たかが大根、されど大根

ステイホームも長引き、何か楽しみを作ろうと市販の大根育成キットを購入した。

土と種とフィルターと鉢がついているもの。

収穫にはだいたい1ヶ月半かかるらしくて、会社を辞めることが決まってる身としては、大根が収穫出来る頃には自分の環境も大きくかわってると思う。

正直、大根育てるくらい簡単でしょって思ってた。

生物は好きだから今までも何かを育てたりする機会はあったし、スーパーに売られている大根は200円もしない。

キットは1500円くらいだし、なにより農家が育てる大根とは違い一対一で向き合うのだから大丈夫だろなんて思っていた。

一回目は子葉が出てから次の葉が出るまでにとにかく上に伸びた。何かで支えないと自立しないくらい伸びてしまったし、何より大根の大根になる部分が茎に見えるくらい地上に出てしまった。

次のチャレンジでは、前回同様上に伸びすぎてしまったけど、一回抜いて穴を深くほって植えなおしたことでちゃんと葉の部分と根の部分を確保出来た。

まだヒョロヒョロでちゃんと大根らしい見た目に育っていくかはわからない。

一対一で様子を見て、土をもり日向に移動させても上手く育たない大根がある一方、数年前にはど根性大根としてアスファルトの割れ目から立派な大根が発見されたくらいだから、いくら丁寧に育てても「置かれた場所で咲きなさい」は難しいのだろうと‥。

例え野菜用の土で育ててこまめに手をかけたとしても周りの環境が合わなければ上手く育たないし、逆にいえばアスファルトの割れ目で育つまで誰も気がつかないような環境でも育つものは育つ。

ほんの気まぐれで買った大根育成キットから思わぬ教訓を得た気がする。

たかが大根、されど大根。

収穫の時、大根が、自分がどうなっているのか楽しみだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?