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これからは小が大に勝つ?スモールエクセレント企業を目指そう

多くの中小企業の社長の悩みどころが事業規模だと思います。何を、何人で、どのようにやって、いくらで売り、いくら利益を出すのか。
中小企業にとってはビジネスモデルと言っても過言ではないかもしれません。

特に新型コロナで多くの企業で売上げが減少、国や自治体の補助でしのぎながらも今後も市場の回復が不透明ななか、事業規模、個々の商品やサービスを継続すべきか、続けるなら目標設定をどうするか、そこに関わるスタッフの雇用や配置、給与、そしてモチベーションをどうするかを考えている社長も多いでしょう。

要はリストラクチャリング(事業の再構築)をするかどうかで、大企業でも広義のリストラが始まっており、今後加速するように思います。

コロナで存在価値・介在価値の低下が加速

新型コロナ以で起きたことの1つは、存在価値・介在価値の低下・消滅です。

社内では「働かないおじさん(管理職)」に代表される存在価値・介在価値が実は低かった人の存在がテレワークなどで見える化されました。

大きな視点では、私たちメディアを含め業態・業種として存在価値・介在価値が問われている業界もありますし、同じ業界内でも存在価値・介在価値が明確でない企業から退場を迫られていくことになるでしょう。

これらを加速しているのがオンライン・デジタル化で、新型コロナによって、流行り言葉で言えば「DX:デジタルトランスフォーメンション」が一気に進んだことで、存在価値・介在価値が一気に低下した人・企業・業界が出てきている、今後も急速に増えていく、と考えています。

住宅業界で加速しつつあること

私が関わる住宅業界では、たくさん広告宣伝・SEO対策して、たくさんもっているモデルハウスに集客し、たくさんの営業スタッフでそれをクロージングしていくというビジネスモデルが数十年続いています。
それで十分受注できましたし、これをできるだけの事業規模の大きな住宅会社のほうが、このモデルでは優位でした。
いわゆる「オークションマーケティング」と呼ばれる規模が優位になるマーケティングが幅を利かせていたわけです。

ですが新型コロナで非対面・非接触型社会&経済となるなか、このモデルの優位性が一気に崩れ、生活者側も住宅業界側も、大量の広告宣伝や大量のモデルハウス、大量の営業スタッフはもう不要かもと、その存在価値や介在価値を疑い始めているようにも思います。

そうなると広告宣伝を請け負っていたメディアや広告代理店、総合住宅展示場運営会社、さらには個々の会社の営業スタッフといったプレーヤーは存在価値・介在価値を自ら高めない限り、今後価値が低下し、最終的には食べていけなくなる可能性もあるでしょう。

住宅展示場イラスト


量の時代から質の時代へークオリティーマーケティングへ

一方でこれらの代替手段となり始めているのが、YouTubeやSNS、マーケティングオートメーション&インサイドセールス 、オンライン接客などです。
新型コロナ以前からこうしたオンライン・デジタル手法を活用していた工務店・住宅会社はありましたが、非対面・非接触化のなかで、こうしたトップランナーは先行者利益を得ています。

典型が住宅系YouTuberで、コロナ以降参入が増え、そのコンテンツを学んでから家づくりを始める「プロ施主」的な生活者(昔言われた「プロシューマー」的な方)も増えており、住宅系YouTuber自身がYouTubeだけでそんな方から受注するばかりか、その家づくりの「物差し」的コンテンツの発信で学び感化された生活者がその内容を実践している工務店を探しているのでそんな工務店の受注が増える、といった現象も起きています。

このような「クオリティーマーケティング」と呼ばれる、クオリティーの高いものづくり・サービスができるプロフェッショナルが自分でコンテンツを発信することで、共感・信頼され、先生的ポジションも確立しながら、営業を最小に受注をしていく手法が、小さな工務店でも可能になっています。
いわば量の時代から質の時代への転換がコロナで加速したことで、工務店をはじめとする中小企業にとっては理想とも言える状況が見えていて、これは大きなチャンスです。
大企業は「クオリティーマーケティング」は総じて苦手で、小が大に勝てる局面がきたとも言えます。

また、こうなっていくとメディアは不要、もしくはあくまでオンライン・デジタル発信を補完するものになっていきますし、モデルハウスのあり方や活用方法も最後の確認をする補完的になり、営業スタッフの役割もよりインサイドセールスよりになっていくでしょう。

ユーチューバー


コロナショックを強みにする「スモールエクセレント」化

こうした変化をみこして事業規模、そしてリストラクチャリングを考えるのが、これからの社長に求められることです。

これまでは企業規模を大きくすることが、多くの社長の目的でありモチベーションで、大きくしていくほど「オークションマーケティング」をはじめ強みを発揮できる部分もあった。注目度も高まります。

ですが、大きい分だけ損益分岐点も上がり、介在価値・存在価値が低い人も増えていく。
意思決定も遅くなり、現場への徹底・浸透も難しくなる。
※決して大企業(化)や成長を否定しているわけではありません。難易度がどんどん高くなるということです。また中途半端な規模よりは、戦略的に大きくなっていくことを目指したほうがいい企業もあるでしょう

少数精鋭の魅力的なプロフェッショナル集団はこうした大きな会社のしんどい部分を逆手に取り強みにできるはず。
そんな中小企業を「スモールエクセレント」企業(工務店)と呼びたいと思います。

もちろん小さいならではの解決すべき課題もたくさんありますが、コロナショックを強みにできる1つのロールモデルとして、「スモールエクセレント」企業(工務店)を提案していきたいと考えています。

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