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2024年は、ゲーム『Hookah Haze』が間違いなく来る。そしてインディゲームの新たなブレイクスルーになる(かもしれない)

シーシャ屋を営み、心にトラウマを抱えた女の子達の本心に触れていく……。
そんなコンセプトのゲーム『Hookah Haze』
間違いなく今年はこのゲームがバズります。そう感じました。

きっかけは、昨日、2024年4月20日に公開された、このゲームの主題歌「Hookah, whoo!」のMV。

藍月なくるさん(歌)、DECO*27さん(サウンドプロデュース・作詞)、tepeさん(作曲・編曲)の3名による、キャッチーであり、中毒性のある楽曲が本当に魅力的。楽曲として今年No.1ゲームソングになる可能性が高いと思います。
そして何よりこのMVの力の入りまくったビジュアル。
間違いなくブームが来ると感じました。

ゲームはどうやら『VA-11 Hall A』や『コーヒートーク』的なもののよう。
お客さんの女の子の求めるシーシャを、リクエストに応じて提供するのがシステムっぽいですね。

画面の割り方もおしゃれ。こういう、ひとつの画面に漫画のコマのように複数情報が複数表示されているゲーム、シルバー事件の頃から好きです。

ドット絵のビジュアルも最高。特に女の子が異様な可愛さです。MVを見てもわかる通り、表情も非常に豊か。
キャラクターに物凄く力入ってますね。

そして個人的に、主題歌MVを見て思い出したのが『Needy Girl Overdose』、特に主題歌の「INTERNET OVERDOSE」です。

どちらからもピンク~パープルみの印象を受けたのと、全体的な演出の眩しさ・派手さと情報量の多さ。また、「ぴえんの絵文字」がどちらのMVにも使われていることから、双方のゲームをベン図にしたときに、重なる部分は間違いなくあるのではないかと考えます。

Xのアカウントがあるあたりも超てんちゃんを思い出す



ここからは完全に妄想なのですが、おそらくはNeedy Girl Overdoseの成功から影響を受け、またはそのようなゲームを作るのが、Hookah Hazeの根底に最低でも数パーセントはある気がします。
というのも、一般的なインディーゲームであれば「作者の方は可愛い女の子が出てくるゲームとドット絵、シーシャにこだわりがある」のかなと思います。インディーゲームは、そういったコンセプト重視のところが強く、またそれが魅力であると感じています。
一体どんなチームが開発したのかな……と調べていくと、そこには
「販売 株式会社アニプレックス」
「企画・開発 株式会社アクワイア」

の文字。えっ、知ってる有名会社!


そもそもHookah Hazeを初めて知ったのは、INDIE LIVE EXPO Winter 2023 Day1。ここで、時間をかけて大きく発表されていました。
このINDIE LIVE EXPO、ほとんどのゲームは僅か数秒の紹介のみ、どんどん紙芝居のように次のゲーム次のゲームと移り変わっていきますが、Hookah Hazeは数分かけて、PVとゲーム内容の紹介がなされていました。

インディーゲーム紹介イベントでの公開ということで、すっかりどこかの小さいスタジオが作ったんだと思っていましたが、実は実績のあるアクワイアが開発であのアニプレックスが販売なら、そりゃあ間違いないプロモーションなわけです。
(一方で、果たしてこれはインディーゲームなのか? という論争が起きそうな気がしないでもないですが……)
おそらく、コミカライズやアニメ展開、グッズ化などメディアミックスも視野に入れたプロモーションだと思いますし、その第一弾としてのMV発表のように思えます。

先ほどの話に戻りますが、「NEEDY GIRL OVERDOSE」のようなゲームを作るというのが、いくばくかは根底にあると感じました。
それは、関わっているのがアニプレックスとアクワイアということ、つまりどこかの個人やインディー開発チームではないということから、クリエイターの強い気持ちというよりはより「ビジネス的な部分」「売れるゲームを作ること」をふんわり感じたからです。(それが悪いというわけでは全くありません、むしろ事業を継続するという意味では極めて健全)

もちろんこれは私の妄想で偏見なのですが、NEEDY GIRL OVERDOSEが成功したので、コンセプトとしてそこに寄せたものとして制作されたのかも……という気持ちに少しだけなりました。もしかするとかなり計算された作品なのかもしれません。
その結果出来上がったゲーム、Hookah Haze。それってめちゃくちゃプレイするの楽しみじゃないですか?

有名な会社が、インディー的なゲームに本気で取り掛かってきた。
正直、Hookah Hazeの「シーシャ」という部分もなかなかに取り扱い注意なテーマであると思います。この現代、(水)タバコをテーマにしたゲームが出て、しかもそれを若い女の子(20歳以上と注意書きはありますが)が吸うというのは、ややリスキーであり、世間の反発を招く可能性もあるかと思います。

そのあたりの、いわゆる世間からの反発というリスクを抱えてもゲームとして発売し、成功したのがNEEDY GIRL OVERDOSE。ある意味カジュアルに行われた「クスリ」、「オーバードーズ」、「精神疾患」の描写は、物議を醸しました。

なぜこういう尖ったゲームがインディーゲームから発売されたかと言えば、当然歴史があり多くの社員を抱えた会社はこのリスクを許容できないからです。当たり前です。そんな爆弾を抱えた企画、リスクを考えて却下されるのが普通でしょう。
ところがHookah Hazeは、未成年不可のシーシャをかなりカジュアルな嗜好品として描写しているように見えます。どこかの小さい開発チームが出したのならまだしも、歴史ある会社が、このようなややリスクがあるテーマで堂々としているのは、見ていて気持ちよく、いちゲーマーとして今後のゲーム業界の発展の大きな一歩であるようにも感じました。

インディーゲームに大手が介入してくる、それはインディーゲームの盛り上がりに比例して遅かれ早かれ実行されたことでしょう。当然それにより、DAVE THE DIVER的なことにもなるかもしれませんが、しかしもう変化は止まることは無いと思います。

今後様々意見は出てくるかと思いますが、ひとりのユーザーとしては、より冒険的で挑戦的なゲームが出てくるかと思うと楽しみで仕方がありません。
大手ではできなかったことが出来るのがインディーのひとつの魅力であると思いますが、ではそのインディーの哲学に逆に大手の資本と技術が入ったらどうなるのか……。それはやはりどこか守りに入った陳腐なものになってしまうのか、それともゲーム業界にとってブレイクスルーとなるのか。
2024年、大事な年になりそうです。

Hookah Hazeはきっとここから、大々的な展開をしていくのだろうと考えると、楽しみです。
そしてゲームをプレイしてみて、その面白さを体験することが、ある意味で今後のインディゲームを占う指標になるかもしれません。
発売は2024年内。
発売日に買って、また感想を書いてみたいと思います。


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