都知事選に立候補した蓮舫氏がなすべきことは何か

去る5月27日(月)、立憲民主党の蓮舫参議院議員が7月7日(日)に投開票される東京都知事選挙への立候補を表明しました。

参議院東京都選挙区から選出され、立憲民主党の東京都選出の国会議員の中でも高い知名度を持つのが蓮舫氏です。

今年4月28日(日)に行われた衆議院東京都第15区の補欠選挙で自らが支援する酒井菜摘候補が当選したり、5月26日(日)に失効された東京都議会議員目黒区選挙区の補欠選挙でも立憲民主党の西崎翔候補の当選に貢献するなど、直近の選挙の成果を考えれば、蓮舫氏が自らの集票力に自信を持ったとしても不思議ではありません。

また、現職の小池百合子都知事は同じ衆議院東京都第15区や都議会目黒区選挙区の補欠選挙に加え、4月21日(日)の目黒区長選挙でも支援する候補者が落選するなど、以前に比べて都内での各種選挙での成果が伸び悩んでいることが分かります。

かつては小池氏の推薦が当選への近道であるという時期もあったことを考えれば、その勢力が体調の傾向を示していると言えるかも知れません。

このように考えれば、蓮舫氏が今回の都知事選挙への立候補を証明したことは、相応の結果を予測した上でのことと言えるでしょう。

一方、かねてから衆議院への転身の意向を示していた蓮舫氏だけに、都知事選挙への立候補は意外に思われるものでもあります。

ただし、5月26日の静岡県知事選挙で自民党が推薦した大村慎一候補が落選したことを含め、岸田文雄首相が衆議院を早期に解散する可能性が低下したと考えるなら、もし蓮舫氏が都知事選に当選できなかったとしてもその後の総選挙に出馬することが選択肢になり得ることになります。

実際、一部では衆議院の定数の10増10減に伴い東京都選挙区に新設された第26区について立憲民主党が候補者を決定していないことを挙げ、蓮舫氏には都知事選に落選しても総選挙への立候補があるという指摘がなされています[1]。

確かに、都知事選と総選挙の時期が異なるなら、2つの選挙に立候補することは可能です。

しかし、東京都第26区では公認の問題から立憲民主党を離党した無所属の松原仁衆議院議員が昨年7月頃から選挙区内を丹念に回るとともに、選挙区内の駅頭でも定期的に辻立ちを行うなど、有権者に対する知名度の浸透を着実に行っています。

こうした状況は、たとえ蓮舫氏の知名度が高いとしても実際の総選挙では他の候補に及ばない可能性を推察させます。

何より、都知事選に当選しない場合に総選挙に出馬するということになれば、実際に選挙活動に携わる各党の都議会議員や市区町村議会議員が都知事選への当選の意欲を低下させることになりかねません。

あるいは、蓮舫氏が次の選挙を視野に入れながら目の前の選挙活動を行う場合、地方議員の選挙活動が鈍化することもあり得ます。

それだけに、蓮舫氏にとって重要なのは、都知事選の結果いかんでは総選挙への立候補もあり得るという周囲の憶測を明確に否定し、全力で都知事選挙選挙に臨むという基本的な姿なのです。

後のある選挙での勝利は、たとえ誰であっても容易ではないのです。

[1]立民・蓮舫氏 都知事選に出馬表明. 日本経済新聞, 2024年5月28日朝刊4面.

<Executive Summary>
What Is the Meaning of the Tokyo Governer Election of 2024? (Yusuke Suzumura)

On 27th MAy, 2024 House of Councilor Renho of the Constitutional Politics Party of Japan announced to enter the camparing of the Tokyo Governor Eloection. On this ocasion, we examine some problem for Councioor Renho to complete the campaign.

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