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来年の手帳は念願のスリムサイズPaperblanks

あれよあれよという間にクリスマス。noteでも12月15日までの集計ページが用意され、世間の雰囲気はいよいよ年の瀬ムードになってきた。

今年のよく読まれた記事がとっても意外。古い記事がおおいので、ほとんど検索結果からのアクセスなのではないかな。ペリドットの記事は一時期アクセスが急増したので別要因かとは思うけれど。

わたしの勤務先は米国が本部なのだけど、この時期(先月の感謝祭以降年末まで)はなんだか”お疲れ様モード”になってしまってなかなか予定通りに仕事が進まない。日本時間で深夜におこなわれる会議でも、誰々さんが休暇なのでキャンセル・・・というのが頻発する。深夜にスタンバイしていたこちらとしてはたまったもんじゃないけど、10年目ともなると慣れてしまいこの時期の風物詩になった。

さて、一昨年の11月にわたしはスケジュール帳についての記事を書いていた。

これだけいろいろデジタル化している世の中にあって、あえて時代に逆行するように使い続けているアナログの手帳。とりわけペーパーブランクス(Paperblanks)社の重厚な装丁のものが定着している。

このときに書いていたように、わたしはもともとスリムサイズが気に入っていた。しかし国内向けのものがなくなり、やむなく海外版を買うようになっていた。

そのことをツイートしたら、同社の公式アカウントさんから翌年は英語版スリムサイズを販売する旨の心強い回答をいただいていた。

ところが。そんな期待に反して、昨年も国内での海外版スリムサイズの取り扱いはなし。それどころか海外のラインナップからもスリムサイズの手帳自体が消滅してしまっていた。

きっと日本の公式さんは同社のオンラインショップで海外版を取り扱うことを想定してツイートされたのだろう。しかしその海外版からもスリムサイズがなくなったのでは、さすがに約束を実現するのは不可能だ。

日本の担当者さんはあのようにツイートされていたのに、この展開はさぞかし無念だったことだろう。なんとなく同情してしまって、昨年わたしはひそかに国内向けラインナップのミディサイズを買った。noteでもほかのソーシャルメディアでもペーパーブランクスの手帳についての言及はしないままだった。

そして今年の秋。いつものようにペーパーブランクス社のウェブサイトにアクセスした。すると・・・

Paperblanksオンラインショップのスクリーンショット

え?! まさかの公式オンラインショップ閉店のお知らせ。

昨今のデジタル化の波には勝てないか。いや、世界的なコスト高でできるところからコスト削減をやっているということか。

閉鎖のお知らせページにあるリンク先にはいくつかのネットショップがリストされている。やむなくそのリンクを辿って適当に選んで注文することにした。

Amazonの検索画面のスクリーンショット

驚いたことに、Amazon内のペーパーブランクスのページではサイズの選択肢にミニとスリムがあり(ちょっと大きなミディサイズはなし)、英語版ながら6種類から選べる状態だった。

公式サイトの製品ラインナップにはスリムサイズが出てこないのにどうして?!

とにかく買えるうちに買わなくては。結局、来年用にはこの検索結果のトップに出てきたブルーベルベットというデザインのものを注文した。

左:今年のミディサイズの手帳 右:来年用に買ったスリムサイズの手帳

もしかして、昨年もこんな形でスリムサイズの販売がされていたのかもしれない。わたしが気づかなかっただけで。だとしたらTwitterで約束してくれた担当のかたの計らいで実現していたのかもしれない。

今更ながら、ありがとう公式さん。2年越しだけど、スリムサイズが買えました。

せっかくなので、わたしが気に入っているこのスリムサイズ手帳の中身を紹介する。これを機にスリムサイズが人気商品になってくれると嬉しいなぁ。

左上:前半にあるマンスリー部分。横使いのレイアウトが見やすい。英語版なので日本の祝日を手書きでくわえた。右:ウィークリーレイアウト。自由記載欄がそれなりにあるので予定もメモも書きやすい。左下:ポケット付きの見返し部分。そのポケットに収まるように別冊のアドレス帳が用意されている。

写真のキャプションに書いたように、別冊のアドレス帳がついているのだけど、アドレス帳の情報はパソコンやスマホにあるのでわたしは使っていない。これ、まったくの白紙ノートだったらもっと使い出があっただろう。

あと、ペーパーブランクスの代名詞になっている(ロゴマークのPの形に注目)斜めカットの栞が2本ついているのはとても便利。

そしてこのデザインのブルーベルベットについて、公式サイトより引用しておく。

本装丁は、15世紀に作られたベルベット地のダルマティカ(カトリックの司祭服)にインスピレーションを得て生まれました。七つの切れ目の入った盾の中に、チョウセンアザミのような植物のパターンが配され、両側には小さな花の模様があしらわれています。これらの模様はすべて金糸刺繍によるものです。たいへんな手間と費用のかかる手作業によって、このようなルネッサンス期の貴重なベルベット生地が生み出されることとなりました。

公式サイトの商品説明より

公式サイトにあった動画も共有。おなじデザインで揃えるのもカッコイイな。

10月に米国に出張した際、以前よくそうしていたようにペーパーブランクス社の手帳が売られていないかどうかをチェックした。文具店や書店にはよく同社製品専用のスタンドがある。

時期的にはギリギリ翌年のプランナーが出るかどうかというったタイミング。そのせいかこの手帳は見つけられなかったのだけど、小さな手帳を見つけたので買っておいた。

ソフトカバーのFLEXISシリーズのノート。テーマはビート文学の金字塔『On the Road』。

この手帳のデザインはジャック・ケルアックの小説『On the Road』がモチーフになっている。邦題は『路上』。

わたしがトム・ウェイツの大ファンなのは今までにも何度か書いてきたとおり。そのトムに絶大な影響を与えたひとりがこのジャック・ケルアックだ。おそらく多くのトム・ウェイツのファンたちと同様に、わたしもケルアックの小説、ビート・ジェネレーションの作品を読んだ。

はじめは邦訳を、そして独特の文体を確かめるべく洋書のペーパーバックも読んだ。中毒性のあるリズム感の散文詩のようなスピーディな文体は、ジャズだ。トム・ウェイツだけでなくボブ・ディランやジム・モリソン、パティ・スミスなどのミュージシャンに影響を与えたのも頷ける。

このペーパーブランクスの手帳の裏表紙にはケルアックの筆跡で作品の草稿がデザインされている。これを買わずに帰国できるわけがないではないか。

裏表紙と見返し部分。On the Roadのペーパーバックといっしょに。

なおこの手帳はFLEXISというソフトカバーのラインナップ。ソフトカバーなので実用的なのも良い。小口(天地ふくむ)のドット柄の加工も良い。

おそらく無関係だけどバディ・ガイとかブルースマンがドット柄をよく着ているので、南部のブルースを連想してしまう。

ジャック・ケルアックは自身の小説の一部や詩に節をつけて録音していた。いくつもYou Tubeで聴けるのはとてもありがたい。脱線ついでにケルアック自身が歌うOn the Roadの一部を貼っておく。

最後は余談が過ぎてしまったけど、このように来年用の手帳は久しぶりにスリムサイズを使う予定。さらにOn the Roadの手帳も仕事で使う予定。

国内も国外もいろいろと不穏なことが続いているけれど、路上ヽヽに放り出されてもやっていけるように、いや、そんなことにならないように、願いを込めて。

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