『N響ザ・レジェンド』の特集「NHKホール落成(1973年)」が伝える「NHKホールの成長」

昨夜は、19時20分から21時までNHK FMで『N響ザ・レジェンド』を鑑賞しました。

今回は「NHKホール落成(1973年)」と題し、2021年3月から2022年6月までの予定で改修工事のため休館するNHKホールを特集し、会場が開館した1973年に演奏された4曲が紹介されました。

取り上げられたのは、「新NHKホール落成記念公演」として6月23日に行われた、ウォルフガング・サヴァリッシュの指揮によるワーグナーの楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より第1幕への前奏曲、9月8日の「NHKホール落成記念公演」における、オリヴィエ―ロ・デ・ファブリツィースの指揮によるヴェルディの歌劇『アイーダ』第2幕第2場「凱旋の場」、11月17日の第615回定期公演でのギュンター・ヴィッヒの指揮するレーガーの『モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ』、そしてロヴロ・フォン・マタチッチが12月14日の第618回定期公演で指揮したヤナーチェクのシンフォニエッタでした。

いずれも充実した演奏ながら、とりわけワーグナーはヴォルフガング・サヴァリッシュの明晰で力強い音楽作りがNHK交響楽団の新しい本拠地の完成を祝うにふさわしい仕上がりとなっていました。

NHKホールは改修工事が終了した後の2023年には、開館50周年を迎えます。

当初は「紅白用の会場」などと評され、交響管弦楽の演奏会場としては必ずしも高く評価されなかったNHKホールではあるものの、今ではこうした世評は影を潜めています。

このような評価の変化は、ひとえにNHK交響楽団が本拠地として定期公演を重ねた結果であり、これからもよりよい演奏会場としてさらに成長することが願われるところです。

それとともに、こうして一つの演奏会場の落成に焦点を当てた番組が制作されるのも、『N響ザ・レジェンド』ならではであると実感された次第です。

<Executive Summary>
"NHK Symphony Orchestra the Legend" Emphasises Meanings of a Hall for an Orchestra (Yusuke Suzumura)

A radio program of the NHK-FM entitled with "NHK Symphony Orchestra the Legend" was on the air on 6th March 2021. In this time title of the programme was "The Opening of the NHK Hall" and four records to celebrate the opening of the hall were broadcasted.

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