕はストレンジカメレオン


大袈裟なのかも知れない。

ただ局面にぶつかったり、もうダメだと思うときに《自分はどうしたい?》と考えるときにストレンジカメレオンを思い出す。
変わりたい、けど変わりたくない。
「自分は自分だ」って心で強く叫ぶことがある。たいして実力も人としての価値もないくせに譲りたくない自分を持っているから。

全ての人に理解されようなんて都合が良い話はないし、そうなることをどこか嘘くさく感じて僕は望まないから。
だからいいんだ。

理解して傍にいてくれるのは君だけでいい。

抱き合わせなんだろう 孤独と自由はいつも

一人じゃないならそれでいい。本当に寄り添ってくれる人がいればそれでいい。
こうして足掻いた時間なんて、世界から見たらちっぽけなもので、存在なんてすぐに忘れられるものだ。

だからこそ、君だけを好きでいるし、好きでいたいし、君と出会えて良かったなと思いたい。
そんなふうに誰かのことを大切にしたいと僕は強く思う。

もちろん自分自身を変化させることは大切と思っている。
ビジュアルとか、アクションプランとか、柔軟に時代を見ながら変えること。

だけど、人気者の列に並んだり、流行りを追いかけて自分を失いたくはない。
自分に向けたワガママだけど、信念みたいにそれは変えないままで、意地でも変わらないでいれる方がロックだよな。

僕にもロックな魂の欠片ぐらいあるからさ。

またライブハウスで遊んでくれよ、さわおさん、pillowsのみんな。

拳を突き上げて一緒に叫ばせてくれよ。

「アウイェー!」


また会える時を待ってるよ。
ByeByeなんて、まだまだずっと言わないからな。

pillowsの音楽をこれからも信じているから、ずっとついて行くからさ。

これからもヨロシクな。


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※このnoteは58回目として書き上げるつもりで、その後下書きに眠ったままのものを今回仕上げてみました。

#熟成下書き
#私の勝負曲

サポートして頂けるなんて本当に感激です。その気持ち、そのひと手間に心から感謝します( *´艸`) たくさんのnoteから見つけて下さりありがとうございます!!