これからの未来と、描くビジョン。
こんばんはっ
前回の投稿の続きです。
https://note.mu/yurumina19950411/n/n33a4271083a5
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手術が終わったその日、大好きなハーゲンダッツを買い「Nのために」というドラマを見た。その映画を選んだのは、原作者の「湊かなえ」と俳優の「窪田正孝」が好きだったから。
ただそれだけだった。他に理由なんてなかった。
偶然にもその映画は「愛」について考えさせられるような内容。
好きだった人とお腹の中にできた大切な子を同時に失った私にとって、そのドラマはある種の起爆剤となって私の涙腺を爆発させた。
その日は、めいっぱい泣いた。
生まれてくるはずだった赤ちゃんの分まで、たくさん。
そしたら翌日は心なしか気持ちが軽くなっていた。仕事にもちゃんと行けた。ご飯も食べられた。
翌日は、当時働いてたM&Aの会社の人たちがランチに連れて行ってくれたしその次の日は先輩に銀座で焼肉を奢ってもらった。
年末年始は秋田でこれでもかってくらいのんびり過ごしたし、東京に戻ってからも仕事しながら美味しいお酒とご飯を堪能して独り身を満喫してた。
2月は念願だったビール大国のチェコにも行けたし、ホリエモンさんと対談もした。そして、「もう恋愛なんて、、、」ということは全くなく、気になる人もできた。
叶わぬ片思いみたいなものだったけど、その人と過ごす時間はとても愛おしかった。出逢った時からドキドキして、目を合わせて話せなかったくらいかっこよくて、そしてなにより心から尊敬していた。
けれど、会う回数を重ねるたびにその人がどんどん遠ざかっていくように感じた。知れば知るほど、彼の心はふわふわとどこか違う場所にあると実感した。
彼の優しさが、寂しく感じることが増えた。
少しずつ、まるで焚き火のように燃え上がる気持ちが弱く、儚く、小さくなっていくのがわかった。
次第に会うことも、連絡をとることも減っていったその頃、私はその時の彼を想って新しいビールを作ることを決めた。
それが「苺花一愛」。
お酒が苦手な彼でも飲みやすいビールをつくって、気持ちを伝えたい。その一心で後先考えず作ったビールだ。
パッケージも、販路も、予算も何も考えずにただ、彼への気持ちだけで作ったビール。
馬鹿げてるって笑われるかもしれないけど、今の私が気持ちを表現する最大の手段だった。
それなのに完成した時、一番に伝えようと思ったはずなのにできなかったのは作っただけじゃ彼に認めてもらえないと思ったから。
だからクラファンをして、イベントも行って、販路も開拓した。少しずつ買ってくれる人が増えて、自信もついた。
勇気を出して連絡したら、会う時間ができた。ほんの少しだけど、それでも嬉しくて家の中で小さく飛び跳ねたのを覚えてる。
久しぶりに見たその人は、相変わらずかっこよくて優しくて、言葉選びが繊細で、小さくなっていた火種が一気に燃え上がる気がした。
肝心の告白はできなかったけど。
できなかったというよりは、させてもらえなかったという方が正しいのかもしれない。
その後も好きと憧れみたいなものの間を彷徨って、いまの関係が壊れるのは怖くて、結局宙ぶらりんのまま。
そして仕事も頑張りどきだったから、恋愛に対して悩んで考えてる時間がイヤになってきて、もう一旦忘れよう!このままの関係でいよう!と思っていた矢先に、今のパートナーと出逢った。
初対面の彼の印象は、真面目でシャイな優しい人。
何度か会う回数を重ねるごとに彼に関しての理解が増えていった。
口数はそれほど多くなく、だけど自分の気持ちはきちんと言葉で伝えようと頑張ってくれてる。几帳面な部分がところどころに垣間見え、待ち合わせの時間に遅れることはほとんどないどころか着くのがめちゃくちゃ早い。辛いものが好きで、細いのに食べる時はたくさん食べるけどトマトが苦手。
怒らない、束縛しない、必要以上に干渉してこない、相手の意見も尊重してくれる、旅行が好き、毒を吐くとちょっと嬉しそう。笑
炎がボッと燃え上がるようなものではなく、お風呂のお湯が沸き立つようにゆっくりとだけど着実に好きになっていくような人。
会えない期間も電話をしてくれたおかげで、湯船は冷めることなくぬるま湯のまま身体をじんわりと温め続けてくれている。
「結婚するなら焚き火よりも、お風呂の温度がちょうど良いなあ」
そんな気持ちを抱いた。
だから彼に告白されたとき、迷いはなかった。
燃え上がる恋はどきどきするけれど、今の私に必要なのはぽかぽかする愛のある安心感と温もり。
この人となら支え合っていけそう。
そう思って付き合った相手との間にできた新しい命。
過去のトラウマを克服して、正直に話せたのも彼だったからなのかもしれない。
どこかで彼は受け入れてくれるという自信があったから、伝えられたのかもしれない。
彼にLINEで伝えたとき、すぐに電話をかけてくれて当たり前のように「これからのこと」を考えてくれたことが何より嬉しかった。
体のことを気にかけてくれて、時間を作ってくれて、理解をしようとしてくれることも。
寄り添いあって、話し合って、これからはぶつかることもあるかもしれないけれど、私は私のことを大切に想ってくれる人を大事にしたい。
これから生まれてくる、新しい命に、出来る限り多くの体験をさせてあげたい。
私のような辛い経験はさせたくないけど、辛いことがあっても立ち上がって前を向いて強く歩いていける子に育ってくれたら、多少の辛いことはきっと平気だと思う。
名前はどうしようか、女の子か、男の子か、将来はどんな大人になるんだろうか。
お腹のなかにいるこの生命は、どんな世界をつくってくれるのか今から楽しみだ。
いただいたお金は全て息子に捧げます