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美しい人

いい気分で酔いながら、小さなグラスへ再びビールを注ぎ足す。
その時、少しばかりの重みを瓶から感じることができたならとても嬉しい。
もう少しだけフワフワしていられるから。

今夜もまた写真を見返す。

そんな時は目の前の世界に薄い膜をかける。
写真は目の前の世界を正確に写し出しすぎてしまうので、少しばかりフワフワと視界がボケているくらいがちょうどいい。
かわいいなー。とか、かっこいいなー。って一般的に言われている人が、
1/500秒で切り取った世界だと実は大したことなかったりすることがよくある。
ああ、すんませんっす。。
そう思う度に、何も言わずに口をつぐむ。
デジカメの液晶に写った画像は絶対に見せない。
機械はかなり残酷だ。

それとは逆に、気付いたこともある。
魂の美しい人だけは、たとえどんな瞬間に焼き付けられても美しい。
その人の容姿が綺麗だろうが、そうでなかろうが。
なぜだろう。僕にはわからない。
機械は実はちゃんと観ている。
人間より遥か正確に。
これは写真の魔法。
そして、その姿はいつだってたまらなく美しい



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