雨 全て流して


正論言って、何になる。

正論が正しいものだと信じていたかつての自分は、きっと純粋で、無垢だった。
さぞかし目の輝いた青年だったろう。
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正論を吐くあなたの目は、少年のように素直で、同時に残酷でもありました。

わたしも、ついこの前までその目をしていたのでしょう。そこに正しさがあったとして、だから何だというのでしょう。
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正論を言う時、人はあたかも全知全能のように振る舞って、それは刃物のように鋭くて、滲む血で染め上げて、それであなたの勝ち?

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だって、たった一言で、支えられてしまうことだってあるんだ。

でも、

正論に支えられたことは、無いから。


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