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講談:なんだかんだ熊之丞

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#葉書

講談:なんだかんだ熊之丞《開いた玉手箱(10年目の同窓会)》  先の《玉手箱の葉書》というお話では、中学卒業の時に『いつまでも忘れません』との葉書が届き、その葉書が玉手箱の中に納まるまでを語りましたが、今回はその後日談となります。

講談:なんだかんだ熊之丞《開いた玉手箱(10年目の同窓会)》  先の《玉手箱の葉書》というお話では、中学卒業の時に『いつまでも忘れません』との葉書が届き、その葉書が玉手箱の中に納まるまでを語りましたが、今回はその後日談となります。

中学を卒業して10年、同窓会をやろうという者がどの学校にも必ずいるものです。地元を遠く離れて久しく、実家にも滅多に帰りません。それが同窓会に出席する気になったのは、玉手箱に納めたあの葉書が思い浮かんだせいでもありましょう。
やがて同窓会の当日がやって参りました。同級生という変わらない温もり、そして変われない煩わしさ、そんな独特の雰囲気に包まれながら、彼女”達”をさがします。残念なことに出席は1人で

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講談:なんだかんだ熊之丞《玉手箱の葉書》

講談:なんだかんだ熊之丞《玉手箱の葉書》

人というものは思い出が糧となり、人生が豊かになったりもするものだそうですが、それは中学の卒業式を終えて数日後のこと、1枚の葉書が届きました。明るい花柄の中にたった一行『いつまでも忘れません』これは一大事、嬉しさを抑えつつすぐに連絡をと思いましたが、添えてある名前に心当たりの同級生が2人。漢字では違ってもひらがなでは同じ名前です。今更漢字でと願ったところでどうにもなりません。さりとて相手を間違えて恥

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