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介護保険サービスは、定期的・継続的な利用をしていく訪問介護とかデイサービス、時々の利用も可能なショートステイなどがよく知られている。

意外に地味なのが、ポータブルトイレとか入浴関連の椅子や手すり等、他人が使った物を使うのに抵抗がある道具を、結果1~3割の負担で購入できる「特定福祉用具購入」のサービスである。
ケアマネにとっては、手間がかかる割に、それ単体では報酬に繋がらないし、介護給付するには書類とか会議とか必要になるので利用者に積極的にアピールすることもないかもしれない。
利用者が必要と考えるなら、調整するというような感じだろう。

そんな福祉用具購入できる品目の中で、シャワーチェアーが夏になる頃、多く要望される。動機は「暑くなるから、家でシャワーだけでも浴びたい、浴びさせて上げたい」が圧倒的。
ご家族もそれなりに熱心なので、ケアマネジャーはできるだけ早く使えるようにと、福祉用具相談員と連携を取ったり、ケアプランの変更するため他事業所の意見を聞いたり、購入申請のための手続きや書類作りに勤しむ。
初夏の頃、6月7月のモニタリングでニーズが出たり、相談の連絡をいただいたりするので、できるだけ早く手元に届いて、入金もされるために大急ぎで調整に取りかかる。

中には、デイサービスを利用していて、必須ではないだろうって思われる方もいるけれど、この暑い時期だしサッパリとさせてあげたい気持ちもあるだろうし、万一排泄の失敗などあった時にはシャワーで流したいってことも想定できるし・・・

そんなこんなで、購入して次のモニタリングが、丁度今頃。シャワーチェアーいかがですか?使ってる?って確認する。ほとんどの方々が、「まだ使っていない」って返事する。
やっぱりな~って思うけれど、そんなもんだよな~とも思う。

無いときには、必要って感じて、欲しい欲しいって思って、いざ手元に置いてみると使わないってことはよくある。買うだけで満足って何も介護用品に限らない。
公費を使ってるんだから、役立ててほしいな~って思わないでもないけれど、購入の検討してる時点で「こんなことになるから必要ないでしょ」って言い切ることはできないし・・・せっかく、本人のためにって張り切ってる家族の気持ちを凹ませることもしたくない。

ヘルパーが入浴支援するとか、自宅で入浴する利用者さんには、無くてはならないものなので、福祉用具購入費は必要だし有意義だと思う。
だけど、頑張って購入に結びつけたけれど、あまり有効活用されない福祉用具。多少のモヤモヤは残るけれど、家族の介護のモチベーションを保つには手続きした方が良かったんだと思いたい。今、使わなくても将来使うことがあるかもしれないし。