見出し画像

真っすぐに続くあの崖は、何だ??:岐阜県南東部山間地域【地元再発見の小旅行vol.20】

岐阜県南東部の山間地域には、中生代付加体火砕流堆積物(濃尾流紋岩)が広く見られます(詳しくはコチラ)。
これらの地質は硬いので、山が多い地形になっているのですね。
その中でも特に気になる地形がありました!

どこ?

まずは場所の再確認から。

地形区分_番号

スーパー地形(カシミール3D)より抜粋した画像をもとに筆者作成。
なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト
※トップ画像や以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。

上図の⑥地域が南東部山間地域です。

市町村アップ02

図で示した10の市町村がこの地域に該当します。


地形図を見る!

では行ってみましょう!

画像3

ほぼ中央部に見える地形が、気になるんですよ。

画像4

拡大してみました。
北西ー南東方向に伸びる崖が見えます。随分真っすぐですよね。
しかも崖を挟んだ東西で地形が違います。

崖

赤点線でお示しした場所です。
上の図と見比べて見てください。


地質は?

あれだけ目立つ真っすぐな地形で、さらに東西で地形が違うと考えると地質が関係してる可能性が高いですよね。

画像10

地質図を見てみると北西ー南東方向に断層(黒線)が3条伸びています。

(1)断層(崖)の東側の地質
薄いピンクは中生代白亜紀(約8300万年~6600万年前)の火砕流堆積物(溶結凝灰岩)です。
そしてピンク色、濃いピンク色は同時代の花崗岩類です。

(2)断層(崖)の西側の地質
西側の地質は古生代石炭紀~中生代白亜紀前期(約3億5800万年~1億2500万年前)の付加体です。黄色が砂岩でオレンジがチャート。

崖_地質図

並べましたので見比べてみてください。
崖付近に断層があり、断層を挟んだ東西で地質が違います。

断層は何度も動くうちに岩石が破壊されて脆くなっていきます。
ですので断層沿いの地質は浸食に弱く、崖になることが多いんです。


バーチャル旅行

3Dを見て現地に行った気分になってみましょう♪

市町村

図のように恵那市北西部から白川町西部にかけての地域です。

アクセス

自動車でのアクセスは以下との下りです。

①:中央自動車道「恵那インターチェンジ(赤丸)」で下道へ
②:国道19号線を瑞浪市方面(西)へ
③:右折して国道418号線を北上
④:木曽川を渡ってT字路を右折(県道412号線)→すぐまたT字路があるので、左折して県道68号線を北上

では行ってみましょう!

画像10

3Dにしてみると、「崖」というほど急ではないですね。
斜面が真っすぐ続いていると言った方が良いかもしれません。
でも左右で地形が違うのは地形図で見たイメージ通りです。
道路は中野方川(なかのほがわ)に沿って狭い谷を抜けていきます。

画像11

空中写真をかぶせました。

少しづつ北西の方へ進んでいきます。

画像12
画像13

谷地形は続きますが、中野方川の上流は右(北東)に曲がります。
道路も川に沿って東に迂回しますが、ここではそのまま直進します!
車ではなくドローンでの旅ですね(笑)

画像14

狭い谷が2つに別れて真ん中に丘のような山が見えますね。

画像15

近づいてみました。画像の真ん中より左下です。

画像16

なるほど!
山の両側が断層なんですね。
左右が削られ、真ん中がポッコリと残って山になったようです。

画像17
画像18

また川が見えてきました。赤川です。

画像19
画像20

この辺りで左手の斜面の真っすぐな雰囲気がなくなってきました。

画像21

なるほど・・断層はここまでなのですね。


今回は以上となります。
お読みいただき、ありがとうございました。


この地域の他の記事はコチラ👇


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?