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松尾友雪〈Yusetsu Matsuo〉
2020年2月29日 19:26
ピグマリオンを引き裂くと、甘い灰色の無花果は実る。 怯まずも逸脱を満ち断つ、回廊を弾く海温と、 沸き立つ致死量の血潮で追いかけ、 死を乞う火の鳥の彩りが紐解ける。 幾度も、静まりを埋め尽くす波と、 幾つもの詩を問う広がりを飲み込んで、 騒ぎ出す、洗われたガラテアは泡立ち、 重ね合わされたひとときはミルク色を譲る。 生み出された赤薔薇を逆様の女神と拾い、 モザイクから零れ落ち
2020年3月7日 01:17
さくみるよりあられ まるでちるよりかばへくる かくれちるよりはばかられ かるにみぶおいがいらいをきく さるにみゅぼりばばへ かじゅばるほおいなふぁれぶく あむれひるにもまたたかれ りゃむひるもりはいまいのヴィる 割く蜜よりただれ 悪魔で伸びるより赤へ生む 策へ散るより逆様へ 砂漠に溺れ徘徊へ死す〈限り無い攣を束ねて4-1より〉
2020年3月7日 01:23
蕾はふっくらと膨らんで、 固まりを孕んだ指先がある。 かじかんだガラス細工の様に透明で、 亡命の不安は快感だ。 ふっくらの上の不満の塊は、 内側に引き攣ろうと逆立ち。 恥じらいで刺さる合図と象形が、 往復して転覆する。 真空ダンスを糾弾し、 深紅と暗部は銃弾の薔薇 醜態は肉体を吸盤で縛し 白昼の悪友を濁流で丸くした。 反、乱、快感、 再三の爛漫が固唾を飲み、ノック
2020年3月15日 23:32
フブキと知る続き、 すぐにも散る狂いの満ちる 剣も朽ちる部類の月 無類の傾きで緩い向日葵は凍てついてつる。 髪の毛は秘密を含んでいて 緩んで行く口付けは、今まさに、狂って行く。 舞いの音は肺を止め、愛と燃える巴となり、 街を超える風と影が、寒空に遠吠えを呼ぶ。 ありのままで咲くならば、 余りのマグマを針の穴に通すがいい。 蛹の中に、更に泡立ちと絡み、 わたくしの体は空白