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はじめてリーダーになった時・新しいチームのリーダーになった時、採用を上手くいかせるにはステップがある。

新しくリーダーになったみんなのチームでの採用が中々、上手くいかない、スローに感じることがよくある。もちろんそれは「これまでやってきたリーダーの板についた採用」と比べるとそうなってしまうでしょう。採用だけではなく、新任リーダーは色々な新しいことを乗り越えていかなければならないのだが、「板につくまで」のプロセスが見えないと、手探りでずっとやっていくことになってしまいます。これだと遅くなるので、プロセスを整理して書いてみました。

※前提として、これはユーザベースの事例で、チームリーダーが新しく(はじめてリーダーになる・若しくは他チームからリーダーとして異動してきたケース)、最終面接官が役員の場合のケースです。

課題の全体像はこんな感じです。

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つまり新しい事をやるので、どうしても手戻りが多くなります。手戻りを繰り返しながら精度が上がっていくのだが、その分時間軸が長くなる。そうすると事業計画通りの採用ができなくなっていくという事になってしまいます。

そこで、リーダーとリクルーターが歩む8つのステップを書いてみます。
①採用に割く時間に対するプライオリティを合わせる。
②自分が何が欲しいかを明確にする。
③組織として欲しいものが明確か、深く理解しているかを確認する。
④マーケットを知るプロセスを踏めるようにする。
⑤レジュメの読み方を鍛える。
⑥面接で「自分の欲しい」を見極めるスキルを身につける。
⑦面接で「組織の欲しい」を見極めるスキルを身につける。
⑧選考フローとフロー毎の役割を明確にする。

①採用に割く時間に対するプライオリティを合わせる。

新任リーダーは採用だけではなく全てのキャッチアップに忙しいです。なので先に採用定例ミーティングの重要性を先にかみ砕いておきたいと思います。

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一番初めの手戻りポイントである書類選考の通過率を基準に考えます。書類選考通過率があがってきたらミーティングの頻度を下げてもよいが、そこがすり合っていない状態でミーティングをスキップすると採用できない可能性が増します。
この採用できない可能性が、「3ヵ月後」に起こるという事が肝な訳です。

採用は施策が1日遅れると、プロセスが1週間遅れ、結果が1ヵ月遅れます。なので、今この瞬間のミーティングは大事なのです。ただそれは目線さえすり合えば頻度は減らしていくことができます。

ちなみに今回は採用定例にフォーカスしましたが、これは書類選考、面接フィードバックなど全てのプロセスに同じことが言えます。今日の面接の結果を明日書く、時間がないから書類選考の結果をYes or Noだけ伝える(理由がわからない)、これだけで施策が1日遅れます。結果は言わずもがなですね。

②自分が何が欲しいかを明確にする。

手戻りあるあるで「書類見ると、なんか違う気がする」というコメントです。これは応募してくださる候補者さんにも、繋いでくださるエージェントさんやリクルーターの皆にも申し訳ない。この手戻りをなくすために、まずは自分が何を欲しいかを明確にする必要があります。

つまり自分が大切にしている価値観を掘り起こし、言語化し、共有し、質問を受け、広く理解してもらうというプロセスが必要なのです。ユーザベースでは、「自己認識」と呼んでいますが、採用に関わる時点でこの自己認識をもう一歩高める必要があります。つまり、自分に対する認識だけではなく、自分が他人に求める認識まで理解する必要がでてきます。

その為に、自分のスタイルにあった思考方法で考えるステップを必ず踏んでほしいと思います。自分で考えて、HRやリクルーター、周りのメンバーと壁打ちするのもいいし、はじめから誰かと壁打ちして深掘っていってもいいと思います。過去の自分を振り返る、今の自分を見て見る、喜怒哀楽のあった事象を思い出す、そこでなぜその感情になったかを考えてみる、その感情を言葉にすると何かを考えてみる、といった事ができます。

例えば、同僚がした何かの行動に怒りを覚えてことはないか?みんながやりたがらないのに自分がやった事は何か?なぜそれをやったのか?等を自らに問うてみるとよいでしょう。

