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好きなのよ。

おもしろいものが、好きだ。
おもしろいことが、好きだ。
それにプラス、「かわいい」がつくといい。
手に取ると、思わずふふっとチカラの抜けた笑いが自分のなかに起こると、もっといい。

なんだかそれだけで頑張れるような気がするのだ。

阪神百貨店で行われている「菊池亜希子のチャーミングな日用品展」に行ってきた。(12月20日まで開催中)
こちら、なんと半年前から準備されてきた企画らしい。


 

全てチェックしているわけではないけれど、大学生のころから菊池亜希子さんのことをずっとゆるっと追いつづけている。


初めて出会ったのは、『PS(Pretty Style)』という雑誌のなか。「モデルさんのかばんの中身を紹介します」というコーナーで、菊池亜希子さんは茶色のオーバーオールを着ていた。その着こなしもとても素敵だったのだけど、紹介していた皮のおめめがウインクしたお財布が可愛くて、なんてかわいい財布を持っていらっしゃるんだ!と思った。

『PS』には「道草」という彼女の連載があって、水彩鉛筆で描かれたやわらかくてかわいいイラストのマップ、写真、丁寧につづられた文章が大好きだった。

毎月は買えなかったのだけど、『PS』を買うたびにいつもそこだけチョキチョキ切り取って、A4のリングファイルに綴じた。

その雑誌の切り抜きは今でもわたしのコレクションで、ひとりで見返してはわくわくする気持ちをもらっている。

『PS』が休刊になったのは悲しかったけれど、そのあと『マッシュ』が刊行されて、「みちくさ」が続いて嬉しかった。

『マッシュ』は亜希子ちゃん自身が編集長をつとめている。だからファッションからカルチャーまで、亜希子ちゃんの好きなものや関わりがある人、気になるもので埋めつくされていて、ページをめくるたびにいつも「うわあ、たまらん」となって、うっとりしていた。

他にも『リンネル』『CLEA』『天然生活』『LEE』…

文章でも写真でもイラストでも、菊池亜希子ちゃんの名を見かけると、「お」と思って、わくわくして、おもしろくて、かわいいものが見つけることができそうで、思わず手にとった。

なんだろう、好きなのよ。
…好きなのよ。

これしか言えない。
くやしいけれど、言葉に表せられないのだ。

⭐︎

初日には来店されていて、イッテンモノマルシェのインスタグラムにアーカイブが残されていた。菊池亜希子さんはとても楽しそうに、ニコニコしながらひとつひとつの商品を紹介していて、そこには作家さんへの愛であったり、亜希子ちゃんのこだわりであったり、「好き」が全部詰まっていて、「あぁこれは行ったらきっとわくわくするコたちと出会えるぞ」と思わせてくれた。


「ぜひ、一つ一つお手にとってみてください」とおっしゃっていたのを間に受けて、本当に一つ一つの商品を手に取ってじっくり見て、さわった。

チクチクしないやわらかくてふわふわの肌ざわりのお洋服にいやされたり、どうぶつのスプーンはどこにいたらいいコだろうと想像してみたり、このお皿にチョコチップクッキーとかのせて食べてみたいなと思ってみたり、ハンカチを広げてふふふと笑ってみたり、なんとも楽しい時間だった。



実は最近カラー診断を受けてから、「好きな色」と「似合う色」について悩んでいた。わたしの「好きな色」と「似合う色」は、微妙に違っていて、うーん、どちらかといえばこっちじゃないんだよなあ、と思うものばかりだった。

けれど、「こっちのほうがあなたには似合う」と言われれば意識してしまう。

カラー診断で出た結果をもとに、アイシャドウは好きなオレンジよりもピンクに、お洋服はくすみがかった暖色系の色が好きなのだけど、明るめのパステルカラーに変えて、しばらく過ごしていた。

確かにお顔の色はよく見えたし、「今日なんか違うね」と言われたりして、ちょっと嬉しかったけれど、わたしはラブリーすぎるピンクよりやっぱり今まで使っていたキリッとしたオレンジのアイシャドウが好きだったし、お洋服はパステルカラーを着るとかわいらしすぎてなんだかムズムズした。

なんか違う、わたしじゃないみたい

と思いながら日々「似合うもの」を身につけて過ごしていたのだけど、気分がどうもあがらず、つまらないなあと思った。

今回菊池亜希子さんのインスタライブの動画をみて、そしてイッテンモノマルシェに行って、やっぱりオレンジの色のアイシャドウをつけようと思ったし、くすみがかった暖色系のお洋服を着ようと思った。似合わないかもしれないけれど、わたしはこっちほうが好き。

好きなのよ。
「なんかわからん、けど好き」に忠実でいい。

そう思えた。


散々迷ったあげく、買ったものはハンカチ2枚。

(写真は一部分だけ)

胸の前に広げてダンスしたい


ちょっとどきっとした

広げたり畳んだりして、「好き」と思えたものだった。このコたちには「かわいい」にプラスされた、さりげない「おもしろさ」があって惹かれた。


「大人だからこそ持ってほしい」とおっしゃっていたけれど、本当大人だからこそ、おまもりになってくれそうなハンカチだと思った。


ああ、こういうのをちょっとしたパーティーに持っていって、さりげなくささっと出してみたい。

今持っているシックな黒色のドレスとパールのネックレスに合わせてみたらどうだろう。

…なんて全然華やかなパーティーに行く予定もないのに、頭の上にもくもくと想像の雲がつくられていく。それは楽しくて、くすくすと笑いが止まらなかった。

かわいくておもしろくて、ふふっと笑えるもの。それはどんなときでも、わたしが大切にしたいものだと気づいた。

いつか一緒にパーティーに行こう。

https://swimmie.me/


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