僕がtelektlistを辞める理由
※この物語はフィクションです。一応そういうことにさせてください。
まだ未定ですが、3年半続けたtelektlistでの仕事をやめようと思います。
その理由はコメント欄に嫌気が差したから!!!
...で終わったらTwitterでいいじゃんってなるのでもうちょっと深くお話します。
ライター業における目標
僕がライターというお仕事をしているのは発信力と分析力を身に着けたいからです。決してお金のためのアルバイトではありません。お金のためだったら顔出し実名というリスクも背負わないし、プレスリリースのコピペ記事と発売日にちょっと触っただけなのにレビューっていう名前をつけた中身カスカスのアフィリエイト記事出しまくります。
はじめは情報発信をする力がほしいと考えていました。現代日本は一人一票で誰しも平等というスタンスをとっていますが、現実は不平等で、より声の大きい人のほうが意見が通ります。私のライターとしての仕事の根底には声の大きい側に行きたいという気持ちがあります。世界征服の第1歩って感じですね(笑)
ではどんなアウトプットをしようかと考えたときに自分にあっているのが活字を書くことでした。当時はYouTuberなんかが流行っていた時代(今もそうですが)でしたが、YouTuberはアリストテレスの弁論術に基づくと大きく求められるのはパトス、つまり情熱です。自分は頭を使うのが好きなのでどちらかというとロゴス、つまり論理を重視しています。そのため、活字という媒体が最も適していると考えた次第になります。アウトプットを続けることでロゴスの根源である分析力を養い、情報発信者としての信頼を勝ち取りたい、というのが私の長期的な目標です。
telektlistの成り立ちと最初の僕
そんな私の転機になったのがtelektlistの創設です。telektlistは私の大学時代のマブダチが構想、立ち上げをしたスマートフォンの情報サイトです。(現在彼は一般企業の会社員であり、すでに関わっておりません。)彼は私がガジェット好きということを知っていたので私に「いっしょにやらないか」と声をかけてくれ、そこから私のライターとしてのキャリアが始まりました。
はじめはつたない文章でした。そもそも私は国語がてんでダメで、高校時代は「数式かプログラミング言語で会話できねぇかなぁ」とかくだらないことを真剣に考えていたゴリゴリの理系です。でも、自分の好きな分野で書くことを続けていくうちに楽しくなっていき、じわじわと読めるような文章になっていきました。結果、今に至るまで3年半で600本以上の記事を書き続けています。
コメント欄の創設と荒らし問題
話は変わりますが、telektlistでは議論を深める場を作りたいをいう考えのもと、結構早い段階からコメント欄を開設しました。とくにガジェット系のサイトではコメント欄があるところがほとんどなく、ウチの強みになるっていう考えですね。
当初は思惑通り質問や感想などが飛び交い、生産的なコミュニティとなっていました。私もその中に入り一緒に見識を深めることをしていた記憶があります。
しかし、telektlistのコメント欄は自由な書き込むを重視しているため基本的には匿名となっています。(IPアドレスは分かるよ!)匿名だと何が起こるか。そう、荒らしです。
完全匿名となるとオンライン上での行動が現実世界に影響を及ぼすことはほぼないため、そこでの行動に責任が伴わなくなります。すると一部のユーザーが根拠のない誹謗中傷やネトウヨ的な発言で荒らし始めます。人間とはなんと弱い生き物なのだろうか。。。
もちろん運営側でコメント欄に関して議論を深めたのですが、独自性で強みでもある自由なコメント欄を閉鎖するわけにもいかず、一つ一つ対策するという後手後手の施策しかとれませんでした。
私もストレートな誹謗中傷などを受けたことは多々あります。いくら的外れの意見だったとしてもそれは率直な意見なので、その度に自分の書いた記事につけいる隙があったららだと考え、「もっと突っ込みどころのない完璧な分析と理論を組み立てなければ...」と自分を奮い立たせていました。
ふとしたきっかけで緊張した糸が切れた
そんな日々が続いていき、世紀末的な環境で発信力と分析力を磨いていたのですが、ふとコメント欄を見たときに「あっ、もうやめよう」と思いました。
