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妊娠中に働くということ

大変ご無沙汰しております。
ゆるミニマリスト夫婦の妻です^^

先日、妊娠34週(妊娠9か月)までの週5フルタイム勤務を終えて、ようやく産休に入ることができました。今は自宅でのんびり料理をしたり、育児のための環境を整えたり、とてもゆったりとした産休ライフを過ごしております。

皆さん、「産休に入るまでフルタイムで働く」という現代では当たり前のことについて、どんなイメージを持たれているでしょうか。

「出産の6週間も前からゆっくりできるなんて羨ましい」
「国で定められてる制度なんだから、余裕を持った休暇期間なのでは」
「お腹が大きくなるだけで、仕事は普通にできるでしょ」

私も、妊娠前まではなんとなくそう思っていました。でも実際、妊娠と仕事を両立しようとすると想像以上に大変であるということを、身をもって体感しました。

今回は、妊娠中に働くことについての実情や、私の考えを書いていきたいと思います。これから妊娠を計画されている方、妊娠中に働き続けるか迷っている方、同僚や奥様が妊娠する可能性のある方にはぜひ読んでいただきたいと思います。とはいえ、妊娠の経過には大きく個人差がありますので、参考程度にしていただければ幸いです^^

仕事は1ミリもできない「妊娠初期」

私の場合、つわりが一番しんどかったのが妊娠5〜6週。妊娠が発覚してまもなくの時です。永遠に分泌され続ける胃液で常に気分が悪く、夕方から夜にかけては貧血感に襲われ、和風だしの匂いに吐き気を催し・・・という状態でした。仕事は行けないか、なんとか会社には行けても座っているのがしんどくてすぐに帰ってきてしまう日々が2ヶ月ほど続きました。

しかし、妊娠初期(妊娠0週〜15週)というのは流産になる可能性もまだまだ高い時期です。全妊娠のうち、8〜15%はこの時期に流産になってしまうと言われています。ですから、妊娠初期の段階で周りに妊娠報告をしたのに、残念な結果になってしまうことも十分起こり得るのです。

以前、妊娠7週での流産を経験している私は、会社や同僚に妊娠報告をするか迷いましたが、あまりにも体調が不安定で休みも増えてしまうため、妊娠が分かった段階で会社の上司と仲のいい同僚には報告しました。

幸い、皆さんが大変理解ある方々だったので助かりましたが、毎日のように会社に休みの報告を電話したり、突発的に早退してご迷惑をかけたり、繁忙期に1日も出勤できなかったりした時は、罪悪感と申し訳なさからとても精神的なストレスを感じます。2ヶ月間ずっと、「いつ辞めさせられるか・・・」「先輩たちは怒ってないかな・・・」と、肩身の狭い思いをしながら過ごしていました。

妊娠自体はとてもおめでたいことですし、無理をしたら自分だけでなく赤ちゃんまで危険にさらすことになってしまうのは重々承知しているのですが、どうしても「社会人」としての自分が、つわりで寝込む自分を情けなく思えてしまうんですよね。本当に、精神的にも身体的にも辛い時期でした(泣)

少しだけ元気になる「妊娠中期」

つわりが始まって2ヶ月ほどした頃、「あれ・・・?今日はフルタイムで勤務できたぞ?」「今週は月〜金で休むことなく出勤できた!」という日が出てきました。ご飯も少しずつ普通に食べられるようになり、徐々に仕事も苦ではなくなってきました。いわゆる「安定期」(妊娠16週〜27週)に入ったのです。

しかし、勘違いしないでいただきたいのが、「安定期」に入ったからといって体調が常に安定しているわけではないのです

そもそも「安定期」というワードは医学用語ではありません。下記サイトにも掲載されていますが、妊娠中期はつわりが治まってくる人が増えてきて、初期の流産の確率が減ることなどから、世間的に「安定期」と言われているに過ぎないのです。

私も、つわりの吐き気が治まったぐらいで、その他のマイナートラブルは依然として継続・発症していました。急に貧血になったり、胃もたれしたり、特定の食べ物が食べられない・まずく感じたり、耳の閉塞感(耳管開放症というらしいです)があったり。

しかし、つわりで苦しかった妊娠初期に会社の方にご負担をかけてしまったし、会社の人も「あなたはもう安定期に入ったんだね!」という認識でいるので、体調がおかしくてもなかなかそれを表に出せなかったり、我慢することがあったのもこの時期でした。「安定期に入ったから大丈夫です!と言っている妊婦さん、本当は全然大丈夫じゃない説」、推していきたいです。

常に苦しい「妊娠後期」

妊娠後期(28週以降)に入ると、お腹もどんどん大きくなっていきます。子宮の大きさは、妊娠前の数百倍の容積になると言われています。そのため、胃や肺が常に圧迫されて「一人前の食事が取れない」「すぐに胃もたれする」「息苦しい」というような状態になります。しかも今はコロナ禍ですから、どんなに息苦しくてもマスクはつけてなければならず・・・。とにかく我慢我慢の妊娠後期です。

「後期つわり」という言葉をご存知でしょうか。子宮に胃が圧迫されることによって、初期のつわりのように吐き気・嘔吐などの症状に苦しむことがあるのです。私も、ある日キーマカレーを一人前(量少なめ)食べたら、その後胃痛・吐き気・下痢に襲われて2時間トイレから出られなくなってしまったことがありました。人によっては、初期のつわりよりも後期つわりの方が苦しかったり、逆流性食道炎になってしまう方もいます。