もちろんはじめから完璧にではなく、ステージを行ったり来たりしながら常に自分が大切にしているものを明確にしていきます。ただ下記の手戻りステージの前により深く考える、なるべく初期ステージの間にそれがどれだけできるかがとても重要です。

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③組織として欲しいものが明確か、深く理解しているかを確認する。

組織には色々なレイヤーがあります。ユーザベースでいうと、ユーザベースという会社、Company、Division、Team。このそれぞれの欲しいもの一つ一つが大切です。リーダーになるまでは、組織が大切にするものを別の形(研修など)で聞いていたかもしれませんが、採用に関わるようになるとここをもう一段深く理解することが必要になってきます。

ユーザベースレベルでの整理

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ユーザベースには色々な組織体がありますが、例えば、SaaS Companyという組織体では、上記をもう少しかみ砕き、下記のようなメモをみんなで共有しています。ユーザベースの資料をよりかみ砕いたもの + その他の重要な要素を入れています。

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これがDivision、Teamとおりていくと、それぞれの求めるものがでてくると思います。基礎は同じ、だけどそれを体現する場面が職種によって異なったりするので、それにあわせた言語化が必要になってきます。

ここで重要なのは、上記のようなものが、①すべてのレイヤーにおいてあるかどうか、ということと②深く理解しているかということ両方です。
①を作っていくのは組織のDNAを作っていくことと同じです。会社組織など大きな組織レベルのものだけではなく、チームレベルでのそれを言語化は必ずやりましょう。
リクルーターはそれを支援することにより、採用を加速させることができます。

難しいのは②です。リーダーがよいと思った候補者が役員面接で「全くオープンに話せない」となってしまうなどの手戻りは、新任リーダーなら誰しも経験することではないでしょうか。自分の面接ではオープンだったのに、なぜだろう…?これはオープンというものの理解が役員と新任リーダーの間で乖離がある場合とそのオープンさを引き出すスキルに差がある場合があります。後者は後程説明しますが、理解の乖離がある場合は、早々に解消しなければなりません。
そこで参考になるのが、過去の面接のフィードバックです。リーダーになって面接する機会が来た時には、過去の様々な人のフィードバックを沢山読み込み、具体的に理解すること、わからなければ、その価値観を最も体現していると思う人と話し、「オープンコミュニケーションとは何か?」「オープンコミュニケーションが出来ないとは何か?」が大切です。

最後に大事なのは、面接後のフィードバックがリーダーとずれた場合。これはユーザベースでは必ずやっていますが、全ての面接官とリクルーターが集まって具体的な質問や発言を共有しながらすり合わせます。ここでなるべく守りたいのは、なるべくその日中にやる(忘れます)、全員がいる場でやる(1人でも抜けると意味がないです。それがCEOであっても同じです。)

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④マーケットを知るプロセスを踏む。

よーしリーダーになったし採用枠ももらったし、採用するぞ!と意気込み、リクルーターとのミーティングをする。

「SaaSのカスタマーサクセスの経験が7年位ある人が欲しい!来月には採用したいので、今月中でなるべく多く面接したい、10人は会いたいな~。」

ちょっと極端な例ですが、こんな会話したこと、されたことありませんか?採用にはポジション毎にマーケット対比の難しさがあります。ただそれって採用マーケットにでていないと中々わからない。このマーケットとリーダーの間を繋ぐのがリクルーターの役割でもあります。なのでリクルーターからマーケットの状況によって、採用難易度を伝えて、それに応じた行動プランを作る。

だけど、リクルーターから聞くだけで全てがわかるわけではないのもあります。なので半信半疑、楽観的に行動する。2週間、1ヵ月経つと、どんどん、あれ難しいぞ?って事に気がついて来る。ここで手戻りが起こります。この手戻りを起こさない為には、リクルーターからのマーケット情報共有だけではなく、外部のリクルーターにも直接会う、と言うのをなるはやでやることをおススメします。リクルーターの人は、そのマーケットに最も詳しいであろうエージェント2-3人とのミーティングをセットするとよいでしょう。