過去の荒らしコメントは意外と同一人物であることが多くて、「こいつがおかしいだけ」という気持ちもあってなんとか持っていたのですが、久々にちょっと荒れた記事のコメント欄を見たらなんと全員違う人だったのです。いままで「もっと突っ込みどころのない完璧な分析と理論を組み立てなければ...」と強がっていたのですが、「こいつがおかしいだけかも」というちょっとした淡くて薄い保護膜が消え去り、人々の悪意にダイレクトにさらされた結果、張り詰めた糸が切れてしまいました。
サイトの品位について指摘された話
仕事をやめようと思い立ったとき、人は一旦自分を客観視し冷静になります。いわゆる賢者タイムってやつです。
そんなとき、ふと昔こういうコメントあったなぁと思い出します。
「私は大手の編集上がりです。ナカヤマさんはせっかく書ける側の人なのですからこんなクソみたい品位の低いなサイトで書くのはもったいないです。キャリアを無駄にしたくなければ大手メディアにいくべきです」
あんま覚えてないのでこんな感じだったなぁってぐらいですのでご了承ください。
当時は「匿名のくせに大手の編集という権威をかざしてんじゃねぇよ」とか、「仲間を馬鹿にするな!」と漫画の主人公みたいなことを考えて自分に酔いしれていましたが、今思うとあながち間違いじゃないなぁと。
窓割れ理論はご存知でしょうか。「建物の窓が壊れているのを放置するとそれは誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」ってやつです。
telektlistのコメント欄は「議論の場を」という考えで作られた場所です。はじめはちっぽけなコミュニティでワイワイやっていましたが、荒らしという石を投げ入れられて窓が割れてしまいました。「自由な書き込みが大事」ということで割れた窓を放置してしまった結果、いまやコメント欄は誹謗中傷、煽り合い、なりすましなどがはびこるすべての窓が割れている結果となってしまったわけです。
この自称大手編集上がりの人はそれを見抜き「サイトの品位が低い」と評したのです。当の私は仲間が馬鹿にされたと見当外れな義憤を起こしていました。その根底には「俺の書いた記事こそが一番いい」という傲りがあって、それで「仲間のライターの品位が低いと言われている」と勘違いしてしまった。今思うとあれだけ大事にしていた分析力に欠けているし、なにより仲間を馬鹿にしているのは私の方だったというわけです。最低ですね、自分。めっちゃ反省してます。
僕がtelektlistを辞める理由
私がtelektlistを離れるのはコメント欄に嫌気が差したからです。でもそれは悪口を言われるのに耐えられないからではありません。(100%そうじゃないというのは嘘になりますけど)
telektlistはもうすでに窓の割れきったオフィスです。そんなところでどんなにいい記事を書いてもメーカーさんはサンプルを貸してくれないし、何より人の気持ちを動かすことはできません。このままでは発信力に欠けたままです。
環境に適応していて居心地がいいからという理由でtelektlistに居座り続けていましたが、今のままでは目標に向かって成長することもままなりません。もうとうに古巣から旅立つときになっています。
これからの短期的な目標
情報発信をやめようとは思っていません。とはいえ、自分は活字が好きなロゴス派なので収益化したYouTubeに専念するのも性に合いません。
というわけでこれからはフリーのライターとしていろんなメディアに寄稿することにしようと思います。そこで名前を売って「ナカヤマさんの記事はいいね!」という信頼を集め、発信力を磨いていこうと思います。
うれしいことに私の記事を評価して掲載してくれるサイトや、ウチで書きませんかと声をかけてくれる人もいます。そんなところで自分にしか書けない論理だった良記事を引き続き書いていこうと思います。
もちろんしばらくの間は収益上厳しいことになります。でも私も来年から社会人という名の労働者になり、希望的観測ですがお金には困らなくなります。一方で、貴重なモラトリアムが終焉を迎えつつあります。そんな貴重な時間は自分の目標であり、来年からの仕事にも活かせるような発信力と分析力を身につける時間にし、悔いのないライター生活を全うしたいと考えています。
最後に一言言わせてください。
お仕事ください!!!
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