青山フィルハーモニー管弦楽団練習会

本日は、インスタグラムの「インスタライブ」で、青山フィルハーモニー管弦楽団の練習会の様子を視聴しました。

今回の練習会は、青フィルが今年5月5日(水、祝)に杉並公会堂で開催を予定していた第36回定期演奏会が東京都を対象とする緊急事態宣言の発令に伴い中止となったことを受けて行われたものです。

会場は青山高校の体育館で、定期演奏会で取り上げる予定であったシベリウスの交響曲第2番、オッフェンバックの喜歌劇『天国と地獄』序曲より抜粋、そして2020年度の青フィルの年間曲であるスッペの喜歌劇『軽騎兵』序曲が演奏されました。

前半のオッフェンバックとスッペは「通俗名曲」の代表的な作品ながら、印象的な主旋律だけでなく伴奏にも注意深く目を向けた丁寧な演奏となっており、こうした手堅さがかえって音楽の持つ軽やかさを際立たせました。

また、後半のシベリウスは劇的な展開と堅牢な構成力を持つ作品の特長をよく押さえた輪郭の鮮やかな演奏で、特に第3楽章から第4楽章への推移というこの曲の難所の一つを滞りなく進め、金管楽器が存在感を発揮したことで、音楽に一層の活力が与えられました。

アンコールとして再度取り上げられたオッフェンバックも含め、新型コロナウイルス感染症の拡大により1年間を通して十分に練習を行う機会がないばかりでなく、外苑祭コンサートや地区音、中音といった演奏の場も全国高等学校オーケストラフェスタを除いて中止を余儀なくされたのが、2020年度の青フィルでした。

その様な、いわば1970年の発足以来最も困難な状況に直面したと言ってよい青フィルの皆さんが、様々な制約の中で最大限の努力を積み重ね、最終的に練習会という形で1年間の活動を終えられたのは、実に重要なことです。

もちろん、教職員の皆さんの理解や保護者の支援などがなければ、今回の練習会は実現しませんでした。

しかし、それ以上に、青フィルの部員の皆さん一人ひとりの地道な活動があるからこそ、演奏を公開する機会が現実のものとなったことも疑い得ないところです。

その意味で、今回の練習会は文字通り青フィルの皆さんの日々の取り組みの集大成となったと言えるでしょう。

<Executive Summary>
The Aoyama Philharmonic Orchestra Rehearsal for the 36th Regular Concert (Yusuke Suzumura)

The Aoyama Philharmonic Orchestra (APO) held the Rehearsal for the 36th Regular Concert at the Sports Hall of the Tokyo Metropolitan Aoyama High School on 24th April 2021. It is the alternative opportunity for the APO, since the 36th Regular Concert is cancelled by the reason of the Declaration of the State of Emergency.

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