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飽和した世の中 ~ニュータイプの時代~

※写真は長野県のぶどう。シズル感が堪らん。

おはようございます。昔と今って根本から違うのに昔のものさしってどこまで役に立つのだろうか。先人の方の経験や状況に対しての立ち振舞は大いに勉強になるが、具体的なアクションってどこまで参考になるんだろう。

高度成長期の日本と今の日本は根本的に違う、その上でじゃあどうしていけばいいのか。そんなことをまとめているのがこちらです。最近読んだ本の中で一番考えさせられるものでした。

※ニュータイプ=これから求められる人物

昔↔今

VUCAな世の中において、昔のような「問題」が多くあった時代の動き方をすると失敗する。そもそも昔と今は違うのだ。

昔:解決すべき問題で溢れていて「解決方法」そのものが価値になる。
(洗濯物を干すのが面倒な問題に対して乾燥機が、掃除をするのが面倒な問題に対してルンバが、どこでも会話できるように携帯電話が登場した)
今:なんでもかんでも解決できている。不便なことがない状態。
(大抵のものは廉価版が出ているし、お金がなくとも不便を感じにくい)

そんなベースが違うからこそ欲の少ない「さとり世代」だの、
物を持たない「ミニマリスト」が出てくるのである(この表現は好きじゃないけど)。
「今時の若者は~」というがそもそもの土壌が違うので昔の精神状況と比較しても見当違いになるのはここからわかる。

古代は「体力」が人間としてのステータスだった人類がテクノロジーを手にして評価指標が移り変わっていったのと同じ。

じゃあこれからのトレンドは?

筆者は6つの項目でまとめている。

1.飽和するものと枯渇する意味
「役に立つ(便利なもの)」に関しては原則1強になる構図なのでここからの進化は大きくない。
重要なのは「意味があるもの(ストーリーがある、ブランドがある)」ものである。

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上記が一番わかり易い構図。役に立つ、の分野においては機能特化させることであり効率性が求められる。要するに安くて便利であることが求められる。けど今の価値が高いのはブランド力があって所有者の欲を満たすこと(意味がある)。ここから役に立つ、の分野で一旗揚げるのは厳しい。

かつて日本は欧米諸国に追いつけ追い越せで「役に立つ」に特化してきた。それが今、欧米諸国と同じ水準まで日本が追いついたゆえに価値が消失しつつある。

2.問題の希少化と正解のコモディティ化
「不満・不便」が多かった時代は問題にあふれていて、その問題を解くことができる人に価値があった。ただ現代には問題が少ない。よって問題を解決する人よりも問題を定義できる人が大きな価値を生む。

先程も話したようにわかりやすい問題なんてそう転がっていない。故に現状の負を目を凝らして見つけることが大切。昨今のいけてるスタートアップはこれ+意味付けがとても上手に思える。

3.クソ仕事の蔓延
便利になって生産性は向上しているはずなのに労働時間は増えている。これは仕事のための仕事が増えていることを意味する。本来の仕事の意味や価値を見出すことがニュータイプには求められる。

耳が痛い。。笑
仕事のための仕事になっていることは多くあるので気をつけねば。

4.社会のVUCA化
・経験の無価値化(過去の経験ではなくて学ぶことができる柔軟性)
・予測の無価値化(誰も未来なんて予想できない)
・最適化の無価値化(時代は動くのに最適化なんてできない)

嫌われる勇気のレビューでも述べたが原因論(ooだったから)はもう通用しない。予測自体に意味はない、「未来がどうなるか」ではなくて「未来をどうしていきたいのか」が大切。未来を引き寄せる。

5.スケールメリットの消失
昔は「メディア」と「流通」を握ったら業界を掌握し勝つことができたが今の時代はどちらに対しても個人や小企業がアクセスすることができるのでスケールメリットを活かす場面が減っている。

前ならものを販売するにしても実店舗が必要だったけど今であればその気になればメルカリでだって販売できる。大手メディアに乗らないと知名度が挙げられなかった昔に対して今であればSNSと差別化戦略で勝つことができる。企業に属するメリットも減ってくるんだろうな。

6.寿命の伸長と事業の短命化
昔よりも寿命が伸びている。VUCA化している。故に「一所懸命」「この道一筋」だけじゃもう残れない。求められるのは不確定な中で柔軟に形を変えることができるしなやかさ。

前職の大手企業を転職するときに「転職なんて浮ついた。。」に近いことを言われたことを思い出した。転職や環境を変えることは悪くない。時代が変わっているのに自分が変わらないことのほうがう自然だ。
※前提、今の仕事の範囲で自分を変えることができるに越したことはないけれども。

ニュータイプのTips

印象的なもののみ抜粋。

量的指標には限界がある。車を一台買うことに意味はあるが複数台持っていても便利さは拡大していかない。(限界効用逓減の法則)

この考え方はとっても好き。以前に別の記事で感銘を受けたことがあったが再認識。

キャリア戦略として、コナトゥス(本来の自分らしい自分であろうとする力)に従って判断することが大切。

何がいいか悪いかはやってみないとわからない。よくメンバーに話すが、「やってもいないのに向いているかいないかわからない」はこれと一致する。好きか嫌いかはやってから判断する。重要なのはコナトゥスに従うこと。

成功者のキャリアは8割は偶然である(プランド・ハップンスタンスセオリー)

これも好き。重要なのは「好奇心」「粘り強さ」「柔軟性」「楽観性」「リスクテイク」。やってみて向いてなければやめえばいい。なぜなら人にはキャパがある。捨てることも大切。

専門性は陳腐化する。けれども教養は陳腐化しない。

これが一番感銘を受けた。何かの学問において専門的な知識は時代とともに変化し、陳腐化してしまうがそこから得られる教養は陳腐化しない。学校で過去学んだ学問自体は単体では意味を持たないかもしれないが教養として携え、状況の中でクロスさせながら使うことで意味を発揮する。専門性は武器(陳腐化する)が教養は基礎能力(陳腐化しない)。
理系出身で教養がない自分が社会において足りなさを感じたのはここ。故に本を読みアウトプットをしている。

「残酷な世の中でどう生きていくか」ではなく「なぜこの世界は残酷なのか」と問いを立てる。

機能不全している状態をどう乗りこなすかではなく、どのようにしたら機能不全を解消できるのか。世のエラーに乗っかるのではなく解消する。

感想

本は姿かたちを変えて同じことを言っている(あるいは同じことを言っている本を自分が選んでいる)。
・飽和した世の中でどのように意味を持った人生を持つのか。
・挑戦権は誰にでもある中で行使するのは自分の意志。行使しなくても死なないけどね。
・予測も経験も、未来も過去も関係ないよ。重要なのはスタンス。

ここらへんが今を生きるポイントなんだろう。レールがない分、自由がある分、幸福の感じ方も大きく人によって変わってくるのが今後なんだろうな。

強く生きましょう。

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