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自分のために (想い出の山梨暮らし Week 3)

山梨ひとり暮らし当時の記録。
今回はゴールデンウィークが明けた第3週目。
時代は、コロナの真っ只中であった2021年です。

第2週目はこちらから↓

ご時世的にあまり大きな声では言えないけれど、このゴールデンウィークは一旦山梨を離れ、毎日東京で過ごしていた。

実家にいたとて特に何をするでもなく、結局どこにも行かなかったけれど。

連休前に課長から「東京帰ってもいいけどさ、友だちと集まったり、ウロウロ飲み歩いたりするなよ?」と言われたけれど、僕の友だちのいなさを舐めないでほしい。

集まれるほどの数の友だちなどいない。
そして、飲み歩くほどお酒も好きではない。

連休が明け、山梨暮らしモードに切り替えられるか少し心配だったけれど、なんだか1日が終わるのが速く感じるような気がした。

これは成長かもしれない。
ようやく暮らしに慣れてきたのかもしれない。

前回「山梨へ来てから、音楽をやりたい気持ちが溢れてきた」というようなことを書いた。

やっぱり僕は音楽が好きなんだ。
というのは今のフルタイムのデスクワークがしんどいからではなくて、環境を思いきり変えたことでやっと見えた本心なのか。

いや、デスクワークがしんどいという気持ちは、正直もちろんあるけれど。

2020年の後半くらいから、僕は誰のための音楽を何のためにやればいいのかがわからなくなっていた。

編曲をお願いしてきてくれた音楽仲間のためなのか、僕が作った曲を歌ってくれる人のためなのか、それともその間に入っている大人の人に認めてもらうためなのか。

でもここまで数日間の新生活を経て、はっきりした。
全部、自分のためでいいじゃない。

自分のために、自分が思うように、音楽をやりたい。

この暮らしをしてみて、音楽との距離感は以前とは変わった。
だからこそ「朝はこんな曲が聴きたい」だとか「夜はあんな曲がいい」だとか「こういう日は、こんな音や言葉がほしいんだ」というのがわかってきたような気がする。

だからもう、あとはそれを作るだけ。
それはただ自分だけのために。

でも自分のために作ったものが、回り回って誰かのためにもなるという確信もある。
こんなものは、今まで抱いたことがなかった。

山梨暮らしによって、自分の中の音楽性はたぶん良い方向に変わっていくと思う。

その上、今は安定した収入も得られるのだから、良いことしかない。
デスクワークも悪くない。

僕が東京を離れて山梨に来た理由は「音楽をお休みしてみる」だと思っていたけれど、それは全然違ったみたい。

僕は山梨に、音楽を作りに来た。

(2021年5月7日) 

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