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『夢二繚乱』を観た(2018/6/7)

デザインセンス、カリスマ性、容姿、若い女性の心を鷲掴みにして当時めっちゃモテてたんだろうなあ…としか言いようがない抒情画家、竹久夢二の自伝小説『出帆』の挿絵原画134点を一挙初公開を筆頭に、多数の作品を展示する展覧会が東京ステーションギャラリーで開催されていた。

この展覧会は、戦後竹久夢二の画集を出版し第二次夢二ブームを作り上げた出版社・龍星閣の創業者である澤田伊四郎が、画集出版の為収集したコレクションを千代田区に寄贈された事を記念し、千代田区と共催する事になったんだそう。

やはり大正時代『夢二式美人画』という言葉が生まれる程の人気を博しただけあり、様々な装丁画が展示されており、人形の展覧会のプロデュースをして成功をおさめた事等も書き記していてその仕事量からも人気が伺え、港屋で販売されていた半襟やレターセットの図案、楽譜の表紙絵、装丁画のレタリングまで、全てメルヘンチックで可愛らしいのにシンプルな仕上がり。何故こんなにも無駄のない装飾で乙女心を鷲掴みに出来るのだろうか。

女性向け雑誌と子ども向け雑誌の表紙・挿絵を観てみると、描いている対象は違えど色数を沢山使わずにバシッとシンプルに決めていて全年齢対応の可愛らしさでありながら、婦人からも子どもからもそこはかとなく色っぽさが滲み出ているのが印象的だった。竹久夢二作品の真髄は線の色気なのかも。

竹久夢二が子ども向け雑誌に携わっていたりクレヨン練習帳を手掛けていたり、結構幼児教育に関心のある人だったのは意外だった。


この展覧会のメインとも言える自伝小説『出帆』は、結構生々しい話も含まれていて、竹久夢二という人は情熱的な人だったと言うよりかは、寂しい人で、人の寂しさを強く感じ取れてしまう人だったのかなーと思ってしまった。

冒険心も有りつつ女性の心の機微を読み取ってしまう才能、モテ意外の何物でもなかった。

凄く恥ずかしい話、『夢二繚乱』をずっと『夢二錯乱』と読み間違えていて、自伝小説や年譜で、わりと赤裸々に女性問題も紐解いているからそんなタイトルにしているのかな~と思っていたけれど、そんなタイトルつける訳無いわな。

会場:東京ステーションギャラリー
期間:2018年5月19日~7月1日
入場料:一般900円

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