密かな楽しみ

研究題目の一覧を見るのが好きだ。

卒論や卒研の申請、各種の研究発表、先生の申請する研究費の研究課題名、研究業績の論文一覧などなど、職員はいろいろと題目の一覧を目にする機会があるんだけれど、どれも、なんかいいなぁと思う。
適当に考えたという人も中にはいるかもしれないが、たいていは悩みに悩んで決めた渾身の題目だろうから。
なんていうか、一番アートな部分な感じがする。

けっこう、流派があるのも見ていて面白い。
「○○考」「○○について」「○○研究」的な、シンプルな感じも好きだし、
「~~~に関する一考察―○○の○○に着目して―」的な、副題にあれこれ込めるのも丁寧さを感じる。
「○○は~~か」的な、疑問形で目を引くものもあるし、
「○○と○○、あるいは○○」的な、絵のタイトルみたいな深淵なのもある。

どんなタイトルがいいのか、というのは、分野にもよるだろうし、好みの問題もある。
こういうタイトルをつけましょう、こういうのは良くない、というような書き方のセオリー本なんかもあったりするけれど、個人的には、研究者(やその卵)には思想家やアーティストであってほしくて、その人をそこに感じさせてほしいなと思う。まったくもって学術的な視点ではなく、まったくもって勝手で抽象的な希望だけれども。

題目一覧とその奥の苦労に思いを馳せると、運動会にでている親戚の子を見ているような気分になって、頑張れーと旗を振って応援したくなってくる。
そんなふうに思っているなんて、思いもよらないだろうけど、そんなふうに思っている。

みんな、成就しますように。

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元文芸部員。修士(文学)。詩の人。東北人。 かつて東京でSEをやっており、現在は地方の大学職員。 一見人当たりは良いが人見知りで人付き合いは苦手。「ほんとう」の純度の高いこころの交流を求めているが、現実世界ではたぶん不可能だと諦めているから。

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