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【ネタバレ感想(暫定版)】シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

※ネタバレあります※










昨日観てきたので, 今現在の感想を暫定版として書く.

新劇場版以外の過去作品をほぼ全く知らないので, ストーリーや「エヴァ」については触れずに, ただ思った事を書いていく.


・「アニメ的なもの」の事典

155分の間に, アニメ的・サブカルチャー的な要素がこれでもかというくらいに詰め込まれていた.

日常, 子供から大人へ, 淡い恋, 感情の芽生え, 父と子, 母性, 自己犠牲, ロボット, 特撮, 戦闘艦, 死別, コンプレックス, メタ, 神話, 現代青春劇, etc…

最早日本アニメのダイジェストと言っても良いんじゃないかと思う. 1つ1つの量と質にはムラがあるものの, 一定の水準を保っているだろう. 1つの作品でこれだけの事をするのは並大抵の事では勿論なく, この点で間違いなくシン・エヴァは傑作だと思う. それぞれの部分で制作側がやりたい事をしっかりやれたなら良いなと個人的には思う.

月並みな表現で情けないが, シン・エヴァはどんな話だった?と100人に聞いたら, 100人別の答えが返ってくるだろう. 各々の持つ経験や信念によって, どの要素がどのように刺さるか(刺さらないか)が違うからだ.


・「オタク、現実を見ろ」

と正面から言ってくる.

制作側が認知しているか分からないが, 最近オタクの非オタク化についての言説がサブカル界隈でとても多い.

どういうものかというと,「年を経るにつれてさまざまな理由から, かつて熱を注いでいたコンテンツに昔ほどの興味関心を持つ事が出来ず, 薄いコンテンツや焼き直しコンテンツを惰性で触る中年オタク」や「アニメもゲームも触る気力が最早出ず, かつてオタクだった虚無になってしまった亡霊」を上から批判する内容が多い.

だが, この映画はそうしたオタクを正面から肯定して, 彼らに(そして制作側にも)引導を渡してくれる. そしてそれは, 決して突き放すようなものではなく,また上から講釈を垂れるようなものでもなく, 「俺たちも終わらせるからさ, 君たちも終わらせよう」という優しさに溢れた呼びかけだった.

ラストのシーンは某アニメ映画を意識していると思う. 「古のオタク的なもの」とは正反対の場所に位置するとも言えるものをあえて提示するラストは, 柔らかな憧憬と残酷な希望に満ちていると感じる.


・続編はありそうか

ないんじゃないかと思う. けど, あっても良いかなと思う. ここまでのものを作ってもなお, 新しい挑戦をするというのであれば, それはとても素晴らしい事で, カルチャーにとって意義深い事に思えるからだ.


TV版, 旧劇, 貞本エヴァを全て履修し終えた後に, まだ書く事があったら, 適宜改定していこうと思う.




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