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「スポーツをつくる授業」は2つの考え方を身につけられる

こんにちは、世界ゆるスポーツ協会の萩原と申します。
私は、普段は事務局長という立場でイベントの企画・運営をしたり、協会に来る様々な問い合わせの対応をしたりしていますが、依頼を受けて様々な場で登壇やお話をさせていただくこともたくさんあります。

その中でも多いのが、「ゆるスポーツをつくる授業をやってほしい」というものです。もちろん、すべてのご依頼を受けられるわけではないので、予算感や内容を踏まえてお話をお受けしていますが、個人的にも協会としても思いとしては、「なるべく多くの人達にゆるスポーツをつくる」ということをして欲しいです。

実際にお伺いすることや直接お話できない方に向けて発信していくのが、ユニ育のマガジンです。なので、このマガジンの中では出し惜しみせず、私の持っているノウハウをお伝えできればと思っております。

改めてユニ育とスポーツを作る授業がどのようなものかはこちらをご覧ください。

今回のテーマは、「スポーツを作る授業はどのような力を育てることができるか」です。

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クリエイティブ・シンキングとロジカル・シンキングを同時に育てることができる

端的に言うとゆるスポーツをつくるということはクリエイティブ・シンキングとロジカル・シンキングの両方を育てることが出来るという特徴があります。

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これらの能力について非常に誤解があるなと思うのが、こういった能力は才能やセンスに依存する部分が大きいと思われているということです。特にクリエイティブ・シンキングはそうですね。

クリエイティブは才能ではない

仕事柄、様々なビジネスマンに会うのですが、よく聞くのが「自分は0→1は苦手だから1→10をする仕事をしたい」という台詞です。私もずっと自分のことをそう思っていたのですが、ゆるスポーツの仕事をしている中で、「萩原さんってクリエイティブですよね」と言われます。少なくとも私がクリエイティブなのであれば、クリエイティブというのは才能とセンスではないです。

私は絵心はないし、音楽をやっていましたが作曲も作詞もまったくセンスがありませんでした。ではなぜ皆さんに面白いと思ってもらえるゆるスポーツをつくれたり、ディスカッションで色々なアイディアが浮かぶか?

それは結局、経験慣れなんです。そしてその経験と慣れを身につけるために必要なのは、言語化再現性です。

ゆるスポーツ協会を始めた頃、私が面白いと思って出したアイデアは全然採用されませんでした。面白いと思って言ったことが伝わらず、何が面白いかを説明するという苦行を何度も味わいました。スベってばかりいるお笑い芸人の辛さがよくわかりました笑

「あー自分はセンス無いんだなぁ」と凹みました。その頃はゆるスポーツを様々な団体に売り込む時期でもあったので、自分はそっちを頑張ろうというところで色々なところでゆるスポーツの説明をすることにしたんです。人にゆるスポーツの様々な説明をするときに、その面白さに納得感がないと魅力的なものと伝わりません。

つまり、「誰がプレーしても面白い。僕らはどんな競技を作っても面白くできる」ということを担保できないのであればコンテンツとしては用途が限られてきます。その際に行ったのが面白さの言語化なのです。

例えばベビーバスケの面白さを伝えるときのポイントはいくつかあります。
・一定の衝撃で泣いてしまうボールを扱うため、普段のスポーツとは違う「優しさ」というスキルが重要になる(価値観の変換)
・ボールをあやす姿など普段見ることがない一面を見ることが出来る(非日常)
・「過保護」、「子煩悩」など一般的に使われている言葉が反則名になっている(意外性)
ベビーバスケの面白さのポイントは、他にもたくさんありますが、こういう風になぜ面白いかということを、自分なりに解釈し、咀嚼することが、クリエイティブになるための第一歩です。


次にこの言語化を再現性があるようなに抽象化を行っていきます。
「ベビーバスケの面白さのポイントは」という主語から「面白さとは…」という主語に置き換える作業と考えていただくと伝わりやすいと思います。
例えば…
・面白さとは、普段と違う価値観の中で体験することによって生まれる
・面白さとは、非日常を経験するときに生まれる
・面白さとは、意外性のある言葉や出来事があるときに生まれる
これらはあくまで例なので皆さんなりの面白さ考察はしていただければと思います。
この作業をすることで、今まで漠然としていてクリエイターの領域だと思っていた「面白いことを考える」ということが、いくつかの根拠によって構成されているということが実感できてくると思います。

次にこれらの言葉を「○○することで面白くなる」と言い換えてみます。
・普段と違う価値観の中で体験をすることで、面白くなる
・非日常を経験することで、面白くなる
・意外性のある言葉や出来事に出会うと、面白くなる
この○○の部分がメソッドです。つまりその条件を満たすことことで、面白さを意識的に作ることが出来る材料になるのです。

