Fly Me to the Moon by Tony Bennett
先々月にRollin’ and Tumblin’について投稿した直後、トニー・ベネットが96歳で亡くなったとの訃報を目にした。それ以来あの素敵な歌声を聴きなおそうとCDを探すも、ビル・エヴァンスと組んだ2枚しか出てこない。どうやらわたしはラジオとかネット配信を通してトニーの歌声を聴いていたようだ。
そうだ、名古屋のメガネ屋さんでもかけてもらって、トニー・ベネットばりの声量の日本の歌手を教えてもらったのに、誰だったか忘れてしまったんだった、なんてことをつらつら思い出す。なにかと身近な歌手だったんだな。
世界中が引きこもっていた2020年。かのトニー様は自宅でFly Me to the Moon (In Other Words)をのびのびと歌う様子を公開した。卒寿を超えてなおこの声量!その溌剌とした様子はアルツハイマー病を患っているとは思えない。
この曲は、「月が綺麗ですね」を知る日本人にとっては、In other wordsで言い直したら台無しやんか〜ってなる曲で、英語世界らしく言語化して伝えるのには味気なさを感じてしまう。しかし高齢の大歌手がのびのびと歌うと、それがかえってストレートで気持ちがいいと思えるから不思議だ。
いつまでも健在だと思っていたけど、やはり高齢。訃報を聞いて、そうかそんな歳だったのかと改めて気がついた。心をサンフランシスコに残して旅立ったトニー・ベネット。もうすぐ仲秋の名月。やっぱり行き先は月だろう。そうに違いない。
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