その際のミーティングのポイントはこんな感じです。

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⑤レジュメの読み方を鍛える。

世の中にどんな会社があって、どんなポジションがあって、どんなタイトルがあって、転職回数が何回位だったら、どういう風に読めばよくて、等等、レジュメって読み方が簡単なようで難しいのです。

採用をずっとやってきているリーダーやリクルーターならレジュメで判断できることも、新任リーダーなら難しいこともよくありますよね。そうすると面接する、通過する、次の面接官に行く、落ちる、「書類でわからなかった?」ということになり、手戻りしてしまいます。

だけど、レジュメを読む力はすぐには身につかない。なので、レジュメで見るべきポイントを事前にリクルーターとすり合わせる。そこで経験豊富な人にも、レジュメで見るポイントをヒアリングするということは必ずやりましょう。

レジュメの読み方は面接数と比例してあがっていきますので、面接で学んだマーケット情報を流さずに、下記のようなポイントを意識して言語化し、次につなげられるようにしていきましょう。

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⑥面接で「自分の欲しい」を見極めるスキルを身につける。
大切にしていることは明確なんだけど、それを持っている候補者かどうかを見極めるのはすごく難しいです。面接はスキルです。ユーザベースでも面接研修など用意していますし、皆さんに受けて頂いています。ただそれだけで面接ができるようになるわけではありません。

なのでここでお伝えしたいのは、パターンを作り、パターンを沢山持つということです。

大切にしたいこと並べて書いてみて
それを確認するための質問と質問のフローを考えてみる

ということは是非していただきたいです。
ただ、面接で一つの質問で、知りたい事を知りきれることはありません。
なので、いかに本質にたどりつけるか?マジッククエスチョン!があります。

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英語で言うと、Interesting! Could you tell me more?です。

これだけです。
まだ本質に迫れていないなと思ったら、色々考えず、いろんな角度から質問攻めをやめて、この質問をしてください。


⑦面接で「組織の欲しい」を見極めるスキルを身につける。

よい候補者だと思ったのに、役員面接で落ちる。これもスキルの差です。そのスキルは経験値の差です。だから沢山面接しましょう!では、時間がかかります。
なので、新任リーダーの人は役員の面接同席をしましょう。リクルーターの方はそれをプロセスにしましょう。最低5回。1人の役員でなくても、色々な役員の面接に同席するとよいでしょう。
そして、面接後、その役員と対話しましょう。
今の面接の評価、感想、ポイントを聞いてみましょう。

これは役員の面接で確認するポイントを、新任リーダーが先に確認できるようになる為ではありません。役員には役員の役割があって、その役割で確認すべきことがあります。大事なのは、そのエッセンスを感じる事、そしてスキルを学び自分の武器にまで昇華させることです。

⑧選考フローとフロー毎の役割を明確にする。

選考フローは何よりも大切です。何回面接をやり、どの面接で、誰が、何をやるのか?ここの定義はリーダーになったら、これまでのやり方に関わらず見返しましょう。

例えば、こんなものです。

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ビジョンに共感してもらうことというのは何をするにしても仲間になる為にはすごく重要な要素です。ただし、偶然にも同じようなビジョンを持っている人に出会う確率はとても低いです。例え面接で、「ビジョンに共感しています」となってもそれは、表層的なものな可能性が高いです。なので、こちらのビジョンをまずきちんと語る、理解してもらう、そして面接のプロセスを通して候補者の方がそれを昇華し、自分の人生のミッションに重ね合わせることができるか?というところがポイントです。

もう一つのポイントは他の誰かに面接をしてもらう事です。リーダーやもっと言えばリクルーターは採用をしたい!というバイアスがあります。このバイアスなしにフェアに評価することのできる第3者が面接に入ることがとても重要です。ユーザベースの場合は、Value面接という形でその時間を確保しています。


リーダーになるとこんなメンタルサイクルがまわり始めます。これは自然なステップであると同時に、手戻り曲線への布石でもあります。なので、8つのステップを意識しながら、焦らずにステップごとに最適なステークホルダーに相談しながら進めていくとよいでしょう。

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