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オレンジの記憶(歌詞)

この曲は私の曲の中では珍しく、自分の実体験を丸々書いたものだ。聴いた方にもそれが伝わるのか、よく"温度感がある""生々しい"と言っていただく。語るのは少し恥ずかしいけれど、せっかくなので残しておこうと思う。


学生の頃、好きな人が居た。
1つ年下の人。
いわゆるクズと言われるような人だった。

何度も傷つけられて
何度も嫌いになって
何度も好きになった。

今思えば私も"なんで好きって知ってるのに思わせぶりなことをするの!?"と好きを正義のように振りかざして好きの暴力を振るっていたと思う。そんなので振り向いてもらえるわけがない。今ならわかる。

最後にはもう恋ではなく執着になっていた。
何年も苦しい日々だった。

そんな中でも、幸せな思い出があった。

そんな、忘れられない一夜のお話。

オレンジの記憶  ゆっそ

秋の風がさわさわと
肌をすべっていく
運動会の空気だって誰かが言ってた

甘酸っぱいものが口の中に広がって
私のナカを満たしていくわ

忘れられない一夜(ひとよ)
わたしはまだ蜜が飲めない
溢れてしまうから
私が一番好きだった夜
ダメだったねって笑いあったね
あなたが一番好きだった夜
オレンジ味の口づけを

あの頃の私はたぶん
まだまだ子どもで
これが本当の恋だと信じていた

硬い膜を優しく捲って撫でながら
あなたのことを愛しましょう

忘れられない人よ
わたしからまだ君が消えない
刻みついてるから
私が一番好きだった夜
見つめて手を重ね合ったね
あなたが一番好きだった夜
オレンジの世界が見えた

ここで最終回にしておけばよかった

忘れられない一夜(ひとよ)
わたしはまだ蜜が飲めない
溢れてしまうから
私が一番好きだった夜
ダメだったねって笑いあったね
あなたが一番好きだった夜
オレンジ味の口づけを

オレンジ味の口づけを



余談にはなりますが、
このあと私は、今度一切振りまわされる恋愛はしたくないと、恋愛指南本を何十冊も読み漁ったり、コミュニケーションや恋愛のことをめちゃくちゃ勉強したり、見た目をどうにかしたり、色んな努力をし、何年後かに言いよってきたこの人をこっぴどく振り返すのでした。ちゃんちゃんっ!

失恋で女は成長する。

もちろんこの時の感情は新鮮なまま曲の中に込めてあるから、歌う度に蘇る。曲を作ることはその時の感情をそのまま残すことでもあるんだとおもう。

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