また、寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目覚めてしまうという症状が起きるのもこの時期です。お腹が血管や肺を圧迫するためにどんな姿勢で寝ても苦しかったり、激しい胎動が気になって眠れなかったりして、しっかり寝られず睡眠不足・・・ということもよくあります。

お腹の大きい妊婦さんは、よく「幸せそう」というイメージを持たれがちですが、実際のところ「早く産んで身軽になりたい」「つわり、マイナートラブルから解放されたい」と思っている人も少なくないと思います。

このように、妊娠後期はかなりしんどいにもかかわらず、日本で法的に定められている「産前休暇」は、出産予定日の6週間前(双子以上の場合は請求すれば、14週間前から)取得できるとされています。つまり、妊娠33週6日までは基本的に働くことが前提とされているのです。しかも、産前休暇は強制ではないので、妊婦側が申し出れば出産ギリギリまで働く事も出来てしまいます。

私は妊娠34週1日まで働いて産休に入りましたが、本当にギリギリのギリでした。寝不足を感じつつ、重たいお腹を抱えながら会社へ行き、午前中は貧血感を感じながら業務をし、昼ごはんは胃がもたれないようにゆっくり食べ、胃と肺の圧迫感を感じながら、象のようにむくんだ脚で夜まで仕事をする。最後の方はほぼ慣れてきていましたが、結構無理をしていたなと、産休に入った今感じます。産休に入った今は、午前中はほとんど寝て過ごしています(夜間の睡眠が十分に取れないため)。

妊婦に厳しい産休制度

人によっては、産前休暇の前に余った有給休暇をまとめて取り、余裕を持って産休に入れる方や、切迫早産等のために医師から早めに産休に入るよう指示され、産前6週間よりも前に産休に入る方もいます。しかし、基本的な産前休暇が「産前6週間前」と決められていることから、会社側が「それまでは普通に働いてくれるんだよね?」「産前6週間前までは、体調的にも楽ってことでしょ?」という認識でいる場合があったり、同僚や先輩からの「私は出産前日まで働いてたけどね」「産休に入られると正直迷惑なんだよね」といったマタハラをされたりするような場合だと、本当は早く産休に入りたい妊婦さんも申し出にくい場合があります。

私は特に切迫早産などではありませんでしたが、それでも34週まで働くことを産婦人科医に伝えると「あ〜そうですか。本当はもっとゆっくり、お家で脱力して過ごすのが一番なんですけどねぇ。」と言われていました。

そう考えると、「産前6週間前」って、何を根拠に定められた期間なのでしょう。少なくとも、先輩ママさんの大多数の意見を聞いて決められたわけではないはずです。しかも、産前休暇を取るのが「強制ではない」ということも気になります。妊婦さんによっては、会社に迷惑をかけまいと無理してしまったり、会社側から身重では困難な仕事を振られてしまう可能性だってあるわけです。新しい命が宿っていること自体が奇跡で、無事に生まれてくることはもっと奇跡なのに、なんだか会社の都合の方が優先されて、妊婦さんが無理することが正当化されてしまっている気さえします

自分の身を自分で守るということ

私の職場はとてもホワイトな人ばかりで、つわりで1〜2か月まともに出勤できなくてもマタハラされるようなことはありませんでしたが、それでも肩身の狭さや多少の罪悪感?は感じながら仕事していました。妊娠による体調不良(つわりや貧血など)は予期できない場合があったり、周りの人から見て気付かれにくい場合があったりするので、「休むor早退するか、回復するまで少し休憩するか、無理して仕事するか」といった判断は妊婦さん自身が積極的にしていかなければなりません。そして、周りの人に伝えなければなりません。

私は良くも悪くも無理ができないタイプの人間なので、体調が良くない時はすぐに申し出て休ませてもらっていましたが、無理出来てしまう人や優しすぎる人は要注意です。無理がたたって急に倒れてしまうと、自分だけでなく赤ちゃんを危険にさらすことになりますし、職場にも余計に迷惑をかけることになってしまいます。体調が悪い時は積極的に休むことが大事です。

妊婦ライフは十人十色

私の体験談をもとに、妊娠中に働くことの大変さを考えてみましたが、いかがだったでしょうか。つわりが全くない人、入院するほどつわりが辛い人、元気でも切迫流産・早産のため安静を余儀なくされてしまった人など、妊娠中の体調は人それぞれです。会社は社員1人がいなくても回りますが、自分自身と赤ちゃんを守れるのは自分しかいませんから、妊娠中に働く方は無理することが本当に正しいのか、しっかり判断してくださいね。

そして、周りに妊婦さんがいらっしゃる方は、どうか「妊婦さんは何かしらのマイナートラブルを常に抱えている」ということを忘れずにいてください。いくら元気そうに見えても、妊娠中に100%元気な事はありえません。「つわりは病気じゃない」と言って、妊婦さんに無理させようとする人がいますが、それは間違っています。「つわりは病気じゃない、だから薬も使えなくて、病気よりも苦しい」のです。そういった理解のある方が周りにいると、妊婦さんも安心してより生きやすくなると思いますよ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました^^




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