こういった言語化→抽象化によって手に入れたメソッドが、「面白さの再現メソッド」です。ゆるスポーツを作るときにこのような再現メソッドを持つことによって、まぐれ当たりではなく、コンスタントに、面白さを担保するコンテンツを作ることが可能となるのです。
このようにして私が関わった競技の代表的なものが富山県氷見市のご当地ゆるスポーツ「ハンぎょボール」であったり、「シーソー玉入れ」などになります。特にハンぎょボールは氷見市の皆さんにこの「面白さの再現メソッド」をお伝えし、市民の皆さんと競技を作っていきました。

さて、「面白さという捉えどころのないことを再現するための言語化、メソッド化」。これって極めて論理的だと思いませんか?つまり、クリエイティブとロジカルというのは、二者択一のものでも、背反するものでもなく、両方が補完しあっている関係にあるということがわかります。

そもそも世の中の芸術作品にロジックが当てはまらないというのであれば、絵画も音楽も学問にはなりえません。確かに一部の天才と言われる人にロジックを超越してしまった(ように見える)人たちも存在しますが、クリエイティブの95%はロジックに置き換えることが可能ですし、ロジックがあるということは再現性がある(もちろん技術、経験様々なものがあった上で)と言えると考えています。

本当にクリエイティブの世界で生きていこうと思わない限り、この95%のクリエイティブがあるだけで、人生が豊かになると言うのが、経験則による私の考えです。

そもそもスポーツのルールはロジカルである

ロジカル・シンキングという点において、もうひとつ注目してほしいのが、「スポーツのルールは極めてロジカルである」という点です。

スポーツのルールが論理破綻をしているとスポーツは正常に進行しないどころか、あちこちで反則(のようなもの)が起こるわ、みんな好き勝手プレーをするわで危険なものとなってしまいます。

サッカーやラグビーのように審判が主観で判定をしている競技も、審判を行う基準があり、基準と実際のプレーの整合性の判断を審判が行っていると考えることが出来ます。そのためには、個々のルールというのが論理破綻をしない形で成立している必要があるのです。

ゆるスポーツは実はルールをしっかり作っていて、判定の際に曖昧な基準を設けないということを意識しています。これは先程の「面白さの言語化」に落とし込むと「面白さとは、皆が不平等を感じない状況でこそ生まれる」と言えるからです。

実はハンぎょボールのルールブックは3500字もあります。
その中では、プレー中に起こる様々なことを想定し、その中で論理破綻が起こらないように、論理的にルールが精査されています。

上記の動画を改めてその視点で見ていただけるといかにルールが考えているか伝わると思います。

ゆるスポーツの裏には実はこういった強靭な論理的思考が隠されていたのです。

見た目はクリエイティブ、中身はロジカル

少し前に、草食系男子の進化型として「ロールキャベツ男子」という言葉が流行りました。意味としては、見た目は草食っぽいけど、中身は肉食の男性という意味だそうです。

ゆるスポーツもそういう意味でロールキャベツに似ていると思っています。
見た目はゆるく親しみやすい。でも、中身は様々なことを想定したルールや楽しさの言語化という論理に裏打ちされている。

ゆるスポーツをつくる過程は、面白さというクリエイティブなものを実際にスポーツとして成立させるというロジカルな思考が必要になるため、これら2つの能力を伸ばすことにつながると言えます。

誰もが楽しめるスポーツを作るということは、誰にも魅力的なコンテンツを作るということです。このような視点で、考えるというカリキュラムは今までの学校授業にはありませんでした。

スポーツクリエイティブを授業に取り入れることで、生徒たちの新たな能力を伸ばすことにつながったり、社会に出て役立つ能力が身につけば幸いです。

私のnoteでもゆるスポーツのつくり方については公開をしていますので、是非参考にしていただければと思います。


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【ユニ育について】

「スポーツをつくる授業」を通じて、一人ひとりの独自性やユニークネス、強みを開放するクリエイティブ教育です。

●「ユニ育」のロゴを公開しますので、自由に活用ください。

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https://www.dropbox.com/sh/ifr3l8osgak7rum/AAAPDNRUG2jfpt7szg0qlJmba?dl=0
※4パターンありますので、好きなロゴを活用ください
※あまりにユニ育理念から離れている活用・活動に関しては、委員会より指摘させて頂く可能性もございます。あらかじめご了承ください

●「ユニ育マガジン」の内容を参考に、ぜひ皆様も授業などで「ユニ育」を実践してみてください。また、実践内容を世界ゆるスポーツ協会まで教えてください。内容によってはマガジンで紹介させていただいたり、ユニ育委員会にもジョインしていただくことがあります。
連絡先:uniiku@yurusports.com
※件名に「ユニ育実践しました」と記してください

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