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受容と共感と肯定

一括りにされてしまいがちだけれど、この三つは明らかに別物だと自分は捉えている。

受容というのは、その人が「こういう考えを持っている、こういう想いを抱えている」それだけを認める姿勢。その考え方とか内容を自分が同じように感じることではなくて、自分が受け入れられない考え方だとしても、相手が考えていることを否定せずに受け止めること。

共感は相手の感情に焦点を当ててその感情を共有することと、相手の想いや考えと自分も同様の考え方ができるって感じること。その行為には共感できなくても、その想いはよく理解できるって場合もある

肯定は認めること。それで良いんだと思うこと。

いずれにしても、自分の感情を同一的に合わせることではなくて、相手が何を考えてるのかを見聞きして人物像を知るためにある。批判や非難、相手を更生させようなんて思わないこと。
私には私の世界があるように、相手にも相手の世界がある

対人援助職として、テクニックとしての使い分けができるのは強みになる。相手に対しての関わり方の部分、自分の感情に一線を引くことで相手の感情や周囲の環境に惑わされたり振り回されるのを防ぐこともできる。

自分の日頃の業務では、受容・肯定を主にする。共感は善とか正の面は大きめにするけれど、否定的だったり負の面は控えめにする。
大きな共感はその感情を増幅させる。特に家族・介護者と要介護者の間の葛藤には要注意。ケアマネが共感しすぎると両者の関係性が悪化してしまう。

利用者の機嫌を取るために、やたら共感しまくる援助者がいるけれど、心にも無いことを言っていると墓穴を掘る。介護者には通用するかもしれないけれど、ご本人には底の薄さを見透かされる。

自分の価値観の中では認められないけれど、あなたがそう思うことを否定しない。あなたがそう感じてるんだ、ってことをそのまま受け止めるのが受容
あなたが、そう感じてることを自分も同じように感じること。そしてそれを示すことが共感
肯定は受容とよく似ている。上手く言語化できないけれど、それでいいんだって伝えること

受容とか共感を上手に発動させるには、人の多様性を知ること。自分の中にあるバイアスに眼を向けること。